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旬のフルーツがゴロゴロ。果物屋さんが営む「クレープハウス星野屋」。

個性的な外観やメニューの豊富さで知られる、小千谷市の「クレープハウス星野屋」。クレープ屋さんとして人気のあるお店ですが、贈答用などのフルーツを買いに足を運ぶ人も多く、「老舗の果物店」としても知られています。今回は社長の星野さんに、クレープのこだわりやお店をはじめたきっかけなどいろいろとお話を聞いてきました。

 

 

星野 洋子 Yoko Hoshino

1941年十日町市生まれ。「クレープハウス星野屋」代表取締役社長。1959年に小千谷市の青果店に嫁ぐ。2004年に起きた中越地震で小千谷市内にあった店舗が被災し、現在の場所(小千谷市城内)へ移転。2005年からクレープの販売をはじめる。

 

明治から続く老舗の青果店。中越地震で被災し、たい焼き販売をはじめたことからクレープ店へ。

——「クレープハウス星野屋」さんは、もともと果物屋さんだったんですよね?

星野さん:私が嫁いで来たときは、青果の卸業と小売をしていましたね。当時あった蔵には「明治38年創業」と書いてありました。今も果物屋として続いていますから、かなり歴史があるお店ですね。

 

——そんなに前からあるお店だったんですね。クレープを売るようになったのはどうしてですか?

星野さん: 平成16年の中越地震で、小千谷病院の近くにあった店舗がダメになってしまったんです。「もうお店を畳もう」と思っていたんですが、お店で販売していたたい焼きの材料が山ほど残っていたんです。

 

——「たい焼き」……ですか?

星野さん:その頃って、果物屋は冬に弱かったんですよ。みかんくらいしか売るものがなかったんですね。それで冬の間は、店の一角でたい焼きを売っていたんです。その材料がたくさん残っているから、従業員さんに協力してもらって、被災した方のためにたい焼きをいっぱい作ってお配りしたんです。多いときは3,000個作ったかな。地震直後はお店が閉まっていて何も買えませんし、甘いものは貴重でした。焼きたてのたい焼きをとても喜んでもらったんです。

 

——でも、星野さんご自身は「お店を畳もうか」と考えていらっしゃったんですよね。

星野さん:それが、たい焼きのおかげで「やめないで」って声をたくさんいただいたんです。知り合いから「プレハブ小屋でも建てたらどう?それでもお店はできるよ」と言われて、今店舗があるところに小屋を建てて、ひとまずたい焼き屋をはじめたんですよ。

 

 

——じゃあ、ここは以前はたい焼き屋さんだったわけですね。

星野さん:もう子どもたちは独立していましたし、自分の生活は大丈夫だから「被災された皆さんのために」と思ってスタートしたんです。そんなに儲ける必要はないから以前の半値で提供したら、ものすごく評判が良くて。でも結局、たい焼きも寒い時期はいいけど春になると売れません。そこで思いついたのがクレープでした。30年くらい前、東京でクレープが流行っていて「これからはクレープだ」と思ってはいたんです。クレープにどの程度反応をいただけるか半信半疑でしたが、試作してみたらスタッフからの評判も良かったんです。「まずはお子さんでも買えるように150円で売ってみよう」と、震災の翌年から細々とクレープ販売をスタートしました。

 

——なるほど。年間を通じて販売できるようにクレープをはじめたんですね。

星野さん:当時のメニューはバナナだけだったと思います。それでも「クレープをはじめます」と小さい看板を出しただけで、すごく興味を持ってもらえたんですよ。いざはじめてみたら、小屋の前に行列ができるほどでした。

 

 

——すでにたい焼き屋さんで評判を得ていたこともプラスに働いたんでしょうね。

星野さん:お年寄りにもたくさん並んでもらいましたね。でも中にはクレープじゃなくて「グレープフルーツ」と勘違いされている方もいたんですよ。「ご年配の方にまだまだクレープが認知されていないな」と思ったので、「60歳以上は半額で5個まで買える」という広告を出したんです。そしたら、お子さん達がおじいちゃん、おばあちゃんを連れてお店に来るようになりました。お客さまからは「クレープのおかげで家族みんなが和やかになったの。あなたはすごくいいことを考えたわね」と言ってもらったこともありましたよ。私はそこまで狙っていなかったのだけど。

 

——その頃って、この辺りにクレープ屋さんはあったんですか?

