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米どころ新潟で日本一のおにぎり店を目指す「豚米」の挑戦。

中央埠頭のそばにある理容室「BARBER CLASSICS(バーバークラシックス)」。その駐車場でキッチンカーを使っておにぎりや豚汁を販売しているのが、今年10月にオープンした「豚米(とんべい)〜ごちそうおにぎりと豚汁のお店〜」です。厳選された材料を使ったおにぎりは、具材の組み合わせを自分で選んで楽しむことができるんだとか。今回はマネージャーの三國さんから、「日本一のおにぎり店」を目指す意気込みを聞いてきました。

 

 

豚米〜ごちそうおにぎりと豚汁のお店〜

三國 透 Tohru Mikuni

1995年佐渡市生まれ。地元で漁業や設備工事の仕事を経験した後、2019年に「株式会社グルービスト」に入社して新潟市へ移住。2022年10月より「豚米〜ごちそうおにぎりと豚汁のお店〜」をオープンする。豆から挽いたコーヒーを飲みながら、自宅で小説を読んだり映画を観たりするのが好き。

 

なぜ、キッチンカーでおにぎり店をはじめたの?

——まずは「豚米」をはじめたいきさつから教えてください。

三國さん:あるご縁でキッチンカーを手に入れたんです。そのキッチンカーを使って何をはじめようか考えたとき、「日本一」と呼ばれる東京のおにぎり店が思い浮かんだんですね。

 

——それは、どんなお店なんですか?

三國さん:僕もおにぎりを買いに行ったことがあるんですけど、50メートルも行列ができていて2時間待ちということだったので、買うのをあきらめて帰ったんです(笑)。だからそのお店のおにぎりを食べていないんですけど、「おにぎりの店ってこんなに人が集まるのか」って驚いたのと同時に、新潟の美味しいお米や食材を使ったおにぎりだったら「日本一」のお店に勝てるんじゃないかって思ったんです。

 

 

——だから新潟でおにぎりのお店をはじめたんですね。

三國さん:米どころの新潟に住んでいる者として、「日本一」のおにぎり店は新潟にあるべきだと思いました(笑)。県外に行って気づいたんですけど、新潟に住んでいる人が思っている以上に新潟のお米って美味しいんですよ。

 

——でもお米が美味しい新潟だったら、家庭でも美味しいおにぎりが作れちゃいそうですけど……。

三國さん:そうですよね。だから「豚米」は「ごちそうおにぎり」をコンセプトにしているんです。家庭で作るおにぎりよりも味や見た目のグレードが高くて、日常のちょっとした贅沢として召し上がっていただきたいんですよね。ふたつ買うと700円近くかかっちゃうから、おにぎりとしては値段が高めなんですけど、食材にはこだわっていますし、1食分の食事代として考えたら普通の値段なんじゃないかな。

 

おにぎりや豚汁のこだわりとは。

——食材にはどんなふうにこだわっているんでしょうか。

三國さん:いろいろと試しながら、とにかく美味しいと思うものを選んでいます。卵は五泉にある「キムラファーム」さんから、野沢菜は魚沼から取り寄せています。筋子や明太子は食材センターから仕入れていましたが、よりクオリティーの高さを求めて魚屋さんから上物を仕入れるようにしました。鮭は毎朝炭火で焼いたものを使っているんです。

 

——お米だけじゃなくて、具材にもこだわっているんですね。ふたつの具材を組み合わせたおにぎりというのも、新潟県内では珍しいような気がします。

三國さん:作り置きじゃなくて、ご注文をいただいてから握るスタイルだからこそできるんですよね。12種類の具材を組み合わせて、全部で47種類のおにぎりをお楽しみいただけます。70種類近くの組み合わせを試してみて、20種類の組み合わせはボツにしました。なかには「これは美味しくないだろう」という組み合わせでも、試してみたら美味しかったものなんかもあるんですよ。

 

 

——ちなみにどんな組み合わせですか?

三國さん:梅とツナ、高菜としその実、昆布とクリームチーズなんかがそのパターンです。お客様からオーダーをいただいたので、後で試食してみたら美味しかったんですよね。

 

——こんなにあると、いろいろな組み合わせを試してみたくなりますね。具材以外にもこだわっていることってあるんですか?

三國さん:お米はあまり洗い過ぎないようにしています。そうすることで炊いたときのツヤやうま味が違ってくるんです。あと、ほとんど握らずに海苔で巻いているイメージですね。そのために海苔は、普通より大きな半切サイズを使っているんです。

 

 

——それで、ふわっとした仕上がりになるんですね。おにぎり以外に豚汁も提供していますよね。

三國さん:地元の老舗醸造所「峰村醸造」さんの味噌を使っているんですけど、赤味噌、白味噌、八丁味噌、それぞれのブレンドというようにいろいろ試しました。具材も試行錯誤した結果、大根、にんじん、ごぼう、こんにゃく、玉ねぎ、しょうがに落ち着いたんです。「おにぎり専用豚汁」という商品名の通り、おにぎりに合うよう作っているので、ぜひセットで召し上がっていただきたいですね。

 

新潟グルメを代表するおにぎりブランドを目指す。

——オープンされてまだひと月ですが、大変だと思うことはありますか?

三國さん:今までアルバイトでしか飲食業をやったことがなかったので、在庫管理から仕入れ、仕込みまでをすべて自分ひとりでやるのは大変ですね。でも新しいことに挑戦するのは好きなので、日々刺激を受けながら楽しくやっています。リピーターのお客様が来てくれると、自分を認めてもらえたようで嬉しくなりますね(笑)。その度に、手を抜いちゃダメだなと気を引き締めています。

 

 

——どんなお客さんが買いにくるんですか?

三國さん:はじめる前は、この周辺にある港湾関係の会社や運送会社をターゲットに考えていたんです。ところがはじめてみたら周辺の会社よりも、ネット情報を見て遠くから買いにきてくれる人が多かったんですよ。最近では出張で新潟に来た県外の人が、新潟らしいグルメを求めて足を運んでくれます。

 

——へ〜。県外の人がわざわざここまでおにぎりを買いにくるんですか。

三國さん:本当にありがたいですよね。いつか「新潟に行ったら必ず『豚米』でおにぎりを買う」みたいに、新潟グルメを代表するブランドとして認めていただけるようになりたいです。そして「日本一」と言われるようなおにぎり店になりたいですね。

 

 

 

豚米〜ごちそうおにぎりと豚汁のお店〜

新潟市中央区竜が島1-4-9 BARAER CLASSICS駐車場

025-278-7488

11:30-15:30

木曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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