コミュニケーション・クリエーター「ちゃい文々」に聞く、子育てと多様性。

ちゃい文々さん、子育てやダイバシティについて語る。

「ちゃい文々」という変わった名前の女性。ご存知の方もたくさんいると思います。名前は知らなくても、彼女のイラストを見れば覚えのある人も多いのではないでしょうか?新潟日報に折り込まれてくるフリーペーパー「assh(アッシュ)」で子育てをテーマにした漫画エッセーを14年間連載していました。漫画エッセーのほかにも子育てをテーマにした講演を行っているちゃい文々さんに、子育てやダイバシティといった考え方について聞いてきました。

 

ちゃい 文々 Chai Bunbun

新潟市中央区生まれ。コミュニケーション・クリエーター、漫画エッセイスト、多様性(ダイバーシティ)人権啓発トレーナー。1994年「アトリエチャイブ」設立。2002年より14年間、新潟日報「assh」にて漫画エッセー「子育てスケッチ ビーンズボックス」を連載。デザインプロデュース、講演業の傍ら、テレビ番組、ラジオ番組へも出演する。

 

「ちゃい文々」というペンネームの由来とは。

——今日はよろしくお願いします。「ちゃい文々」ってペンネームにはどんな意味があるんでしょうか?とっても気になるんですけど。

ちゃいさん:私の事務所は「アトリエチャイブ」という名前なんです。「チャイブ」というのはハーブとして使われるネギの一種なんですよ。響きがかわいかったし、メイン料理を香りで引き立てるハーブの姿に、バックヤードでクライアントをプロデュースして引き立てたいという思いを重ねて名付けたんです。その「チャイブ」をもじって「ちゃい文々」と名乗ってます(笑)

 

——もとはハーブの名前なんですね。ちゃいさんは現在どんな活動をしているんですか?

ちゃいさん:メインになっている肩書きは「コミニュケーション・クリエーター」です。人とのコミュニケーションをとりながら、子育てやパートナーシップを中心に、いっしょに考えていこうっていうものです。その中で、デザインのプロデュース、イラストレーター、漫画エッセイスト、講師業など、いろいろなことをやっております。

 

新潟日報「assh」誌上で漫画エッセーを連載。

——いろいろな活動をしていますよね?一番最初は何から始まったんですか?

ちゃいさん:もともと制作会社やデザインプロダクションで働くグラフィックデザイナーだったんです。その後、結婚、出産を機にフリーランスとして活動するようになりました。子どもが寝てから仕事をやろうと思ってましたが、子どもが寝てる時間は自分も寝なきゃダメだったんですね(笑)。とてもムリだということになり、1年後に仕事を休業して母親業に専念しようと決心したんです。

 

——なるほど。でもまた仕事を再開したんですね?

ちゃいさん:2000年に7年間の結婚生活にピリオドを打ち離婚したんです。それで、働かざるを得なくなり、グラフィックデザインの仕事を再開しました。あるとき、いっしょに仕事をしていたライターの方とランチをしたんです。その際に、子どもがあり得ないようなおもしろい行動ばかりするという話をしたんですね。そのライターさんが新潟日報社が発行していた「assh」というフリーペーパーに関わっていて、その時の話がきっかけで「assh」誌上で「ビーンズボックス」という子育てをテーマにした漫画エッセーを連載することになったんです。この漫画エッセーは、がんばり過ぎてしんどくなったり、育児不安に陥っているお母さんに対しての「もっと気軽でいいんだよ」っていうメッセージでもあったんです。

 

——読んでました。漫画もすごくお上手ですよね。

ちゃいさん:専門学生だった頃、漫画家デビューしたことがあるんです。集英社の「別冊マーガレット」という少女漫画誌のコンテストで努力賞をいただき、そのあとトントン拍子にデビューすることになったんです。でも、卒業後に入ったデザイン会社での仕事が忙しすぎて、二足のわらじは無理だと悟りすぐに辞めちゃいました。今考えるともったいないですよね(笑)

 

孤独なお母さんの心を解放したい。

——講演業はどんないきさつで始めたんですか?

