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ミャンマーと日本をつなぐ雑貨店「フェアトレードショップSai」。

北方文化博物館の敷地内にある「フェアトレードショップSai」は、ミャンマーで作られた木製のカトラリーや織物などを扱っている雑貨店です。お店を運営しているのは「NPO法人アジアクラフトリンク」。ミャンマーの伝統的なものづくりを支援している団体です。今回は「NPO法人アジアクラフトリンク」の大場さんと斎藤さんにお店のことやミャンマーでの活動についてなど、いろいろとお話を聞いてきました。

 

フェアトレードショップSai

大場 寛之 Hiroyuki Oba

1980年兵庫県生まれ。「NPO法人アジアクラフトリンク」事務局長。東京の大学を卒業後、建材メーカーの環境部門で働く。その後、大学院で国際協力について学び、修了後はNGO団体などに所属。2018年に「NPO法人アジアクラフトリンク」に入局。ミャンマーに3年間駐在していた経験を持つ。

 

フェアトレードショップSai

斎藤 和枝 Kazue Saito

1955年新潟市生まれ。「NPO法人アジアクラフトリンク」理事。短大を卒業し、公務員として働く。定年後にご主人が理事長を務める「NPO法人アジアクラフトリンク」の活動に携わる。

 

ミャンマーと日本をつなぐ。「フェアトレードショップSai」にある思いとは。

——はじめに「フェアトレードショップSai」がどんなお店なのか教えてください。

斎藤さん:ミャンマーで作られた木工製品や織物、紅茶などを販売している雑貨店です。特に器やカトラリー、箸置きなどの食器類が充実しています。すべてミャンマーの素材を使っていて、現地の職人さんがひとつひとつ手作りしたものなんですよ。

 

——へえ〜。手作りの商品がこんなにたくさんあるなんて。

大場さん:現地で作られたものは、全部買い上げているんです。店舗には、少量だけ生産したものや試作品なども販売しているので種類が豊富にあります。お値打ち品も置いていますよ。

 

——北方文化博物館の敷地内にお店があることも素敵ですよね。なぜ、この場所を選んだんですか?

斎藤さん:このお店を始める前から、ミャンマーの文化を伝えたり、製品を展示販売したりする「ミャンマー展」というイベントをたびたび北方文化博物館のギャラリーで開催していました。北方文化博物館の皆さんとは、ミャンマー展からのお付き合いがありましたし、私たちの活動に理解と協力をしてもらっているので、この場所で店舗を構えたんです。

 

 

——お店は「NPO法人アジアクラフトリンク」が運営しているんですよね。いったいどんな活動をされているんでしょう。

斎藤さん:「NPO法人アジアクラフトリンク」はミャンマーのものづくりを支援する団体です。理事長が、2005年にNGO(国際協力に携わる非政府組織)としてはじめた活動がベースになっていて、法人化したのは2012年です。具体的な活動としては、ミャンマーの人たちの経済的な自立を支援する「一村一品運動」とフェアトレードの実践です。

 

——「一村一品運動」とフェアトレードについて、それぞれもう少し詳しく聞きたいです。まず「一村一品運動」というのは?

大場さん:地域ごとに特産品を育て、それぞれの地域経済を活性化させる取り組みのことです。ミャンマーには木工や織物、竹細工などのものづくり文化が根付いています。それらの伝統的な産業に日本の技術を加え、より発展させるお手伝いをしています。ちなみに「一村一品運動」って大分発祥の取り組みなんですよ。

 

斎藤さん:私たちが活動をしているBago(バゴー)という地域では、木工品の製造が盛んに行われてきました。現地の職人さんは高い技術を持っているので、その技術を生かして日本向けの製品を作ってもらっています。

 

——フェアトレードについても教えてください。「公正な金額で商品を取引する」という考えでいいですか。

斎藤さん:フェアトレードには捉え方や認証制度がいくつかありますが、私たちは「生産者と消費者をつなぐこと」と定義しています。もちろんミャンマーのみなさんに適正な収益をもたらすことが大前提ですが、それだけではなくて、ミャンマーと日本をつなぎたいと思っているんです。

 

ニュースだけでは分からない、ミャンマーの姿を少しでも知ってほしい。

——先ほど「ミャンマー展」を定期的に開催されているとお聞きしました。他にもミャンマーの文化を伝達する活動をされているんでしょうか?

斎藤さん:実際に現地でものづくりを体験してもらうスタディーツアーを企画したこともありました。それから、ミャンマーの文化に触れてもらうために映画の上映会も開催しましたね。

 

大場さん:ミャンマーのことを少しでも知ってほしいという気持ちがあるんです。今はミャンマーの政治情勢が不安定ですが、そんな中でも人々はなんとか暮らしていかなければなりません。テレビや新聞などの情報だけでは分からない現地の人々の暮らしや文化、ものづくりへの思いを感じてもらいたいと思っています。

 

 

——こういった活動を始めたきっかけはなんでしょう?

斎藤さん:理事長がミャンマーを訪れて、ミャンマーが大好きになったんです。それで、「ミャンマーのためになる活動をしたい」と数人の仲間たちと活動をはじめたんですよ。

 

大場さん:僕は「ミャンマーの人々の暮らしがいつまでたっても向上しない」という大きな課題にチャレンジしたいと思っていたので、「NPO法人アジアクラフトリンク」の活動に興味を持ちました。ミャンマーの主な産業は農業です。まだまだ一次産業が主力で付加価値の高い技術製品が生み出せていない現状を少しでも解決したいと思っています。

 

SDGsの観点からも注目されるユーカリ製の食器。

——新型コロナウイルスの影響で、皆さんの活動も制限されていると思います。そんなコロナ禍で感じたことがあれば教えてください。

斎藤さん:この2年間は、ミャンマーとの行き来がまったくできませんでした。コロナ禍に加えてミャンマーの情勢が不安定なので、私たちが現地へ行くことも、木工家の先生に指導をお願いすることもできませんでした。遠隔の支援だけでは現地の活動を進めることは難しいと思っていましたが、昨年の10月に理事長がミャンマーへ渡り、やっと動きが活発化したように感じています。

 

大場さん:ただ、この状況でプラスの変化もあったんですよ。ミャンマーの皆さんの「自分たちだけでも活動を続けなくてはいけない」という責任感がこれまで以上に強くなったんです。

 

 

——さて、最後に今後取り組もうと思っていることがあれば教えてください。

斎藤さん:現地の皆さんと一緒にユーカリを植林して、その木で食器類を作ることに取り組んでいます。ユーカリはミャンマーでは薪として使われる程度ですし、ほかの国でもあまり有効活用されていません。ただ、植えてから育つのがすごく早いんですね。そのユーカリの特性を生かした製品づくりをはじめました。

 

大場さん:この取り組みは、SDGsの推進にもつながります。日本の企業も関心がある分野だと思うので、ユーカリ製の商品を知ってもらう活動にも力を入れたいと思っています。

 

 

フェアトレードショップSai

新潟市江南区沢海2-16 北方文化博物館西門広場

TEL:025-282-7440

営業時間:9:30〜16:30

定休日:日曜日

 

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