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自然保護にもつながるペレット窯ピザ、越前浜の「窯焼きピザCaldo」。

「ペレット」という燃料をご存知でしょうか? 丸太、枝葉、樹皮を顆粒状に破砕してから、小粒の棒状に圧縮成形した固形燃料で、ストーブやボイラー、発電などに用いられています。そのペレット燃料に注目し、ストーブやピザ窯を開発してきた古川さんが、この夏、越前浜海水浴場でペレット窯を使ったピザショップ「窯焼きピザCaldo(カルド)」をオープンしました。

 

 

窯焼きピザCaldo

古川 正司 Shoji Furukawa

1964年長崎県生まれ。新潟大学を中退して鳶職に18年間従事。その後、仲間たちと「有限会社さんかい産業」を創業し、伐採した樹木を薪やペレットに加工して販売。またペレットストーブやピザ窯を開発。2019年に会社は解散となり、現在はフリーランスとしてキッチンカーによる窯焼きピザの販売、キッチンカーの製作支援などを行う。2022年8月より越前浜海水浴場で「窯焼きピザCaldo」をオープン。

 

越前浜にオープンした窯焼きピザの店。

——「窯焼きピザCaldo」の店舗オープンおめでとうございます。古川さんが、この越前浜海水浴場でお店をはじめたいきさつを教えてください。

古川さん:僕は今までキッチンカーで窯焼きピザの移動販売をしていたんですが、お客様から「どこにお店があるの?」ってよく聞かれていたんです。お客様からすれば、買いたいときにいつでも買える方が嬉しいのかなとは思っていたんですよ。そんなとき、古い付き合いの「トロピカルリゾートBOWWOW」さんから、一緒に越前浜を盛り上げてみないかと声をかけてもらって。以前、越前浜の雑木林を整備したこともあったので、何か手伝うことができればとお店を出させてもらうことになりました。

 

——こちらのお店は期間限定の営業になるんでしょうか?

古川さん:実をいうと、まだ何も決まっていないんですよ(笑)。とりあえず営業してみて、あとは様子を見ながら決めていこうと思っています。

 

 

——越前浜を盛り上げるために、古川さんが考えていることはありますか?

古川さん:ピザを焼く窯を越前浜の皆さんに開放して、窯料理やバーベキューを越前浜の名物にできたらいいなと思っています。あと、お店のことは知り合いに任せて、僕はキッチンカーでイベントを回ろうと思っています。その先々で僕が営業マンになって越前浜やお店の宣伝をしようと思っているんですよ。

 

ボランティアの森林保護が、ペレットストーブへと結びつく。

——古川さんは以前はどんなお仕事をされていたんですか?

古川さん:大学を中退して鳶になったんです。学生時代にも鳶のアルバイトしていたことがあって、そのときの地下足袋の感触が忘れられなかったんですね(笑)。鳶職として原子力発電所やリゾートホテルの建築なんかに携わってきました。

 

——鳶職は長く続けたんですか?

古川さん:18年くらいやりましたね。最後は僕も管理職になっていたんですが、リストラの宣告をする仕事をやらされるのが嫌で「誰かが辞めなきゃダメなんだったら僕が辞める」って啖呵を切って退職しちゃったんです。そしたら、僕の部下達も続いて会社を辞めて、僕のもとに5人くらい集まってきちゃったんですよ。でも僕も無職で面倒見れないから、気持ちは嬉しいけど困りましたね(笑)

 

——皆さん、古川さんの男気に感じるところがあったんでしょうね。

古川さん:とりあえず一緒に生活をして、最初はそれぞれで仕事をとってきました。仕事で得た報酬はみんなで山分けしていたんですよ。それであるとき、角田山の森林整備をボランティアではじめたんです。そこで伐採した枝の処分を引き受けて、薪として販売するようになったんです。

 

——薪は売れたんでしょうか?

古川さん:まったく売れませんでした(笑)。薪の愛好家が喜ぶのは、着火性の高いナラやブナなんです。ところが、角田山で伐採するのはスギやマツなんですよ。でも、そのとき足を運んでいたバイオマス関係の展示会で、ペレットという燃料と出会ったんです。薪に比べて手間やコストがかからず火力も大きいし、森林保護にもつながるエネルギーなんです。それで、「にいがた産業創造機構」や銀行の支援を受けながら、角田山にペレットのプラントを建てました。

 

 

——それで、ペレットは売れたんでしょうか?

古川さん:まったく売れなかったんです(笑)。なぜなら、ペレット用のストーブが世の中にまったく普及していなかったんですよね。そこでペレットストーブを先に売ることにしたんです。ところが、ペレットにもいろいろな種類がありまして、うちで作っているような白いペレットを使えるストーブがなかったんです。

 

——次から次へとピンチが訪れますね。

古川さん:無いんだったら作っちゃえってことで、白いペレットを燃やすことができるストーブを製造したんです。そしたらこれが大反響で、いろいろなメディアで紹介されて販売店が200軒にも上ったんですよ。その後、アウトドア産業にも働きかけて、あるアウトドアメーカーが参加してくれたことで、ペレットストーブを量産できるようになりました。今では北海道から鹿児島までたくさんのユーザーさんがいます。

 

ペレット窯を積んだキッチンカーでピザの移動販売。

——キッチンカーはいつ頃からはじめたんですか?

古川さん:6年前からやっています。きっかけは「屋外結婚式で窯焼きピザを作ってほしい」というオーダーでした。2時間で200人分のピザを焼くには、燃料にお金がかからず火力の強いペレット窯が最適だったんです。それから全国のピザ窯を見て回って、ペレット燃料用のピザ窯を開発しました。同時にピザを作る技術も学んだんです。

 

 

——でも、どうしてキッチンカーを?

古川さん:本当はピザを焼いて売るというのはデモンストレーションで、ペレット窯の性能を多くの人に伝えたいからなんです。ペレットの素晴らしさを知って多くの人に使ってもらえれば、それが森林保護にもつながるんですよ。

 

——なるほど、じゃあ一石二鳥の活動なんですね。

古川さん:使っているピザ生地は福祉作業所に依頼して作ってもらっているので、障がい者支援にもつながります。あと、独立してキッチンカーをはじめたいという人のために、キッチンカーのレンタルや製作支援も行っています。そういう意味では一石二鳥どころか、三鳥も四鳥もあるんです(笑)

 

——これからもペレット燃料や越前浜の魅力を伝えていってください。

古川さん:ありがとうございます。越前浜のお近くにお越しの際には、ぜひ気軽に立ち寄っていただきたいですね。

 

 

 

窯焼きピザCaldo

新潟市西蒲区越前浜6838-1

080-1090-4252

11:00-無くなり次第終了

木曜休

 

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