昼と夜とで違った顔を持つ店「Wine Café ぱん」。

「Wine Café」オーナーにワインや料理へのこだわりなどを聞く。

新潟市中央区近江の笹出線沿いにある「Wine Café ぱん」。イタリア料理とワインをメインにしたこのお店、実は親子でやっていること、皆さんご存じでしたか? 昼はお母さん、夜は息子さんが担当しているので、ひとつのお店でも昼夜で違ったテイストになるのです。今回はオーナーであるお母さんの大橋八重子さんから、お店を立ち上げるまでのエピソードや、料理やワインへのこだわりなどをお聞きしました。

 

 

Wine Café ぱん

大橋八重子 Yaeko Ohashi

1954年新潟市生まれ。1989年、新潟市内に喫茶店「リオ」をオープン。閉店後は中華料理店でホールを担当。2004年に「Wine Café ぱん」をオープン。ワインやイタリア料理を愛する母。

 

 

イタリアの家庭料理とワインを気軽に楽しめる「Wine Café」。

——今日はよろしくお願いします。早速ですが緑の蔦や階段、デッキが目立つお洒落な外観ですよね。

大橋さん:ありがとうございます。以前ここには建築会社の事務所があったんですが、味もそっけもない階段がついていたんです。私のやりたいお店のイメージではなかったので、思い切って階段を作り直し、ついでにデッキも作りました。道路に面した側にそれらを作ることで、「二階に何かある」という興味を引こうと思ったんですね。デッキのプランターには季節の花などを植えて目立つようにしています。

 

——確かに、すごく雰囲気がよくて、通ったら見上げちゃいますね。店名が「Wine Cafe」となっていますが、イタリア料理のお店ですよね?

大橋さん:気取りないイタリアの家庭料理を楽しんでいただくお店です。ワインも肩肘張らずにカフェ感覚で気軽に飲んでほしかったので、「Wine Cafe」という言葉を店名の頭につけました。

 

 

——メニューは昼と夜で違うとお聞きしたのですが…。

大橋さん:基本的には肉料理、魚料理、パスタ、ピザなどですけど、昼と夜ではメニューが少し違うんです。あと、ハンバーグは誰でも気軽に食べれるので提供しています。お年寄りでも子供でも食べられるでしょう?それからメニューが変わるだけじゃないんです。実は、昼は私が営業するお店、夜は息子が営業するお店なんです(笑)。ですので、システムや雰囲気も多少変わりますね。

 

——そういうお店は珍しいですよね。

大橋さん:最初は私の店に息子を雇う形で給料を払っていたんです。でも親子で一緒にやっていると、どうしてもお互いに甘えが出てしまうんですね。そこで夜の営業をまるごと息子に預けることにしました。料理は私が教えたのでメニューには共通しているものもありますが、食材の仕入れや経理は完全に分かれています。

 

喫茶店と中華料理店での経験+イタリア料理が好き→お店をオープン。

——お店をオープンする前も、イタリア料理を作られていたんですか?

大橋さん:いえ、まったく(笑)。私がはじめにやったお店は喫茶店だったんですよ。1989年に「リオ」という喫茶店をオープンして、コーヒーとパンだけで営業していました。そのうち、お客さんのリクエストがあってパスタも始めたんです。7年間営業したあと閉めることになり、その後は近所の中華料理店で8年間働きました。当時の中華料理の世界は、女性を厨房に入れなかったので、私はホールを担当していました。ですから料理を覚えることはできませんでしたけど、オーナーシェフの料理に対する妥協のない姿勢を目の当たりにして、とても感銘を受けました。私が料理に目覚めたきっかけとなったお店でしたね。

 

——そのときの料理への目覚めが「Wine Cafeぱん」オープンにつながったと。

大橋さん:どうしても自分のお店をやりたかったので中華料理店を退職して、2004年に「Wine Cafeぱん」を今の場所にオープンしました。お店をやるために50歳で調理師免許を取りましたよ(笑)。

 

——なぜイタリア料理だったんですか? 調理経験はなかったんですよね?

