迷う時間も楽しい、アイスと焼き菓子のお店。新発田市の「BON’ AP」。
カフェ
2024.02.14
新発田市役所近くに昨年オープンした「BON’ AP(ボナップ)」。関東でパティシエとして経験を積んできた高澤さんが作る、ヴィーガンアイスと焼き菓子のお店です。カウンターにずらりと並んだお菓子を眺めているだけで、幸せでワクワクした気持ちになります。今回は、高澤さんがお店をはじめられた経緯やお菓子とアイスへのこだわりについて聞いてきました。


BON’ AP
高澤 秋乃 Akino Takasawa
1998年新発田市生まれ。高校卒業後、専門学校進学を機に上京。製菓について学び、卒業後は関東のレストランでパティシエとして働く。2023年11月に独立し、新発田で「BON’ AP」をオープン。
レストランでパティシエの経験を積んだ店主の、アイスと焼き菓子のお店。
――高澤さんはこちらのお店をはじめる前も、お菓子に関わるお仕事をされていたんですか?
高澤さん:もともとパティシエをやっていたんです。関東の専門学校を出てから、レストランのデザートとかウェディングを担当していて。けっこうかしこまった感じのお店で働いていました。
――昔からお菓子作りがお好きだったんでしょうか。
高澤さん:そうですね。両親が飲食業をやっていて、ちっちゃい頃から父の厨房が遊び場みたいになっていて、そこでお菓子を作るのが好きだったって、親から聞きました(笑)
――へ〜! お父さんはどんなお店をされているんですか?
高澤さん:父は割烹をやっていて、母は今、ランチのお店をやっています。それから兄は農業高校の先生をしているんです。

――いつから独立を考えるようになったんでしょうか。
高澤さん:レストランで働いていたときから「独立したいな」って、ふわっと思っていました。お店を辞めたタイミングで新発田に戻ってきて、「これからどうしようかな」って考えながら母のお店を手伝っていたんです。母のお店にはお菓子がなかったので私が焼き菓子を作って出すようになったら、好評をいただくことが多くって。それがやっぱり嬉しかったんですよね。
――お客さんの反応が独立を後押ししたんですね。
高澤さん:そんなときに知り合いの方から、この物件を安く貸してもらえるっていう話をいただいたんです。「チャンスだ!」って思って、計画性なしに飛び込みました(笑)。それが去年の夏頃ですね。
――場所が決まって、かなり急ピッチでオープン準備を進めていったわけですね(笑)。どんなお店にしようと考えていたんでしょう?
高澤さん:自分でお店をやるんだったらカジュアルなお店がいいなって思っていました。パン屋さんみたいな感覚で、日常使いできるようなお店がいいなって。

ヴィーガンのアイスと、食材を生かした焼き菓子。
――焼き菓子だけじゃなくて、アイスも置くことにされたのはどうしてなんですか?
高澤さん:レストランにいたときは「アシェットデセール」っていう皿盛りのデザートがメインだったので、だいたいアイスが付くんですね。それで季節の食材を使ったアイスをよく作っていたので「アイスはやりたいな」って。夏場とか「アイス食べに行こう」って軽い感じで行けるし、そのひとアクセントがあったらいいなっていうところで、アイスもやることにしました。
――しかもヴィーガンのアイスだそうですね。
高澤さん:卵や乳製品を使っていないんです。豆乳やアーモンドミルク、ココナッツミルク、あとは甘酒とかをベースにして作っています。乳製品が食べられないお子さんを連れた方が「アイスデビューに使わせてもらいます」って言ってくださったこともありました。
――アレルギーがあっても食べられる美味しいアイスって貴重ですもんね。
高澤さん:みんなが食べられるアイスが、ひとつの選択肢になったらいいなって思っています。夏場の楽しみのひとつになるといいですね。

――焼き菓子がずらっと並んでいると、どれにしようかワクワクしますね。
高澤さん:お店をはじめる前に、市役所の下のスペースを借りてベーグルを販売したことがあって、いろんな種類をずらっと並べていたんです。お客さんが「どれにしようかな」って迷っているのを見ていたら「こんなお店ができたらいいな」って、お店をやるならお菓子をずらっと並べたいなって思っていました。

――焼き菓子の中で人気なのはどれですか?
高澤さん:ラムレーズンバターのサンドスコーン……だと思っているんですけど、マフィンも人気で、開店してすぐなくなっちゃうこともありますね。初めて来られた方はラムレーズンバターを狙いに来てくれることが多いですし、リピーターの方はバターケーキを買っていかれたり。人それぞれですね。

――ラムレーズンバターは見た目でかなり惹かれますもんね……。高澤さんのおすすめはどれですか?
高澤さん:私はけっこう素朴な味が好きなんです。レモンケーキはレモンの甘酸っぱさと生地の味が感じられるので、よく出していますね。あとバターサンドケーキは、味がメープルだったりチョコだったり日替わりなんですけど、生地にアーモンドをローストしたものを細かく粉砕して混ぜ込んでいるんです。そのバター生地がアーモンドの香りがして、すごく好きで。個人的なおすすめです。
――アイスや焼き菓子に使っている材料にもこだわりはありますか?
高澤さん:アイスも焼き菓子も添加物を使わないようにしているのと、あとは老若男女みんなが安心して食べられるようなものを作りたいなと思っています。焼き菓子に使う小麦、卵、お砂糖とか、そういった主材料は全部国産にして、フルーツとかは外国産も出てきてしまうんですけど、なるべくお子さんでも安心して食べられるような食材を使っています。

お客さんから日々、パワーを貰っている。
――以前働かれていたレストランとは違いも多いと思いますが、こちらのお店をはじめてみて思うことはありますか?
高澤さん:レストランで働いているときは、かしこまった接客をしなければいけなかったので、それが苦手でした。「接客はちゃんとしなきゃいけないもの」っていうイメージがあったんです。でも自分のお店をはじめてからは、お客さんと個々でちゃんとお話しをするようになって、すごくパワーを貰っているんです。
――こういうお店だと、きっとお客さんとの距離感が近いですもんね。
高澤さん:「本当においしかったよ」と言ってくださったり、お子さんの話をしてくださったり、接客の概念が変わりましたね。お店をオープンするときに「今日はどんなお客さんが来るかな」って考えるのが楽しいんです。接客を苦手に思っていたけど、今は「楽しいな」「嬉しいな」って思います。
――素敵な気づきですね。今後は「BON’ AP」でどんなことに挑戦してみたいですか?
高澤さん:今はまだオープンして2ヶ月ちょっとなんですけど、季節が変わると、またいろんな食材が出てくると思うんです。頻繁に来てくださるお客さんも飽きないようなお菓子を、自分も勉強しながら作っていきたいですし、やったことないことにもチャレンジしていきたいなって思います。

BON’ AP
新発田市中央町4-1-2
TEL:080-7991-7787
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