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高校の先生がはじめた油そば専門店「東京油そば 柿川亭」。

JR長岡駅から徒歩5分。柿川の畔にある「東京油そば 柿川亭」は、つい最近まで高校の先生をしていた店主の岡さんが開いた、東京発祥の油そば専門店です。今回は、油そばと混ぜそばの違いや、高校の先生から飲食業へ転身した理由など、いろいろとお話をうかがってきました。

 

東京油そば 柿川亭

岡 雅俊 Masatoshi Oka

1985年見附市生まれ。早稲田大学卒業後、商業高校の先生として12年間勤務。2020年6月に退職し、2ヶ月間かけて教え子などと店舗を立ち上げ、10月に「東京油そば 柿川亭」をオープン。

 

大学時代から考えていた、大好きな長岡での町づくり。

――岡さんって、高校の先生をされていたんですよね? どうして飲食業に転身されたんですか?

岡さん:大学を卒業してから12年間、新潟や高田、長岡などの商業高校で先生をしていました。でも、昔から町づくりとかが好きで、いずれは自分で起業して町づくりの一角を担いたいと学生時代から思っていたんですよ。それで、転勤の時期が近づいてきたので、大好きな長岡でお店を出すために、この機会は逃せないと思って、一念発起したんです。

 

――ちょうど長岡で勤務されていたんですね。「町づくり」と聞くと行政などのイメージがありますが……。

岡さん:そうなんですよね(笑)。でも、行政が行っているような町づくりじゃなくて、僕は地元の人と人をつなぐことがしたかったんです。だからお店を持つことで、人と人がつながったり、農家さんなどの生産者とつながったり、そういう意味での町づくりがしたいと考えました。

 

 

――でも、ずっと高校の先生をされていたのに、いつ油そばの修行をしたんですか?

岡さん:大学時代に油そば屋さんでアルバイトをしていたんです。アルバイトでもお店を任されるほど本気で働いていたから、基本的なノウハウは蓄積されていたんですよ。それこそアルバイトを辞めるときに社長から「学校の先生にならないで、お店に残らないか?」と言われたこともありました。

 

――スーパーアルバイトじゃないですか(笑)。でもさすがに開店にあたって、油そばの試作とかはされたんですよね?

岡さん:もちろん。油そばってラーメン屋さんでは見たり聞いたりしたことがあるけど、正直、何回か通ってからでないと食べないメニューだし、そもそもどんな食べ物かをしっかり理解している人って少ないじゃないですか。だからたくさんの人に美味しく食べてもらえるように開発や研究はしっかり行いました。

 

ちゃんと知らない「油そば」の正体。謎のベールをチラリ。

――失礼な質問かもしれませんが……、そもそも「油そば」と「混ぜそば」ってどう違うんですか?

岡さん:いい質問ですね。きっと同じだと思っている人も多いと思います。「混ぜそば」は、マヨネーズなど好みに合わせたトッピングをしてから食べはじめるけど、「油そば」はまず麺を楽しみながら、酢、ラー油などを使ってはじめのベースを作って食べます。それからいろんなトッピングで好きな味を構築していくんです。

 

――なるほど。どんなトッピングがあるんですか?

岡さん:「柿川亭」の基本的な具材は麺とタレ、油、ネギ、メンマ、チャーシュー、ノリです。そこに半熟卵やネギゴマ、カレースパイスなどを加えて味変を楽しむスタイルです。「○○×○○」とか、異なったトッピングの組み合わせも楽しめるから、コミュニケーションツールになりやすいんですよね。お客さん同士の会話にもなるし。長岡のいろんなお店や農家さんから仕入れるトッピングもラインナップに加えることで、「柿川亭」の食材を通して知れて、いろんなつながりも生まれているんです。

 

 

――じゃあトッピングで長岡のいろんな食材を通じて「つながり」が生まれて、岡さんの目指す町づくりになっていくんですね。

岡さん:そうなんです。バジルや生姜などのトッピングは長岡の飲食店や農家さんに協力してもらっています。それと注目してもらいたいのが、長岡野菜の巾着ナスを使用した新しい加工食品「タケウチマスタード」。これは伝統野菜を中心に栽培している「竹内農園」が考案したもので、「からしなす」をベースにした新感覚のマスタードなんです。油そばと相性抜群だから、ぜひ試してください。

 

――気になりますね。ちなみに、岡さんがおすすめする油そばの食べ方ってありますか?

岡さん:腹ペコ男子には、ちょっと物足りないかもしれないけれど、まずは並盛を注文してみてください。並盛の麺とタレのバランスが抜群でとにかく絡みがいいので、しっかりと絡めてから、まずはひと口。そこからは気分によって、いろんなトッピングを楽しみましょう。

 

東京発祥の油そば。新しい文化の反応と希望とは。

――油そばって、ギトギトしたイメージがあります……。「柿川亭」の油そばは、どうですか?

岡さん:確かにギトギトしたイメージがありますよね。でも、そこは、食べてイメージを払拭してもらいたいです。というのも「柿川亭」の油そばは、米ぬかから抽出される国産米油を使うことで油っぽさを感じにくくしています。それに抗酸化作用で細胞の健康維持を助けてくれるし、ビタミンEが他の植物油より多く含まれているから、とても健康的なんですよ。

 

――健康的……、 油が多いからカロリーは高いんじゃないかって思いますけど……?

岡さん:油そばってスープがない分、ラーメンと比べるとカロリーは2/3程度で、塩分も抑えられています。だからギトギトしていないし、女性や年配の方たちからは「油そばって、美味しいね」っ、嬉しい感想をたくさんもらえているんです。オープンしてまだ間もないけれど、大盛りを頼んで食べきれなかった年配の方を除くと、皆さんちゃんと完食されているんですよ。

 

 

――へー、それは素晴らしいですね。東京発祥の油そばが長岡でも受け入れられているって感じがしますね。

岡さん:長岡には美味しいラーメン屋さんがたくさんあるけれど、油そばの文化はほとんどありませんでした。だから「ラーメンないの?」「油そばって何?」というなお客さんもちらほらといます。でも、だんだん「油そば」という文化に馴染んでくれていて、この「柿川亭」を軸にいろんなつながりができて、自分が考える町づくりが生まれはじめているという実感があります。

 

――それでは最後に、「柿川亭」をどんなお店にしていきたいか教えてください。

岡さん:油そばを知ってもらって、食べてもらうのはもちろんだけど、「柿川亭」が長岡の人たちにとって、大切な場所となり長く愛されるお店となって欲しいです。それが僕の考える、お店を通したつながりからの町づくりのゴールかもしれません。

 

 

 

東京油そば 柿川亭

新潟県長岡市南町1-10-16

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