ちゃいさん:1994年に長男を出産して、地元の公民館で開催されている「ゆりかご学級」にいったんです。0歳児のお母さんを対象として育児に関するいろいろなことを教えてくれる学級で、孤独になりがちなお母さんを孤独にさせないよう、友達作りをする場でもあったんですね。その中で、なぜ女性や母親が生きにくいのかということを学ぶ「女性学」という講座があり、私も企画委員として参加するようになっていったんです。講座で使うレジュメを漫画エッセーで作ったりしました。その後、自分たちで発信するサークルを作り、そこでたくさんの出会いがあったんですね。そんなことがきっかけで徐々に講演の機会が増えていったんです。

 

——どんな講演をやっているんでしょうか?

ちゃいさん:現在は私の描いた漫画をプロジェクターで映して、いっしょに見ながら進める講演をやっています。乳幼児の子育てから思春期の子育てまで、お父さん、お母さんに向けた講演となっています。ほかにも、小・中学生に向けたもの、教育関係者に向けたものも実施しています。

 

——講演ではどんなことを伝えているんですか?

ちゃいさん:それぞれの世代、立場の受講者に合わせた自分の経験談をもとに話しています。実体験をもとにした話なので、共感してもらえることが多いんですね。子育てをしているお母さんって、一人で抱え込んでることが多いんです。悩みを抱えて余裕がなくなり、子供にあたっちゃって、自己嫌悪するっていうスパイラルになっちゃうんですよ。だからお母さんに対して「それでいいんだよ」「大丈夫だよ」っていうメセージを送り、自分だけが悩んでいるんじゃなくて、みんな同じなんだと安心してほしいんです。そして心の中をすっきりとカラにして、解放された気持ちで家に帰ってほしいと思ってます。

 

だれもが唯一無二の大切な存在。

——子育てにとって大切なことって何ですか?

ちゃいさん:むずかしいことだと思うんだけど、世間体や常識はひとまず置いておいて、目の前の子どもの気持ちにしっかり寄り添うことが大切だと思います。それから、俯瞰で見ることで見えてくるものもあるんです。たとえば嘘をつく子どもがいます。そのお母さんから、将来「オレオレ詐欺」でもやるんじゃないかと心配という相談を受けました。でも、嘘をつくからといって犯罪者になるわけじゃないですよね(笑)。そういうときって、嘘をつくことが悪いというよりも、なぜそんな嘘をついてしまったのか、そこが重要です。そして嘘をつかれるとお母さんが傷つくということも伝えてあげる方がいいと思うんです。子どもと接するときは、子どもの心に寄り添ったり、友だち関係を俯瞰で見たりと、寄ったり引いたりするズームを使い分けることが大事なんですよね。

 

——よくわかる気がします。最後にちゃいさんの訴えたいテーマってどんなことですか?

ちゃいさん:私の名刺にも入れてある「だれもが唯一無二の大切な存在」ということですね。むずかしい言葉で「ダイバシティ」「多様性」ともいいます。人って誰でもコンプレックスを持っていますよね。人と自分のちがいに悩んでみたりして。でも、コンプレックスにとらわれて生きていく時間のもったいなさに気づいてほしいんです。人ってそれぞれちがって当たり前。一人一人が素晴らしいんですよ。みんなが互いのちがいを認めあい、互いに尊重しあえる視点が持てるようになってほしいです。今後もそんなメッセージを伝え続けていけたらと思っています。

 

 

デザイナー、イラストレーター、漫画エッセイスト、講師業と幅広く活躍している、ちゃい文々さん。その根本には「だれもが唯一無二の大切な存在」をテーマとしたコミュニケーション・クリエーターとしての活動がありました。今後も悩みの多いお母さん、お父さんたちの心を解放する講演を続けていっていただきたいと思います。

 

 

アトリエチャイブ


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