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じいちゃんの味を継いだ「石本商店」のごま豆腐「ごまうふふ」。

昔から大好きだったごま豆腐。この味を残したい。

新潟市江南区にある「石本商店」は、50年以上も続く老舗の金物店。でもこの金物屋さんでは、なぜか「ごま豆腐」が売られているんです。「ごま豆腐」を作っているのは祖父母からお店を引き継いだ大島さん。「おじいちゃんが作っていた味を残したい」という大島さんに、「ごま豆腐」のこと、インタビューしてきました。

 

石本商店

大島 史也 Fumiya Oshima

1993年新発田市生まれ。専修大学卒業後、キッチンメーカーで勤務。2015年に新潟へUターンして祖父母が営む「石本商店」を継ぎ、ごま豆腐「ごまうふふ」の製造販売を任される。趣味はカレー。2020年7月にカレー専門店を出店予定。

 

じいちゃんの働く姿に憧れて決意した「ごま豆腐」の道。

――大島さんはどんなキッカケで「ごま豆腐」に興味を持ったんですか?

大島さん:「石本商店」は祖父母の代から続く金物屋で、鍋などの金物を販売しながら「ごま豆腐」の製造販売・卸しも行っていたんです。だから僕にとってごま豆腐は昔から身近な存在でした。大学4年生の春休みに実家に帰省したときに「じいちゃんが働いている姿を見たことがないな」とふと思って、仕込みの様子を覗いてみたんです。そうしたらひとりで黙々とごま豆腐を作っていて。その姿がとてもかっこよく感じて、ごま豆腐を作ることに興味を持つようになりました。

 

――そうなんですね。実際に継ごうと思うまでにはどんなキッカケがあったんですか?

大島さん:じいちゃんの「ごま豆腐」は子どもの頃からおやつとして食べていたから、正直、美味しいけれど、自分にとってはいつもの味だったんです。でも、バイト先にお土産として持って行ったときに「すごい美味しいね、こんなの食べたことない」とみんなが喜んでくれたんですね。それをキッカケに、スーパーやデパ地下で売られている「ごま豆腐」を食べ漁ってみたんです。市販されている「ごま豆腐」はほとんど食べました。でもやっぱりじいちゃんの「ごま豆腐」が一番美味しい。「その人にしか作れないもの」を自分も作ってみたいと考えるようになったんです。だけど、就職が決まっていたので、継ぐことは頭のはじっこにポツンでした。

 

 

――あ、普通に就職されたんですね。

大島さん:大学を卒業してキッチンメーカーに勤めて3ヵ月後に、母から「もう80歳になるから、じいちゃんは『ごま豆腐』を作るのをやめるんだって」と、衝撃的な連絡をもらいました。自分も作ってみたいと思っていたけど、作り方を教えてもらったことがないことに焦りましたよね。

 

――その報告を受けてから、おじいちゃんに作り方を教えてもらったんですか?

大島さん:キッチンメーカーへの就職は、周りの友人の就職活動の流れに身を任せていただけで、やりたい仕事ではありませんでした。それに当時の自分がやりたいことはじいちゃんの「ごま豆腐」を作ることで。だから、反対されることはわかっていたけど仕事をスパッと辞めて「継がしてもらえないか」とお願いしに行きました。

 

じいちゃんの背中を見て学んだ「ごま豆腐」の作り方。

――おじいちゃんはどんな反応でしたか?

大島さん:予想した通りで「せっかく大学まで行って就職したんだから、あえてここを継ぐ必要はない」とバッサリ断られました(笑)。でも翌日もお願いしに行ったらどうにかOKを出してくれて。それから「ごま豆腐」作りの修行がスタートしたんです。

 

 

――修業はどんな内容だったんですか?

大島さん:職人ということもあって丁寧に手取り足取り教えてくれることはなくて、じいちゃんが作っている姿をとにかく見て学びました。背中で語るってやつですかね。

 

――実際の作業は?

大島さん:素材を合わせたり、練ったり、部分的に作業をやらせてもらっていました。でも3ヶ月が経った頃に、突然じいちゃんが来なくなったんです。これは恐らく独り立ちを認めてくれたんだと思って、それからひとりで「ごま豆腐」を作りはじめて今に至ります。

 

石本商店の「ごま豆腐」はおやつとして楽しんで。

――それでは「ごま豆腐」について教えてください。甘いんですか? しょっぱいんですか?

大島さん:うちの「ごま豆腐」はゴマペーストと葛粉、きび糖のみで作っているから甘くて、スイーツみたいな味わいです。でも、関東地域だと砂糖の代わりに出汁を加えているから塩味があって、おかずに近いイメージですね。

 

――なるほど、地域によって味が異なるんですね。大島さんが継いでからも変わらぬ味を守り続けているんですか?

大島さん:もちろんです。シンプルな素材のみで作って、おやつとして食べてもらえるようにじいちゃんのレシピや製法を守り続けています。ただ、ちょっとだけ変えた部分があって、今までは「ごま豆腐」として販売していたけど、商品名を「ごまうふふ」に変更しました。そして可愛いキャラクターを作ってパッケージも新たに。

 

 

――中身は変えずに、イメージを一新したんですね。ちなみに「ごまうふふ」はどこで買えるんですか?

大島さん:新潟市西区にある「いっぺこーと」などの直売所や一部の店舗、そして週末は伊勢丹でも販売しています。あとは定期的にイベントなどに出店してキッチンカーでも。

 

――いろんな場所で買うことができるんですね。

大島さん:でも、まだまだ「ごま豆腐」のことを知っている人が少ないと感じています。本来は精進料理のひとつだったけど、「ごまうふふ」は甘くておやつにピッタリ。だから子どもたちが「今日のおやつは『ごまうふふ』がいいな」と言ってくれて月に1回くらいはテーブルに並ぶような暮らしの一部になれたら素敵だなって思っています。

 

「ごまうふふ」は白と黒があるんだって。

 

ごまうふふ(白) ¥300

 

ごまうふふ(黒) ¥300

 

石本商店

新潟県新潟市江南区袋津2-3-11

025-381-2236

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