星野さん:露天商はありましたけど、たぶんクレープのお店はなかったと思いますよ。うちはもともと果物屋ですから、フルーツはたくさんあるわけです。何かの拍子に傷がついた果物でも、いいところだけクレープに入れて召し上がっていただける。果物としては売れないけど、最高のフルーツが入っているクレープを提供することができたんです。

 

——やっと果物屋さんとクレープ屋さんがつながってきました。

星野さん:傷みがあって売りものにならない果物でもクレープとしては販売できます。でも、「良いものじゃないと入れちゃダメよ」というルールにしています。

 

——本格的に「クレープハウス星野屋」となったのはいつ頃ですか?

星野さん:2年間くらいは、震災後に建てた小屋で販売をしていました。3年経った頃に新しくお店を建て直して、果物とクレープを販売するようになったんです。果物屋があとからくっついてきたと思っている方も多いんですけど、こんな経緯で果物屋がクレープをはじめることになったんですよ。

 

「パフェみたいなクレープ」が人気の理由。キュートな店内でワクワクと美味しさを。

——「クレープハウス星野屋」さんのクレープにはどんな特徴がありますか?

星野さん:いちばんの強みは、果物屋のフルーツを使っていること。そもそもうちでは、どこでも売っているような果物は販売していないんです。贈答用などに使っていただくことが多いので、ランクの高いものや珍しいフルーツを扱っています。上質な果物屋のフルーツを使っているところがポイントですね。

 

 

——う〜ん。贅沢なクレープですね。

星野さん:それから、お客さまに喜んでもらいたくて、「パフェみたいな感じ」にしているんですよ。クレープ生地の中に具を巻き込んでしまうと、何が入っているか見ただけでは分かりませんよね。そうじゃなくて、パフェみたいに上にもフルーツをたっぷりと乗せているんです。フルーツを上に飾ると花が咲いたようになって、見た目も素敵だし楽しいじゃない。

 

——かなりの数のメニューがあるそうですが。

星野さん:白い生クリームだけで100種類、チョコレート生クリームで100種類。トッピングが30種類くらいあるので、全部でどれくらいのメニューがあるか数えきれないですね(笑)。今はアレルギーのある方も多いでしょうし、お客さまの好きなようにカスタマイズできれば安心してもらえて、選ぶ楽しみも増えるんじゃないかな、と思っています。

 

 

——ピンクの店舗も特徴的ですよね。

星野さん:2年ほど前にリニューアルしたんですよ。ちょっとだけパソコンをいじれるんですけど、インターネットで「おもちゃの家」っていうのを探してみて「これだ!」ってピンと来たんです。ピンクの壁にポップな窓。「これを作りたい」って業者さんにお願いしました。

 

——とてもかわいらしいしいです!

星野さん:お子さんが「キャーキャー」と喜ぶ姿を想像して、思い切りかわいくにしてもらいました。「中途半端なものなら作らなくて良いから、思い切りキュートに」ってオーダーしたんです。

 

——最後に、今の時期のおすすめクレープを教えてください。

星野さん:「シャインマスカットクレープ」はぜひ召し上がって欲しいです。プレゼント用に買って行かれる方も多いシャインマスカットを、生地の中にも上にもたっぷり使っています。もう少ししたら柿や梨、ぶどうのフルーツミックスクレープも楽しんでいただけると思います。果物屋だから、これほどたくさんのフルーツをクレープに詰め込むことができるんです。クレープは店内で召し上がっていただくこともできますし、特別な包装袋を用意しているのでお持ち帰りもできますよ。

 

 

 

クレープハウス星野屋

小千谷市場内1-5-20

TEL 0258-82-4355

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。

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