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持続可能な支援を考える。「グローバルユース国連大使」の白勢さん。

  • その他 | 2024.10.28

世界平和の実現のためグローバルな視点を持つ若い⼈財を育成する事業として、公益社団法人⽇本⻘年会議所が展開している「JCI JAPANグローバルユース国連大使育成事業」。全国の中高生の応募の中から大使のひとりに選ばれたのが、新潟市内の高校に通う白勢さん。カンボジアとフィリピンでの海外研修を経て、学んだこと、感じたことを聞いてきました。

 

 

2024 JCI JAPAN グローバルユース国連⼤使

白勢 仁奈 Nina Shirose

2008年東京生まれ。新潟県立新潟高等学校に通う1年生。今年4月、2024年度の「グローバルユース国連⼤使」に選抜、任命される。高校では剣道部に所属。

 

カンボジアとフィリピンへ行って、見て、聞いて学んだこと。

――グローバルユース国連大使のことは何をきっかけに知ったんですか?

白勢さん:何年か前、お父さんがグローバルユース国連大使の引率でニューヨークに行っていたんです。そのときの話を聞いたり写真を見せてもらったりして、いつか自分も参加してみたいなと思って。ちょうど機会があったので今回応募しました。

 

――以前から海外への興味があったんですか?

白勢さん:そうですね。小学生のときから英語を勉強することがすごく好きで、学校の授業も積極的に参加していたんです。海外の人たちと交流して、もっと異文化に触れたいなって思っていました。

 

 

――大使になってからは、どんな活動をされてきたんでしょう?

白勢さん:オンラインでの国内研修が何回かあって、そのあと東京で各県の大使たちとグループディスカッションをしました。それから6月にはカンボジア研修、8月はフィリピン研修に行ってきました。

 

――カンボジア研修はいかがでしたか?

白勢さん:カンボジアでは戦争について学びに行きました。キリング・フィールドや骸骨が置いてある場所に行って、現地の歴史を学んできました。

 

――キリング・フィールドって処刑場の跡地ですよね。ショッキングな展示も多かったんじゃないですか。

白勢さん:亡くなった方が履いていた靴や着ていた衣類がそのまま展示されていたり、亡くなる前の囚人の方たちの写真が残っていたりして。びっくりしましたし、刺激を受けました。

 

――かなり貴重な体験ですね。

白勢さん:普段の生活ではなかなか触れられないような悲惨な歴史の跡を見たり、現地の人の思いを聞いたりすることで、当時起きていたことの背景がよく分かりました。歴史の授業だと大雑把な時代の流れしか学べませんけど、実際にカンボジアへ行ったことで、起きていたことの裏側も分かって、現地の人の気持ちも汲み取れたんじゃないかなと思います。

 

――カンボジア側のグローバルユース国連大使の方たちとの交流もありましたか?

白勢さん:ありました。現地に着いてからはバディになった人たちと一緒の部屋に泊まったり、グループワークでスピーチをしたりしました。

 

――コミュニケーションを取るときは英語ですか?

白勢さん:そうです。カンボジアの言語はクメール語で、英語は義務教育でしか学ばないので、お互いに身振り手振りを使いながら頑張ってコミュニケーションを取っていました(笑)

 

 

――8月のフィリピン研修はどんなことを学びに行ったんですか?

白勢さん:フィリピンには貧困について学びに行きました。路上で生活している人がいたり、義務教育をあまり受けられていない人がいたり、所得の格差が大きくて。台風とかの影響で家が崩れちゃった人とかもいて、すごく大変だっていう話を聞きました。

 

――確かに、フィリピンは台風が多いイメージがあります。自然災害が多いと大変ですね。

白勢さん:それからフィリピンはリサイクルが発達しているんです。ペットボトルを分解して作られたカバンが、けっこう高い値段で売られていて。それで生計を立てている人も多くって、街に行くとよく売られていました。

 

――カンボジアとフィリピンで、人の雰囲気に違いはありましたか?

白勢さん:ぜんぜん違いました。カンボジアの人は最初から結構グイグイ来る感じでしたけど、フィリピンの人は最初けっこう大人しめで、でも仲良くなるとわちゃわちゃ盛り上がっていました(笑)

 

――フィリピンの人は日本人に近い感じがしますね(笑)

白勢さん:そうですね。溶け込むと仲良くできるっていう感じ。友達になって、インスタも交換しました。

 

大切なのは、寄付の使い道や支援の仕方を知ること。

――白勢さんが研修で学んできたことの中で、人にいちばん伝えたいのはどんなことですか?

白勢さん:私は持続可能な支援の方法について調べているんです。フィリピンでは特に貧困が進んでいて、実際に小学校を見に行ったら、私たちが寄付したお金が実際に使われていたんです。ただ、建物とか施設の設備だけじゃなくて、子どもたちに直接お金が手渡しされている様子を見て、私たちが知らない使い方がされているんだなって感じました。

 

――寄付って、学校の備品とか新しい設備の導入とか、そういうふうに使われるものだと思っていました。

白勢さん:勉強道具とは別に、1ヶ月分のお米と一緒にお金を渡していました。でもそれだときりがないし、すぐになくなっちゃうなって思いましたし、行くべき人のところに渡っているのかなっていうことも感じましたね。ひとつの村にお金をたくさん送るよりも、生活の仕方やお金の稼ぎ方を教えた方が、村は半永久的に繁栄するっていう話も聞いて。寄付をする側もお金がどういうふうに使われているかを知らないといけないなって思いましたし、もっと持続可能で、公平に行き渡るような仕組みについて考えられたらいいなって思っています。

 

 

――支援の仕方を考える上で、私たちにもできることってあるんでしょうか?

白勢さん:私たちが支援をすることでご飯が食べられている人もいると思うので、ちゃんと思いを持って支援をすることが大事なのかなって思います。お金を大量に渡せばいいわけでもないと思うので、ちゃんと「こういう人たちにこうなってもらいたい」という意思を持って募金をしたり活動したりできる人が増えたらいいですね。

 

――とにかく募金をするんじゃなくて、誰に届いてどう使われるかというところまで知ることが大切なわけですね。最後に、白勢さんの将来の夢はなんですか?

白勢さん:夢はお医者さんです。海外の貧しい国だと医療が足りていない地域もあるので、日本以外にも行くべきところがあるんじゃないかって思うんです。貧しい国の人たちも、等しくチャンスが得られるようにしたいです。

 

 

 

2024 JCI JAPAN グローバルユース国連⼤使

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