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カフェやショップスペースを併設した、リニューアル後の「遊亀楼 魚兵」。

三条市で155年続く老舗料亭「遊亀楼 魚兵(ゆうきろう うおひょう)」が、ランチやスイーツの楽しめるカフェスペースや地場産製品の販売を行うショップスペースを併設して、今年5月にリニューアルオープンしました。できたばかりのお洒落な1Fスペースにお邪魔して、7代目女将の今井さんにリニューアルにあたっての思いを聞いてきました。

 

 

有限会社 魚兵

今井 久美子 Kumiko Imai

1980年三条市生まれ。7代目女将。調理師専門学校卒業後、塾の講師として働く。結婚や出産を経て、2012年より「有限会社 魚兵」で働きはじめ、2018年に女将に就任。料亭業務の傍ら、フードコーディネーターとしてケータリングの仕事にも携わる。趣味は食べ歩きで、食べたことのない料理はとりあえず食べてみたくなる。

 

老舗料亭と、7代目女将の今まで。

——「遊亀楼 魚兵」という屋号には、どんな意味があるんですか?

今井さん:初代の結城兵資(ひょうすけ)さんがはじめた魚料理の店だったので「魚兵」という屋号になったそうです。「遊亀楼」というのは、大正のはじめに三階建ての店舗を建てたときに、書家の岩田愛山(いわたあいざん)先生から名付けていただいたものなんです。苗字の「結城」を「遊亀」と洒落たわけですね(笑)

 

 

——遊びがあってお洒落な屋号ですね。大正初期から続いているお店なんですか?

今井さん:創業はもっと前の明治元年になります。もともと五十嵐川の船着場で結城セツさんと娘さんが茶店を開いたのがはじまりで、娘さんの元に婿入りした兵資が「魚兵」を創業したんです。もう155年続いているお店なんですよ。

 

——創業155年って、めちゃめちゃ老舗ですね。今井さんは何代目の女将さんになるんでしょう?

今井さん:私で7代目になります。でも最初は料亭の女将になるつもりはなかったんですよ。念のため調理師免許を取ってはいたものの、結婚するまで塾の講師をやっていたんです。

 

 

——それがどうして「遊亀楼 魚兵」の女将さんに?

今井さん:子育ても落ち着いたので、調理師免許を生かして給食センターで働くことにしたんです。ところが祖母から「同じ飲食に関わる仕事に就くんだったら、家業の料亭を手伝ってほしい」と言われたんですよ。でも私は両親が土日祝日も仕事をしているのを見てきたので、家族のためにも「土日祝日はもちろん、夜も働きたくない」と言ったらその条件が通っちゃったので「遊亀楼 魚兵」で働くことになったんです(笑)

 

——そうだったんですね(笑)

今井さん:でも土日祝日や夜以外の仕事となると、お掃除や皿洗いくらいしかないんですよ。それが私の性分には合わなかったので、結局普通に料亭の仕事をするようになって、今では女将をやらせていただいています。

 

地場産製品のショップスペースができたわけ。

——このたびリニューアルオープンされたのはどうしてなんですか?

今井さん:新型コロナの拡大がはじまって、歓送迎会で埋まっていた3月の宴席がすべてキャンセルになったんです。最初は1〜2ヶ月で終息するだろうと考えていましたが、一向に終息の気配がなかったので緊急会議が開かれたんです。

 

——誰にとっても想定外の出来事でしたよね。

今井さん:その会議で今後の方針が話し合われて、ホームページを整備した上でインターネット通販をスタートしたり、テイクアウトのお弁当販売をしたりすることになったんです。お弁当販売はなかなか好評で、1年間にわたって毎日50食完売し続けたんですよ。

 

——料亭のお弁当だったら売れるのもわかります。

今井さん:あと以前から、料亭の閉鎖的で敷居の高いイメージを何とかしたいと思っていたんです。それをこのコロナ禍をきっかけに見直すことになって、このたびリニューアルオープンすることになりました。

 

 

——どんなコンセプトでリニューアルしたんでしょうか。

今井さん:調べてみると、かつて料亭というのは地域の情報発信基地だったそうなんです。だからリニューアルを機に「遊亀楼 魚兵」がそうした場所になれたらいいなと思いました。

 

——だから三条を代表するメーカーの製品が販売されているんですね。

今井さん:そうなんです。若い頃の私は地元に興味を持っていなかったので、三条が「ものづくりの街」ということもピンと来ていなかったんです。ところが、工場から出る廃材を使ってアート作品を作る「ブランキングアート」のイベントでケータリングを頼まれたことをきっかけに、三条の産業がいかにすごいのかを知ることができました。それ以降も工場でのケータリングや、カトラリー製品の写真撮影でフードスタイリングする経験を通じて様々なメーカーや製品に触れてきたので、その誇りに思える三条製品を紹介したくてショップスペースを設けました。

 

 

——一目見ただけでもいい製品だとわかるものばかりですね。

今井さん:うちのお店でしか手に入らないものを中心に置かせていただいてます。お箸やスプーンといったカトラリー類は料亭やカフェでも使っていて、実際に使い心地をお試しいただけるんですよ。

 

——実際に使えるのは、最高のデモンストレーションですね。

今井さん:地域の製品だけではなく、三条の文化を知っていただくための展示スペースもご用意しています。現在は先日開催された「三条凧合戦」関係の展示をしていますが、こうした展示を通して少しでも三条を知っていただき、好きになっていただければと思っています。

 

カフェスペースで楽しめる地元メニュー。

——お昼はランチやカフェの営業もされているんですよね。

今井さん:ランチでは新潟の郷土料理や地元食材を使ったお茶漬け専門店として営業していて、「鯛茶漬けセット」「佐渡銀鮭明太茶漬けセット」「国産鰻茶漬けセット」を味わっていただけます。カフェでは「笹団子パフェ」や「お団子と煎茶のセット」をお楽しみいただけます。

 

 

——「笹団子パフェ」って……笹団子が入っているんですか?

今井さん:最初はそうしようと思っていたんですけど、試行錯誤を重ねた上、よもぎジェラート、抹茶ゼリー、白玉、あんこを使って作りました。よもぎジェラートは笹団子の再現度が高いですよ(笑)

 

——ランチやカフェをはじめたのはどうしてなんでしょうか。

今井さん:料亭の入りにくいイメージを何とかしたかったんですけど、お料理の質や価格を落として敷居を下げるのではなく、いろいろな人にお越しいただけるよう間口を広げたんです。ふらっと遊びに来ていただいたり、県外のお客様とのランチにご利用いただけたりしたら嬉しいですね。そして料亭のお料理にも興味を持っていただけたら、もっと嬉しいです。

 

 

 

遊亀楼 魚兵
三条市一ノ門1-2-17

0256-33-0261

ランチ11:00-14:00/カフェ14:00-17:30

月曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。

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