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美容師だからこそできる婚活?「chou chou」菅さんの思い。

こんな時代だからこそ、「世話焼き」文化の復興を。

身近に年頃の人がいると、どこからともなくお見合い相手を見つけてきて紹介する。そんな「世話焼き」な人(主に女性)が、かつてはあちこちにいました。生活様式や価値観の多様化で今や絶滅危惧種ともいえるそんな方が、県北・村上の地で静かに活動を始めようとしています。村上駅西地区にある美容室「atelier chou chou(アトリエ シュシュ)」のオーナー美容師・菅貴美さんです。初事業となるはずだった今春の婚活イベントは残念ながら新型コロナウイルスの影響で来年に延期となってしまいましたが、菅さんは引き続き「世話焼き」活動を続けるべく策を練っているようです。ご本人に話を聞いてきました。

 

atelier chou chou

菅 貴美 Takami Suga

1981年村上市生まれ。地元の高校を卒業後、東京の美容専門学校で学び新潟市内等の美容室勤務を経て、2012年に自店「atelier chou chou(アトリエ シュシュ)」をオープン。2017年からは店舗となりのランドリーも引き継ぎ、「sabon de chou chou(サボン ド シュシュ)」として経営。趣味は「いつか仕事にも役立てたい」と地道に続ける英会話。自身は2児の母。

 

順調に参加者が集まるも、新型コロナに出鼻をくじかれ…。

ーー本日はよろしくお願いします。いきなりですが、新型コロナの影響はいかがですか。

菅さん:そうですねー、当初に心配したほどの影響は受けていませんが、売上でいうと1割くらいは減ったかもしれません。あとは、5月に企画していた婚活イベント「よろっと婚」を来年に延期しました。

 

ーー逆に、コロナ対策として新たに始めたことはあるんですか。

菅さん:うちは医療関係のお客さまが比較的多いんですけど、新型コロナのせいで以前より張り詰めた雰囲気になっているであろう医療現場や介護・福祉施設で働かれている方に少しでもリラックスして日々の疲れを癒してもらおうと思って、店舗を完全貸切状態にして1日お1人様限定で夜間営業する「夜シュシュ」というサービスを始めました。おかげさまで好評です。

 

ーー婚活イベントを企画していたんですか?

菅さん:そうです。私としても初の試みで、せっかく順調に参加者も集まっていたのですが、この状況では延期せざるを得なくて…。新事業の出鼻をくじかれた格好で、新型コロナのバカヤロー、って感じです(苦笑)

 

家族や友人にもできない話ができる、「美容師」という不思議な存在。

ーー婚活イベントを企画した経緯は?

菅さん:もともと私がおせっかいというか、知っている人同士を紹介して縁をつくるのが好きなんです。美容師という仕事柄、カット中の会話の中で「いい人いない?」って相談されることも少なからずありますからね。それで実際に引き合わせて、後に付き合うようになったり、中には結婚に至ったケースもあって、神様のように感謝されたり…(笑)。「これはもっとやっていくべきなんじゃないか」と思うようになったんです。また、美容師としての強みも活かすこともできますし。

 

ーーというと?

菅さん:なんというか最近は、自信のない子が男女問わず増えているような気がしていて。恋愛や結婚をしたい気持ちはあるのに、「どうせ私なんか」って二の足を踏んでいるような。私としては、とても勿体ない感じがしていて。美容師として、少なくとも髪型をはじめとする見た目に関しては自信をつけてもらうことができます。それこそ、前髪ひとつでも全然違いますから。見た目だけでも自信がつけば、どんどん積極的になれて、上手くいく最初の一歩になります。

 

ーーそうかもしれませんね。

菅さん:ホント、「どうして?」って思うくらいすっごくかわいい子が「私なんて…」って思ってたりしますからね。自分では気付いていない魅力を引き出してあげるのが美容師の大きな役割のひとつだとも思ってます。客観的な視点というか、何でもそうだと思いますが、自分の好きなスタイルと、相手によい印象を与えるスタイル、そのバランスを取るのが大事なんですよ。

