地元の人たちに愛されるパン屋さんを目指す「BOULANGERIE Pas à Pas」。
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2021.04.07
新発田市の住宅街にあるお洒落なパン屋さん「BOULANGERIE Pas à Pas(ブーランジュリーパザパ)」。店内には芳ばしい香りが漂い、ハード系のパンをはじめ、たくさんの美味しそうなパンが並べられています。いったいどんなパン屋さんなのか、二人三脚でお店をやっている岩城さん夫婦にお話を聞いてきました。


BOULANGERIE Pas à Pas
岩城 洋志 Hiroshi Iwaki
1981年新発田市生まれ。鹿児島の大学を中退して新潟に戻り、実家のパン屋を手伝い始める。その後、東京の「パン技術研究所」で学び、都内のパン屋で2年修行してから新潟に戻り、新発田市で「BOULANGERIE Pas à Pas」をオープン。趣味はカメラやロードバイク。
BOULANGERIE Pas à Pas
岩城 ゆり Yuri Iwaki
1985年新発田市生まれ。以前は歯科アシスタントの仕事をしていたが、洋志さんとの結婚を機に「BOULANGERIE Pas à Pas」を二人三脚でやるようになる。趣味はカメラ。クロスバイクも楽しんでいる。
パン職人としての人生を変えた、処女作「マロンメロン」。
——洋志さんのご両親はパン屋さんをやっていたんですよね。最初からお店を継ごうと思っていたんですか?
洋志さん:いいえ。昔は機械が好きだったこともあって、航空整備士に憧れていたんです。特にジェットエンジンに興味があって、高校時代はよく新潟空港に通って展望デッキから旅客機や空港の様子を観察していました。高校を卒業してからは、鹿児島の大学で航空整備士の勉強をしていました。
——飛行機とパンではだいぶ違いがありますけど、どうしてパン屋さんになったんですか?
洋志さん:ちょっと大学で遊び過ぎまして……(笑)。途中で大学をやめて新潟に帰ってきて、実家のパン屋を手伝うことになったんです。

——それからはずっとパン作り一筋にやってきたんですね。
洋志さん:でも、パンの仕事も一度やめようと思ったことがあったんですよ。あるとき、自分でパンの新商品を作ってみたんです。メロンパンの中に刻んだ栗とカスタードクリームを入れたパンで、その名も「マロンメロン」(笑)
——めっちゃ語呂がいい(笑)。その「マロンメロン」は売れたんですか?
洋志さん:それが全然売れなかったんですよ。今思うとめちゃめちゃ甘かったんですよね。すっかり心が折れてしまって、自分はパン屋に向いてないからやめようって思ったんです。
——自信を失ってしまったんですね。
洋志さん:ところが「マロンメロン」を作るのをやめて、店にも置いていなかったんですけど、買い物に来たひとりのおばあちゃんが「『マロンメロン』はないの?」って聞いてくれたんです。たったひとりでも、喜んでくれるお客様がいたことを知って、嬉しくて泣いてしまったんですよね。それ以来、ひとりのお客様に喜んでもらえることを大切にしようと思うようになって、本格的にパン作りの道に進むことになりました。
——パン作りを学ぶために何かやったことはあるんでしょうか?
洋志さん:東京にある「パン技術研究所」でパン作りを理論から学びました。その後は東京のパン屋さんで2年くらい修行しました。かなり厳しい修行でしたね。夜中の2時半から働き始めて仕事が終わるのが夜の7時でしたから。クリスマス頃の繁忙期は休みなしで働いて、泊まり込みになることもあったので、寒いときなんかは窯の前で寝たりしてました。一緒に働いていた仲間たちが次々にやめていくのが辛かったけど、おかげさまで負けん気だけは身につきましたね。

