ボードゲームの面白さをもっと多くの人に!「Cafe Quasta」の挑戦。
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2020.02.21
ボードゲームカフェのオーナーが語る、ボードゲームの魅力とは。
パーティや親戚の集まりなどで「人生ゲーム」や「モノポリー」といったボードゲームを楽しむ人、多いですよね。つい夢中になってドキドキして、本気で喜んだり、悔しがったり…。相手がいるからこその面白さがボードゲームの醍醐味です。そんなボードゲームで遊べるカフェが新潟市中央区の蒲原町にある「Cafe Quasta(カフェクエスタ)」。こちら、なんと920種ものボードゲームを揃えた新潟県初のボードゲームカフェなんです。今回はオーナーの遠藤さんにボードゲームの魅力を聞いてきました。


Cafe Quasta
遠藤 栄昭 Hideaki Endo
1973年新潟市中央区生まれ。東京の大学時代にアルバイトでゲーム雑誌のライターをやっていたのをはじめ、ゲーム雑誌や関連書籍の編集者を経験し、2007年にフリーランスとなる。同年編集業の事務所を兼ねてボードゲームカフェ「Cafe Quasta」をオープン。趣味はゲームと旅行で、インドアもアウトドアも楽しむ。
テレビゲームのライターからボードゲームカフェのオーナーに?
——すごい数のボードゲームですね。これ全部遠藤さんのコレクションですか?
遠藤さん:私のコレクションもありますし、店を始めてから揃えていったゲームもあります。オープンした頃は250種類くらいだったんですけど、今では920種類くらいあるんです。半分以上が海外のゲームで、ドイツ、フランス、アメリカとかのものが多いですね。中でもドイツはボードゲーム大国と言われるほど種類が多いんです。最近では日本のゲームもどんどん増えてきてます。
——遠藤さんは昔からゲームが好きだったんですか?
遠藤さん:私はファミコンブーム直撃世代ですから、最初はボードゲームよりもテレビゲームにハマってたんです。小学生の頃にファミコンが登場して、中学生の頃はテレビゲーム全盛期でした。中でも「スーパーマリオ」や「ドラゴンクエスト」が好きでしたね。でも学校の授業で「指輪物語」を読んだ感想を書いたら褒められて、「ドラゴンクエストII」に感動した話を書くとなぜか叱られるんです。同じファンタジーなのに本は良くてゲームがダメなのが不満でした(笑)。
——雑誌か何かに記事を書いていたんですか?
遠藤さん:東京の大学に通っていた頃に、アルバイトでゲーム雑誌のライターをやってました。卒業した後もゲームの雑誌や書籍で編集者を10年くらいやってたんです。面白いのに世の中に知られていないゲームを、みんなに知ってほしいという思いでやってました。2007年からはフリーの編集ライターとしてゲーム雑誌やメーカーサイトの仕事を請け負うようになったんです。

——東京でゲームライターをやってたのに、新潟でボードゲームカフェを始めたのはどうしてなんですか?
遠藤さん:家庭の事情もあって東京と新潟を行き来することが増えたんですよ。幸い編集の仕事はパソコンとネット環境さえあれば東京にいなくてもできるので、新潟で仕事をすることにしたんです。それで事務所を作ることになったんですけど、せっかくだから店舗と兼用しようと思って、2017年11月にボードゲームカフェ「Cafe Quasta」をオープンしたんです。
——なんでテレビゲームじゃなくてボードゲームのカフェにしたんですか?
遠藤さん:ボードゲームのカフェを始めた理由はいくつかあります。8年くらい前から東京でボードゲームが流行り出して、それ以降、ボードゲームカフェがどんどんでき始めたんです。2011年に東日本大震災があったとき、計画停電が実施されたことで電気を使わなくても遊べるボードゲームが見直されたこともありました。新潟にはまだボードゲームカフェがなかったので、自分でやってみようと思ったんです。私はファミコンをやってた頃からボードゲームも好きで、ボードゲームのコレクションも少しですがありました。
——そういえば最近、ボードゲームにハマっている人の話を聞きます。
遠藤さん:流行っているといっても、ボードゲームってテレビゲームに比べてまだまだ一般的には普及してないジャンルですよね。テレビゲームって、映像や写真で見ても内容がわかりやすいんだけど、ボードゲームって動画を見ても何をやってるのか伝わりにくいところがあるんです。ルールを知らないとわからないんですよね。そんなボードゲームの面白さを、もっとたくさんの人達に広めたいっていう思いもありました。