 

ーーなるほど。

菅さん:あともうひとつ、美容師として婚活に携る強みがあるとしたら、家族でも友人でもない第三者として相談に乗れる、っていうところかもしれません。恋愛や結婚のことって、家族や友人だと近過ぎて相談しにくい、ってことないですかね? 行きつけの店の美容師なら、気兼ねなく相談できるし、下手をしたら家族や友人よりもその人のことを知っていたりするので(笑)、的確なアドバイスをしたり最適な相手を紹介したりもできる。定期的に数時間、利害関係なく話し込める相手って、身近では意外と美容師くらいかもしれません。

 

ーーそういえば、確かに…。

菅さん:もちろん職業倫理上、みだりに個人情報を他人へ話したりプライバシーを詮索したりすることはありません。そこは安心してもらえれば。

 

初めは「独立する気がなかった」自店も、順調に9年目。

ーーそもそも美容師を目指したキッカケは?

菅さん:特別な何かがあったわけではないんですが、中学生くらいになるともう将来は美容師になることしか考えていませんでした。ファッション雑誌のステキなモデルさんの切り抜きを集めて、自分だけの雑誌を作ったりしてましたね(笑)

 

ーー年代的に、『Zipper』とか『FRUiTS』、『CUTiE』あたりでしょうか。

菅さん:そうです、よくご存知で(笑)

 

ーーそれで実際に美容師になられて、次は自店を持つのが目標に?

菅さん:それが最初は全くそういう気が無くて。髪を切ったりスタイルを提案したり、美容師をすること自体が面白かったから、お店を回したりするのにはあんまり関心がなかったんです(笑)。働いていた美容室で店長を任されてからですかね、そういう経営的なところも面白いと思うようになったのは。やっていくうちにだんだんと、人やお店を成長させることへのやりがいに目覚めていきました。

 

ーーそうなんですね。それで独立して地元にお店を。

菅さん:そうです。おかげさまでこれまでのところ大きな挫折もなく、9年目を迎えることができました。最初は私含め2人だったスタッフも4人に増え、3年ほど前からはお店のとなりのコインランドリーの経営も引き継いで…順調過ぎて逆に怖かったりもしたんですが、そういう意味では、今回の新型コロナは初めての正念場といえるかもしれません。

 

美容師の特性を活かして、身近で等身大、ムリせず参加できるように。

ーー返す返すも、新型コロナで婚活イベントが延期になったのは残念ですね。

菅さん:はい。今回の自粛生活で一人でこもる時間が長くなっている人が、パートナーを求める気持ちは高まっているような感じもするんですけどね。非常時になると心細くなって、精神的な拠り所が欲しくなるじゃないですか。

 

ーー婚活事業、今後の展望は?

菅さん:この状況を逆手にとって、Zoomとかを使って「オンライン婚活」ようなものも考えていきたいです。またもっと根本的に、さっき述べたような美容師としての特性を活かして、より身近で等身大の、ムリせずコミットできる婚活のプラットフォームのような存在・場所になれたらという思いはありますね。常時何人かが登録していて、合いそうな人同士とか共通の趣味を持つ人同士を集めて小規模で何かやる、みたいな。

 

ーー何か楽しそうですね。

菅さん:自分で言うのもなんですけど、美容師って色んな可能性に開かれた職業だと思っています。場合によっては相手のデリケートな部分まで分かってしまうところがあるし、またそれをカットなどのサービスによって変えることもできるし。例えば、よく介護施設へ訪問カットに行くんですけど、カットの前と後で別人かと思うくらいテンションが変わる方もいます。その生き生きとした嬉しそうな姿を見ると、この仕事に就いて本当に良かったなと。この仕事の可能性をもっと活かせる新たな取り組みを今後も考えていきたいと思っています。

 

ーー本日はありがとうございました。

 

 

atelier chou chou(アトリエ シュシュ)

〒958-0033 村上市緑町5-2 

TEL 0254-56-1311

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