Things

薬膳の面白さを伝えるカフェ。三条の「ドクターブルーベーグル」。

先日「漢方カフェ めぐり」さんから薬膳のお話を聞き、その効果と奥深さにすっかり惹き込まれました。「もっと薬膳のお店を知りたい」と教えてもらったのが、今回ご紹介する「薬膳カフェ ドクターブルーベーグル」さんです。沖縄で薬膳を学んだという金子さんに、お店のことや薬膳の魅力など、いろいろとお話を聞いてきました。

 

漢方カフェ ドクターブルーベーグル

金子 靖央 Yasuhiro Kaneko

1984年三条市生まれ。新潟国際トータルファッション専門学校卒業後、オリジナルブランドを立ち上げるなどアパレル関連の仕事を経験。25歳のとき飲食店に転身し、26歳でイタリアンダイニングバーの経営をはじめる。その後沖縄へ移住し、飲食の仕事をしながら薬膳を学ぶ。2020年、東京の「俺のイタリアン」に勤め、その後新型コロナウイルスの影響で三条市に戻り、2021年11月に「漢方カフェ ドクターブルーベーグル」をオープン。

 

ファッション業界、飲食業、沖縄暮らしを経験した店主。

——まずは、金子さんが「ドクターブルーベーグル」をはじめるまでの経緯を教えてください。

金子さん:高校を卒業してからは専門学校で洋服の勉強をしていました。最初はスタイリストの勉強をして、そのうち洋服を作るようにもなって。卒業後はイタリアに修行に行ったり、オーダーメイドの服を作ったり、しばらくファッションの仕事をしていたんですけど、25歳のときに飲食の仕事をはじめたんです。そしたら、働いていたイタリアンのダイニングバーが閉店することになったので、そこを買い取って、自分のお店として経営することにしたんです。それが26歳から31歳まで、5年間くらいでしたかね。それから、お店を閉めて沖縄に行ったんですよ。

 

——若い頃からたくさんの経験をされたんですね。ファッション業界から飲食の道へ進んだのはどうして?

金子さん:いろいろな縁があったからなんですが、母親が料理上手だったこともあって、料理の道へ進もうと思いました。洋服の仕事をやめた頃、母が事故で亡くなったんです。自分にとって母親の味は迷ったときの道しるべみたいなものですね。

 

——そんなことがあったんですね……。では、飲食店の経営をやめて沖縄に移住したのは?

金子さん:三条でしか飲食の仕事をしたことがなかったので、他のところも知りたいと思ったからです。あと「旅人」になりたかった(笑)。本当は沖縄に行ってから、台湾、タイといろいろなところへ行くつもりだったんですけど、あまりに沖縄の居心地がよくて、4年間そこで沖縄料理や創作料理を勉強しました。あと、「薬膳指導員」の資格も取りましたね。

 

 

——沖縄のあとは?

金子さん:バイクで日本中を転々としてから、おととし、東京の「俺のイタリアン」で働きはじめたんです。でも、新型コロナウイルスの影響で仕事が減ってしまって。それで、三条に戻ることにしました。

 

——じゃあ、コロナ禍が地元に戻るきっかけだったんですね。

金子さん:コロナ禍でなければ、今でも東京で暮らしていたと思います。東京で飲食業以外の仕事もしてみたんですけど、面白くないし、他の県にも移動できないし。だったら地元に帰ろうと思ったんです。

 

——金子さんは飲食業がお好きなんですね。

金子さん:飲食の仕事ってライブ感があって面白いんですよ。お客さんの表情を見ながら仕事をして、目の前でリアクションをもらえるところが好きですね。

 

普段の食事で元気になれる。薬膳って面白い。

——「ドクターブルーベーグル」は、どんなお店ですか?

金子さん:沖縄にいた頃に勉強した薬膳とか、東京で学んだ料理とか、これまで出会った好きなものを詰め込んだような店です。この店で薬膳に触れてもらって、普段の食事で体調が良くなることを感じてもらいたいと思っています。

 

——ベーグルもとても評判だとか。

金子さん:「俺のイタリアン」の別業態で「俺のベーカリー」というパン屋さんがあって、そこの食パンがとても美味しいんですよ。それで、この店のベーグルには「俺のベーカリー」と同じ素材を使うことにしました。質のよい小麦を使っているからちょっと割高ですけど、思った以上に評判がいいですね。

 

——メニューについて詳しく教えてください。

金子さん:身体の調子を整える季節の野菜サラダと薬膳スープがセットになったベーグルサンドを召し上がっていただけます。ベーグルの種類と具材を選んで、好きなようにカスタムできるんです。具材となるベーコンやサーモン、サラダに付くポテトも自家製ですよ。

 

——テイクアウトもあるそうですね。

金子さん:数量限定のランチボックス、単品のベーグル、ドリンクなどのテイクアウトメニューも用意しています。

 

 

——そもそも、金子さんが薬膳に興味を持ったきっかけはなんでしょう?

金子さん:沖縄で一緒に働いていた同僚が「中医学食養学会」という薬膳の学校に通っていて、その人の紹介で薬膳の勉強をはじめたんです。僕は沖縄で暮らしていたとき、胃に湿気がたまるのが原因で、身体がだるくて。それで胃の湿気を取るには、ゴーヤみたいな苦い食材が効果的だというので、積極的にゴーヤを食べていました。沖縄料理にゴーヤが使われていることは、理に適っていたんですね。そんな感じで、郷土食材がなぜ好んで食べられているのかわかることも面白かったですね。

 

——へえ〜。ゴーヤにも薬膳の効果があるんですね。

金子さん:普段の食事から病気の予防ができることを体感したんですよ。美味しいもので身体をケアできることを知ると、普段の生活をもっと豊かに感じられると思うんです。

 

30代になっても努力を惜しまず。どれだけ時間があっても足りないほどの毎日。

——金子さんは20代でも飲食店を経営されていますよね。30代で再びお店を持って、以前と変わったと思うことはありますか?

金子さん:このお店をはじめるとき、いろいろな面で助けてくれた知人、友人がたくさんいました。外壁も仲間たちと一緒に手作りしましたし。多くの人に関わってもらって、こんなに素敵なお店ができたんです。自分ひとりでやっていると思っていないからか、20代のときより踏ん張れるようになりましたね。それに、若い頃は日々の売り上げを優先していましたけど、今は薬膳のこととかパンのこととか、もっとお店をよくするために勉強したいという気持ちが強いんです。だからいくら時間があっても足りない。それくらい毎日充実していて、とても楽しいんですよ。

 

——素敵ですね! さて、最後に今後取り組みたいことを教えてください。

金子さん:薬膳とベーグルから新しい産業を生み出せたらいいな、と思っています。「米農家さんから、おにぎり屋さんという新しい仕事が生まれる」みたいな。自分たちが生み出したもので、別の誰かの生活を支えるようなことをしたいですね。

 

 

 

薬膳カフェ ドクターブルーベーグル

三条市福島新田617-1

定休日:火曜日、水曜日

営業時間:11:00〜17:00

  • She
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード


TOP