新潟駅南口のけやき通りに、西部劇に登場するような一際目立つお店があります。その名も「ウエスタンレストラン ブロンコ」。店内には馬車の車輪、ライフル銃、テンガロンハット、牛の骨などが飾られウエスタンムード満点。壁にはおたずね者の張り紙まで。そんなお店で提供されるのは、鉄板の上で湯気をあげる熱々のハンバーグやステーキ。今回は「ウエスタンレストラン ブロンコ」店長の大平さんに、お店の歴史やハンバーグなどの料理についてお話しを聞いてきました。
ウエスタンレストラン ブロンコ
大平 和実 Kazumi Ohdaira
1978年魚沼市生まれ。「ウエスタンレストラン ブロンコ」店長。大学卒業後、住宅会社の営業を4年半経験したのち、高校時代にアルバイトをしていたことのあるブロンコに入社する。28歳の頃からキックボクシングの道場に通い続け、常に体を鍛えている。
——今日はよろしくお願いします。目の前にはとっても美味しそうなハンバーグがありますね。
大平さん:ハンバーグの食感のよさとソースの美味しさで好評をいただいてます。特にソースはライスを一緒に食べたくなる味らしく、コシヒカリを使った当店のライスとも相性バッチリです。
——ハンバーグには特別なお肉を使っているんでしょうか?
大平さん:特別といっていいのかわかりませんけど、良いひき肉を使っています。創業時から40年以上の付き合いがある肉屋さんから仕入れてるんですよ。
——作るときのこだわりなど、聞かせてください。
大平さん:受け継がれてきた製法を忠実に守って、42年間変わらない味を守り続けていますね。それから、お客さんをお待たせしないよう、少しでも手際よく作ることを心がけています。待っていただく場所もないので、おもてに並んでもらうのは申し訳ありませんからね。とくにお客さんの時間がないランチタイムは、調理に時間がかかりすぎないよう気をつけています。
——たしかに、あっという間にできてきましたよね。ところでハンバーグをより美味しく食べる、おすすめの食べ方ってありますか?
大平さん:人それぞれお好みもありますので、あくまでも私個人のおすすめの食べ方を紹介しますね。テーブルに備え付けてあるマスタードを振りかけて食べてみてください。マスタードの酸味や辛味がハンバーグのデミグラスソースによく合います。中にはガーリックパウダーをかけて食べる人もいますし、食べ方は人それぞれですよね。
——ハンバーグと並んでステーキも出てきましたけど、こちらも美味しそうですねー。
大平さん:ステーキには3種類のサイズがあります。450gのワンポンドステーキ、300gの2/3ポンドステーキ、225gの1/2ポンドステーキです。オージビーフを使って、塩コショウを片面にかけて焼き、最後にバターを乗せるだけのシンプルな調理です。ステーキソースはかけません。
——ステーキソースをかけないのには、どんな理由があるんでしょうか?
大平さん:肉本来の味を楽しんでほしいので、ステーキソースの味で邪魔されないようにしてるんです。ソースの味でごまかすことができないので、肉の味が試されることになりますよね。
——ハンバーグやステーキのほかに、メキシコ料理も色々ありますよね?
大平さん:代表的なメキシコ料理のタコスは人気がありますね。辛い味付けのひき肉と、キャベツ、トマトをトルティーヤというトウモロコシを使った皮で包んだものです。スパイシーな味わいが後を引きます。その他にもスパイシーなチョリソーというソーセージ、チーズがもちもちした食感に合うエンチラーダス、肉と豆を煮込んだチリビーンズなども美味しいですよ。
——どれも気になりますね。ブロンコさんといえばグリーンサラダが人気ですよね。あのドレッシングって自家製なんですか?
大平さん:自家製です。でも、それ以上は何も申し上げられないです(笑)。以前、インターネットを見ていたら、うちのサラダのレシピを掲載している個人サイトがあったんですよ。見てみたら全然まちがっているレシピでしたけどね(笑)。でもそこまで有名になっているのはうれしいです。
——ところでブロンコはどんないきさつで始ったお店なんでしょうか?
大平さん:もともと東京に「エル・アミーゴ」っていうステーキ店があって。「ウエスタンレストラン ブロンコ」のオーナー・畠野会長のお兄さんが経営していたんです。畠野会長はチェーン店として新潟市の西堀でエル・アミーゴを始めて、昭和52年に今のけやき通り沿いに「ウエスタンレストラン ブロンコ」をオープンしました。
——オープン以来、お店の雰囲気は変わらないんでしょうか? ウエスタンムードがいい感じのお店ですよね。自然とテンションが上がります(笑)
大平さん:ありがとうございます。オープンからお店の内装は変わっていません。ステーキなどの油で、ベンチや壁などに色がついてしまうので、ときどき細かく修繕はしていますけどね。この雰囲気を懐かしがってくれるお客さんも多いので、変えるわけにはいかないんです。
——たしかに、子どもの頃に来た時から変わってないような気がします。大平さんは、普段どんな気持ちでお店をやっていますか?
大平さん:先ほどお話しした、お客さんをお待たせしない、ということのほかに、料金でもお客さんに喜んでもらえるよう何年も価格を変えていません。コストパフォーマンスもいいお店なんじゃないでしょうか。「安く、早く、うまい」というお店を目指しています。
——お店をやっていて、やりがいを感じるのはどんな時ですか?
大平さん:創業42年の歴史を感じる時がたびたびあるんです。たとえば、学生の時食べに来てくれていた子が、結婚して子どもを産んで、家族連れで食べに来てくれたりするんですよ。そういう時はとてもうれしく感じますね。
——最後にこれからのことを聞かせてください。
大平さん:これからも味や雰囲気を変えることなく続けていきたいと思います。そして、親といっしょに食べに来ていた子どもが家庭を築き、自分の子どを連れて食べに来てくれるような、世代を超えて愛され続けるお店を目指していきたいですね。
新潟駅の南口で42年にわたってステーキやハンバーグを提供し続けている「ウエスタンレストラン ブロンコ」。味はもちろん、お店の雰囲気をかたくなに守り続けるスタイルに、創業時から通い続けるファンも多いようです。西部劇の中のお店と錯覚するようなウエスタンムード満点のお店で、ハンバーグやステーキ、メキシコ料理を味わってみてください。