気軽に過ごせる「家」みたいな店「手づくりごはんとお酒Chise」。
食べる
2024.08.14
長岡市内で気兼ねなくくつろげるお店を探している方がいたら、下山にある「手づくりごはんとお酒Chise(チセ)」をおすすめします。ゆったりした雰囲気の店内で、手作りのお料理や厳選したお酒を楽しめるお店です。オーナーの田村さんを訪ねて、どんな雰囲気のお店で、どんなことにこだわったお料理やお酒が楽しめるのかを聞いてきました。


手づくりごはんとお酒Chise
田村 千尋 Chihiro Tamura
1985年長岡市生まれ。焼肉店やイタリアンレストランで調理の経験を積み、2022年に「手づくりごはんとお酒Chise」をオープンする。絵を描くことが好きで、チョコプレートを作ることもある。
アイヌ語の店名が意味するものとは。
——田村さんはもともと料理がお好きだったんですか?
田村さん:結婚するまでは料理なんてやったこともなかったんですけど、結婚してから作ってみたら面白かったんですよね(笑)。それで焼肉店の調理スタッフとしてパートで働きはじめたんです。その後はイタリアンレストランや結婚式場で経験を積んできました。
——結婚式場でも調理スタッフとして働いていたんですか?
田村さん:調理以外の仕事もやってみたかったので、インフォメーションで働いていました。おかげでホスピタリティをいろいろと学ばせていただくことができましたね。
——なるほど。自分でお店をやりたいという気持ちは、以前からあったんでしょうか?
田村さん:そうですね。料理を作ってお友達に振る舞ったりしているときに、冗談半分で「自分でお店をはじめればいいじゃん」なんて言われていて、私も機会があればやってみたいなとは思っていました。

——それが実現したのは、どうしてだったんでしょう?
田村さん:コロナ禍の影響で、ここにあった定食屋さんが閉店することになったんです。たまたま大家さんが私の知り合いだったので、「この場所でお店をはじめてみない?」と声を掛けていただきました。これも何かのご縁ですし、このタイミングを逃したら二度とチャンスは回ってこないかもしれないと思ったので、挑戦してみようと思ったんです。
——店名の「Chise」っていう言葉に聞き馴染みがないんですけど、どこの国の言葉なんですか?
田村さん:実はアイヌ語で「家」という意味があるんです。気軽にくつろいでもらえる、みんなの家みたいな店になったらいいなと思って名付けました。アイヌには私も店も何の関係もないんですけどね(笑)

減農薬野菜を使い、手作りにこだわった料理。
——こちらはどんなお店なのか教えてください。
田村さん:昼はランチメニューのテイクアウト、夜はお酒やご飯が楽しめる店として営業しています。
——ランチタイムは、テイクアウトしかやっていないんですか?
田村さん:農家の敷地内に店舗があって、日中は軽トラの出入りがあるので、駐車スペースが2台分しかご用意できないんですよ。だから短時間の駐車で済むように、テイクアウト限定でやっているんです。夜はほとんど車の出入りがないので、通路も駐車スペースとして使わせていただいています。
——大家さんは農業をやっていらっしゃるんですね。
田村さん:減農薬で美味しい野菜を栽培している農家さんなんですよ。でも曲がっていたり、大きくなりすぎたりした規格外品も多くて、味はいいのに形が悪いだけで出荷することができずに捨てられちゃうんです。それを見ていてもったいないと思ったので、うちの店で使わせていただいています。

——フードロスの軽減に協力しているわけですか。仕入先がお隣だったら、産地直送どころの新鮮さじゃないですね(笑)
田村さん:新鮮な野菜を使っているせいか、サラダ系のメニューには人気がありますね。なかでも「季節野菜のバーニャカウダ」は好評です。テイクアウトのランチボックスにも野菜を使ったおかずがたくさん入っています。
——調理するときにこだわっていることってあるんでしょうか?
田村さん:店名にもあるように、手作りにはこだわっていますね。保存料をはじめ添加物を使わないようにしているので、必ずできたての料理を提供しています。私の両親は共働きをしていたので、おばあちゃんがご飯を作ってくれていたんですけど、煮物ばかりで手の込んだものは作ってくれなかったんですよ。だからお友達のお母さんの手作り料理やケーキが羨ましくて、自分も母親になったら子どもには手作りの料理やケーキを作ってあげようと思って育ったんです。それが手作り料理にこだわるようになった理由なんですよ。

カウンター席は空き待ちが出るほどの人気。
——夜はお料理だけじゃなくお酒も楽しめるんですよね。どんなお酒が用意されているんでしょうか?
田村さん:いろいろなワイナリーに出かけては、ご当地ワインを試飲して買ってくるのが楽しみなので、各地で買ってきたワインをいろいろとご用意しています。なかでも最近のおすすめは山形で買ってきた「月山ワイン」ですね。山ぶどうで作ったフルーティーなワインなので飲みやすくて、ワインが苦手な方にもお試しいただけます。

——へぇ〜、どんなワインなのか気になります(笑)。皆さん、自分の家みたいにくつろぎながらお酒やお料理を楽しんでいるんでしょうね。
田村さん:そうですね。お客様との距離が近い店なので、私も楽しくお話しさせてもらっています。カウンター席がいちばん人気あるんですよ。4人までしか座れないので5人目のお客様はテーブル席に着いていただくんですけど、カウンター席に空きが出るとそこに移るんです(笑)

——皆さん、お酒やお料理だけじゃなく、田村さんとの会話を楽しみに来ているんでしょうね。
田村さん:そうだと嬉しいですね。カウンター席はもちろん、テーブル席でもお客様同士が仲良くなって、みんな友達みたいになっちゃってます(笑)
——まさしく「Chise」ですね(笑)。それでは、これからやってみたいことがあったら教えてください。
田村さん:駐車場の問題がクリアになれば、店舗でランチメニューを召し上がっていただきたいんですよね。食器にもこだわっていきたいと思っていて、少しずつ集めているんですよ。陶芸作家の集まるようなイベントに出かけては買ってきています。グラデーションの綺麗な琉球グラスなんかもときどき使っています。

手づくりごはんとお酒Chise
長岡市下山3-1181
050-5493-8860
11:00-14:00/17:30-23:00(22:00L.O.)
月木日曜休
Advertisement
関連記事
食べる
だしの魅力を体感できる「ON THE UMAMI TSUBAME SANJO PORT」。
2022.12.30
食べる
山の上にある棚田で無農薬米を栽培する「米与米穀店」のポンテフィッソさん。
2024.09.18
食べる
タイのローカルが味わえる、キッチンカー「旅茶屋」。
2021.01.25
食べる
お気に入りの料理とお酒が見つかる、新潟駅近く「Delight Kitchenほたる」。
2022.09.26
食べる
月岡温泉をチョコで盛り上げたい!「新潟ショコラ Premium SWEETS 甘」。
2020.08.26
食べる
レストランから食品製造業に変身した「新潟食材研究所 ティオペペ」。
2022.11.22