大橋さん:私がイタリア料理食べるの好きだったから(笑)。調理経験はないんだけど、とにかくイタリア料理を極めたいという気持ちだけは強かったですね。イタリア料理の本を片っ端から読んでは作り、何度も失敗して試行錯誤しながら自分の味を完成させました。味でも苦労したけど、もっと苦労したのはテクニックね。加減がわからずフライパンを振りすぎて腱鞘炎になってしまったり…。あと包丁で手を切ったり火傷したりはしょっちゅうでした。でもお店を休むわけにはいきませんから、がんばって乗り越えました。

 

私はワインを飲むと前向きになれるし、勇気が出る。リーズナブルなワインを気軽に。

——昼と夜のメニュー、それぞれどんなこだわりがあるんでしょうか?

大橋さん:ランチメニューの食材は毎朝仕入れして、その内容によってメニューを決めるようにしています。毎日同じ食材が手に入るとは限らないので。あと、鮮度がいいものを使うよう心がけています。食材を明日に残さないようにしてますね。ディナーメニューはワインによく合うものを用意しています。肉料理をはじめ、チーズ、マリネ、カルパッチョ、サラダなど。〆にパスタやピザを召し上がるお客さんも多いかな。

 

——ワインには、どんなこだわりがありますか?。

大橋さん:ワインを提供するお店にしたのは、ワインが好きだからなんです(笑)。私はワインを飲むと前向きになれるし、勇気が出るんですね。今でも寝る前にワインを飲みながら、明日のメニューを考えたりしてます。お客さんにも、いろいろあった1日の疲れをワインで癒してほしいと思ってるんです。けっして高いワインを飲む必要はないので、リーズナブルなワインを気軽に楽しんでほしいですね。

 

——おすすめのワインや料理を教えてください。

大橋さん:私の個人的な好みでいうと、ワインはフランスの「イル・ラ・フォルジュ」。どんな料理にも合うのでおすすめです。チリのワインもおいしいですよ。料理ではランチメニューの「牛ほほ肉のパスタ」。柔らかく煮込んだほほ肉に豊かな味わいのソースが染み込み、とても人気があるパスタです。

 

店を離れる息子に代わって、夜の営業も一人でがんばる。

——昼と夜とでは違うお店。その感覚は楽しいですね。

大橋さん:ええ、でもそれが…。息子が「Wine Cafeぱん」から近々離れることになったんです。

 

——えっ、そうなんですか?

大橋さん:それで夜の営業をどうしようかと思って…。でも悩み抜いた末、ワインでお客さんを元気にしたいという、お店を始めた頃の気持ちを思い出したんです。ですので原点に帰って昼と夜の営業を私が両方やってみようと思いました。

 

——これまでより大変になりそうですね…。

大橋さん:そうですね(笑)。年齢的にちょっと不安はあります。夜の営業を息子にまかせて昼だけ担当するようになってから7〜8年経ってますし。あまり無理をせず自分のペースでやっていこうと思ってます。何より気軽にワインを楽しめるスペースを、できるだけ長くお客さんに提供し続けていきたいですね。

 

 

これまで大橋さんと息子さんで昼夜分担して営業して来た「Wine Cafeぱん」。インタビューの通り、今後息子さんがお店を離れることで、大橋さんがひとりで営業することになりそうです。息子さんの味がお店で楽しめるのもあとわずか。でも、大橋さんによって引き継がれる新しい夜の「Wine Cafeぱん」もどんなお店になるのか楽しみです。

 

 

Wine Café ぱん

〒950-0973 新潟県新潟市中央区上近江1-5-13

025-281-1633

11:00-14:30(L.O.14:00)/17:30-22:30(L.O.22:00/ドリンクは22:30)日曜17:30-22:30(L.O.21:00/ドリンクは21:30)


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