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出雲崎を代表するご当地ラーメンを目指す「麺処いずも屋」。

日本海に沈む夕日が綺麗に見えるスポットとして、カップルやライダーから人気のある道の駅「越後出雲崎 天領の里」。その目の前に「麺処いずも屋」というラーメン店が今年9月にオープンしました。海と山に囲まれた自然豊かな出雲崎で、どんなラーメンを提供してくれるのでしょうか? 店主の宮崎さんにお話を聞いてきました。

 

 

麺処いずも屋

宮崎 義崇 Yoshitaka Miyazaki

1985年千葉県生まれ。外語系の専門学校を卒業後、東京の航空会社に就職。料理人を目指しイタリアンレストランへ転職する。結婚を機に新潟へ移住してからはラーメン店で修業し、2022年9月に出雲崎で「麺処いずも屋」をオープン。プロ野球が好きで、横浜DeNAベイスターズのファン。

 

100人にとったアンケートが、ラーメン店をはじめた決め手。

——「麺処いずも屋」って、道の駅「越後出雲崎 天領の里」の真ん前にあるんですね。

宮崎さん:そうなんですよ。こちらは出雲崎町が工務店に委託して運営している、古民家をリノベーションした複合店舗なんです。今はうちとジェラートショップがテナントとして入っています。

 

 

——宮崎さんが「麺処いずも屋」をはじめるまでのお話を聞かせてください。

宮崎さん:もともとは英語に関わる仕事がしたいと思っていたので、専門学校で英語の勉強をしてから羽田の航空会社で働きました。でも働いてみたら自分には合わなかったので、料理の仕事に転職することにしたんです。

 

——それはまた、大きく方向転換しましたね。

宮崎さん:学生時代にアルバイトをしていた居酒屋の仕事が楽しかったことや、手に職をつけたいっていう考えがあって、イタリアンレストランで修業をはじめました。

 

——はじめての料理のお仕事はいかがでした?

宮崎さん:航空会社で働いていたときは勤務時間がきっちりしていたんですけど、料理の仕事をはじめてからは労働時間が長い上に残業が当たり前の生活になって、慣れるまではとても大変でしたね。料理もきちんとやったことがなかったから、失敗も多くて叱られてばっかりでした。フライパンで頭を叩かれたこともあります(笑)

 

 

——そ、そんな環境でも料理をやめたいとは思わなかったんですか?

宮崎さん:仕事を覚えてくると失敗がなくなって叱られなくなるし、できるようになると料理が面白くなっていったんです。その後も何店かのイタリアンレストランで経験を重ねましたね。

 

——それだけイタリアンの修業をしていたのに、新潟でラーメン店をはじめたのはどうして?

宮崎さん:奥さんの実家が出雲崎だったので、結婚を機に移住してきたんです。最初は今までの経験を生かして、パスタやピザを提供するようなイタリアンレストランをやろうと思っていたんです。でもアンケートの結果は最下位だったんですよ(笑)

 

——アンケートって、なんのことですか?

宮崎さん:実は自分で飲食店をやるにあたって、道の駅「越後出雲崎 天領の里」に来ている人達にアンケートをとったんです。カレー、パスタ、ピザ、ジェラート、ラーメンのなかで、何のお店ができたら嬉しいかを100人くらいに聞きました。その結果はラーメンが1位で、僕のやりたかったパスタやピザは最下位だったんです(笑)

 

——それでラーメンを……?

宮崎さん:はい。新潟市内のラーメン店で修業して、作り方やオペレーションを勉強しました。それまでやってきたイタリアンとは違ってとにかくお客様の回転が速いから、最初はスピードについていけなかったですね。一度に10皿くらい作るんだけど、麺の太さやトッピングをすべて覚えていなければならないんです。多くのお客様に熱々のラーメンをスピーディーに提供するスキルが鍛えられました。

 

「麺処いずも屋」という店名に込められた思い。

——ラーメン店での修業を終えて、いよいよ「麺処いずも屋」をオープンしたんですね。

宮崎さん:グランドオープンの前に新潟市内でテストキッチンをやってみたんです。SNSで営業時間外に店舗を貸してくれる方を探してみたら、江南区にあるカレー屋さんが貸してくれることになったんですよ。そこで営業しながらお客様の反応を確認させていただいたことで、出雲崎でオープンする自信につながりましたね。

 

——実際にオープンしてみていかがでした?

宮崎さん:本格的に営業をはじめてみると、テストキッチンとはレベルが違う大変さでしたね。僕もスタッフもすべての経験値がゼロからのスタートですから、スタッフと一緒に日々成長している感じです。

 

 

——特に大変だったことはありますか?

宮崎さん:お客様をお待たせしてしまって、行列に並んでいたお客様からすごい剣幕で怒られたことがあります。僕が出て行ってお詫びしたんですが、5皿のラーメンを作っている途中だったので、作業が中断して提供が遅れてしまったんです。そのときに、私ひとりがラーメンを作るんじゃなく、スタッフみんながラーメンを作れるようになる必要性を感じましたね。あと、ここは食品スーパーが遠いので、急に材料が切れてしまったときの買物が不便ですね(笑)。でも出雲崎に暮らしているのは温かい方ばかりなので、お店に来て話しかけてくれたりするんですよ。

 

——この立地で困ることもあれば、嬉しいこともあるわけですね。メニューについても教えてください。

宮崎さん:看板メニューは「生姜醤油らーめん」です。

 

——おっ、長岡のご当地ラーメンじゃないですか。

宮崎さん:皆さんそう思うみたいなんですけど、まったく違うんですよ。地元のお客様は年配の方が多いので、マイルドにして誰でも食べやすい味にしてあるんです。「長岡系」ではなくて「出雲崎系」ですね(笑)。それでは物足りないという若い方には「こってり生姜醤油らーめん」もご用意しています。

 

 

——表に「自家製麺」のぼりが出ていますよね。

宮崎さん:新潟県産の珍しい小麦粉を使った、もちもち食感の自家製麺です。県内ではうちの他にもう1軒しか使っていない小麦粉なんですよ。お客様に合わせて麺の固さを調節しています。

 

——ラーメンを作るときに心がけていることってありますか?

宮崎さん:ラーメンはスープが冷めやすくて、麺が伸びやすい料理なので、ギリギリまで麺を盛り付けないようにして、お客様にはベストな状態で提供するようにしていますね。

 

——これから「麺処いずも屋」を、どんなお店にしていきたいですか?

宮崎さん:出雲崎って意外と知名度が低くて、新潟県民でも知らない人が多いんです。だから少しでも多くの人にうちの店を知っていただいて、出雲崎の知名度も上げていきたいですよね。その思いも込めて店名を「麺処いずも屋」にしたんです。うちの「生姜醤油らーめん」が出雲崎のご当地グルメになってくれたら嬉しいですね。

 

 

 

麺処いずも屋

三島郡出雲崎町大字尼瀬121

11:00-14:00/17:30-19:00(火曜は9:00-17:00)

水曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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