子どもがおこづかいを握りしめてパンを買いにくるような店。
——「BOULANGERIE Pas à Pas」はどのようにオープンしたんですか?
洋志さん:東京から新発田に帰ってきて、両親のやっていた店を引き継いだんです。でも自分の色を出していきたいと思ったので店名を変えました。「Pas à Pas」っていうのはフランス語で「一歩一歩」っていう意味なんです。パン屋として一歩一歩着実にレベルアップして、一歩一歩お客様との距離を詰めていけたらという思いで名付けました。
——とてもいい名前ですね。お店を引き継いだとき、「こんなお店にしたい」という理想はあったんですか?
洋志さん:地元の人たちに愛されるお店にしたかったですね。だからオープンのときもチラシを出しませんでした。近所の子どもが、おこづかいを握りしめてパンを買いにきてくれるような店が理想なんです。いつか、自分の身体が動かなくなって店を閉めることになったとき、近所の人たちから「あのパン屋があって本当によかった」って言ってもらえたら嬉しいですね。
——それで実際、近所の人たちは買いに来てくれますか?
ゆりさん:来てくれますね。私が嬉しいのは、近所の子が買い物じゃなくても会いに来てくれることなんです。新しいおもちゃや自転車を買ってもらうと、お店まで見せに来てくれるんですよ(笑)。そんな触れ合いがとても嬉しいんですよね。

——ここからは奥様にもお話をお聞きしようと思います。ゆりさんは洋志さんとどんないきさつで知り合ったんですか?
ゆりさん:彼が「BOULANGERIE Pas à Pas」をはじめて少し経った頃に、お互いの趣味だったカメラを通して知り合ったんですよ。結婚してからお店を手伝いはじめて、最初は接客だけだったのに、いつの間にかパン作りもするようになりました(笑)。
——パン作りは楽しいですか?
ゆりさん:楽しいです。やってみたら面白くなっちゃいましたね。
洋志さん:楽しくなかったらやってられないですよね(笑)。嫌々作ったらパンにそういう気持が出ちゃうし、そんなパンをお客様に食べてもらうわけにはいかないです。

新しいものより、昔ながらのパンを作りたい。
——「BOULANGERIE Pas à Pas」のパンはどんなことにこだわって作っているんですか?
洋志さん:材料にこだわるというよりは、基本的な製法を忠実に守って作るようにしています。新しいことをするというよりも、昔ながらのパンを作り続けていきたいし、本物のパンを目指したいと思っています。あとケガには気をつけていますね。特に手をケガしてしまったらパンが作れなくなってしまいますから。
——お店のパンで特におすすめのものはありますか?
洋志さん:「パン・ド・ロデヴ」っていうハード系のパンがあります。外はパリパリとして中はしっとりとしながら、もちもちした食感なんですよ。お米に近いパンだから、サバ缶、蒲焼き、生姜焼きなんかにもよく合うんです。和食にも合うから日本人にぜひ食べてほしいパンですね。

ゆりさん:「パン・ド・ロデヴ」にはバリエーションとして、イチジクとクルミを混ぜたものや、ブルーチーズとクルミを混ぜたものもあるので、初めて食べる方にはそちらがおすすめかもしれませんね。クッキーも子どものおやつとして人気がありますよ。
——今後やってみたいことはありますか?
洋志さん:お店の中の棚や外回りを少しずつ新しくしていきたいっていう思いはあります。あと、ずっと変わらないパンを作り続けていきたいですね。
ゆりさん:謙虚に誠実に、パン屋さんを続けていきたいです。それで地元の人たちから長く愛されるようなお店にしたいですね。

取材をしていて、洋志さんとゆりさんがお互いをとても大切にしている様子が伺えました。そんなおふたりの人柄が作っているパンにも表れている気がします。地元の方々はもちろん、離れた地域の方も、美味しい「パン・ド・ロデヴ」を食べたくなったらぜひ「BOULANGERIE Pas à Pas」に足を運んでみてくださいね。
BOULANGERIE Pas à Pas
新潟県新発田市御幸町4-12-10
0254-26-2287
7:00-19:00
水曜休(月1回火曜他休)
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