コアなゲーマーから親子連れまで楽しめる店。
——「Cafe Quasta」はどんなお店なんですか?
遠藤さん:とにかくボードゲームに気軽に触れてもらえるような場所にしたかったんです。「Cafe Quasta」ではいろいろな世代のいろいろな層の方に楽しんでいただいています。例えばゲーマー達が何時間もかかるゲームに没頭している横で、親子連れがのんびり遊んでいるっていう光景もよく見られるんです。お菓子やボードゲームの持ち込みもOKなんですよ。
——かなり間口が広いんですね。他にはどんな人が利用するんですか?
遠藤さん:世の中にはいろんなボードゲームがありますから、「何から遊んだらいいのかわからない」っていう方も来ます。オススメをリクエストされたときには、プレイ時間やどんな風に遊びたいのかを伺ってから、その方に適してるんじゃないかと思うゲームを勧めるようにしています。相手がいなくて一人で来ている方には、他の一人で来ている方や相席OKの皆さんを紹介して一緒に遊んでいただくこともあります。特にイベントの時は一人で来られる方が多いですね。
——ちなみに遠藤さんのオススメはどんなゲームですか?
遠藤さん:たくさんあり過ぎるので私が好きでみんなにも遊んでみてほしいゲームでいいですか? ひとつ目は「カタン」というドイツのゲームで、ボードゲームといえば「カタン」というくらい代表的なものなんですよ。新しく発見された島をみんなで開拓して、最も早く多く開拓した人が勝ちっていうゲームです。戦略、交渉、運といったボードゲームに大事な要素がすべてバランス良く含まれてます。

——「カタン」は私も人から勧められたことがあります。他にもオススメはありますか?
遠藤さん:「ティカル」というドイツのゲーム。「カタン」と同じく年間ゲーム大賞の受賞作でもあります。ジャングルを切り拓いて神殿を発掘したり、財宝を多く集めたりしたプレイヤーが勝者になるゲームです。探検気分が味わえるテーマの面白さとか、遺跡のコンポーネントやコマの美しさを楽しめます。

——インディ・ジョーンズみたいでワクワクしますね。もうひとつくらい紹介してもらえますか?
遠藤さん:新しいところでは、最近日本語版が発売されたばかりの「クリプティッド」とか。プレイヤーは学者になって、それぞれに与えられたヒントを元に未確認生物を探すんです。お互いに質問し合って未確認生物のいる場所を推理していくのが楽しいゲームですね。

参加者が積極的に楽しむことで、ボードゲームは面白くなっていく。
——ボードゲームの魅力って、ひとことで表現するとどんなところですか?
遠藤さん:テレビゲームと違って相手がいるっていうことですね。対面して相手の顔色を見ながら作戦を考えたり、推理したり。あと点数をプレイヤー自身が計算したり、お金の計算をしたり、いろいろ面倒なことも多いんですけど、そういう面倒なことが面白かったりもするんです。参加者が演出したりして積極的に楽しもうとすることで、ゲームの面白さをいくらでも膨らますことができる余地があるんですよ。そんな楽しみを多くの人に知ってほしいから、できるだけ敷居の低い、いろんな年代の人が入りやすい店を目指してます。
——今後やってみたいことってありますか?
遠藤さん:紙や鉛筆を使って、対話形式で遊ぶ「TRPG」の体験会や、参加者が物語の登場人物を演じる推理ゲームの「マーダーミステリー」体験会といった、現在開催しているイベントの多くはお客様の声から生まれました。これからも気軽にリクエストしていただけると嬉しいですね。あとは…やはりいつかは「Cafe Quasta」オリジナルのボードゲームも作ってみたいですよね。

ゲームや音楽系の編集の仕事を続けながら、ボードゲームカフェ「Cafe Quasta」を経営する遠藤さん。そのどちらの仕事にも、「ゲームの面白さや楽しさを多くの人達に伝えたい」という想いがあるようです。手軽に遊べるテレビゲームやスマホゲームも便利ですが、人と直接コミュニケーションを取りながら遊べるボードゲームにも、デジタルな世界とは違った奥深さと楽しさがあります。まだまだ寒いこの季節、暖かいカフェでボードゲームを楽しみながら過ごしてみてはいかがでしょうか?
Cafe Quasta
〒950-0083 新潟県新潟市中央区蒲原町9-9
025-369-4245
平日15:00-21:30/土日祝 13:00-21:30
火曜水曜休
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