Things

ワインや肉料理が楽しめる、田舎の食堂「ビストロオオヤチヤ」。

昨年の12月、阿賀野市の水原駅近くに「ビストロオオヤチヤ」という新しいお店がオープンしました。どんな料理が楽しめるのか、どんな思いで営業しているのか、今回はオーナーの前田さんにいろいろとお話を聞いてきました。

 

 

ビストロオオヤチヤ

前田 裕 Yu Maeta

1984年阿賀野市生まれ。北海道の大学から東京の大学に編入し卒業。新潟に戻ってタウン情報誌の編集者を経験。その後はビストロや病院内にあるレストランで料理の経験を積み、2020年12月に阿賀野市で「ビストロオオヤチヤ」をオープン。学生時代からギターが趣味で、今でも暇な時間に弾くことがある。

 

情報誌の編集者が、取材をきっかけに料理の世界へ。

——広くて綺麗なお店ですね。前田さんはずっと料理の仕事をしてきたんですか?

前田さん:いいえ、大学卒業後は新潟のタウン情報誌を作っている会社で編集の仕事をしていました。

 

——お! じゃあ私とご同業だったんですね。それがどうして料理の仕事を始めることになったんでしょうか?

前田さん:タウン情報誌ではグルメ情報を扱うことが多くて、いろいろな飲食店で取材をしていたんです。その中で、あるイタリアンレストランを取材したときに、その店のシェフから聞いた料理人としての姿勢や考え方がとても胸に響いたんです。それがきっかけで料理の世界に飛び込むことになりました。

 

——ちょっとわかる気がします(笑)。どんなお店で料理の修行を積んだんですか?

前田さん:イタリアンレストランのシェフに感銘を受けたんですけど、新潟にイタリアンの店はたくさんあったので、フレンチを勉強しようと思ったんです。だからビストロで働きながらフレンチの修行をさせていただきました。

 

——急に料理の世界に飛び込んだ印象ですけど、それまでは料理を作ったりしていたんですか?

前田さん:仕事はもちろん、プライベートでもまったく作ったことがなかったんですよ(笑)。だから最初はめちゃめちゃ怒られてばかりでした。でもそのビストロはパンもお店で焼くし、デザートも自家製だったので、とても勉強になりました。その店での修行のおかげで、「自家製が当たり前」っていう感覚が身についたんです。それで、結婚して子供が生まれたのをきっかけにお店を辞めて、病院内にあるレストランで働きながら開店資金を貯め始めました。

 

味も価格も、自分が食べたいと思う料理を提供したい。

——オープンは昨年の12月でしたよね?

前田さん:自分もスタッフも営業に慣れていないので、広告での宣伝はしないでSNSだけで告知したんです。オープン初日はそれほどでもなかったんだけど、2日目はかなり混み始めたんですよ。お客様にもお待ちいただいて大変でした。

 

——オープンから混むのは大変だけど、ありがたいことですね。普段はどんなお客さんが来られるんですか?

前田さん:男性受けする料理を提供しているのに、意外と女性のお客様が多く来てくださるですよ(笑)

 

——男性受けする料理を出しているのには、何か理由があるんですか?

前田さん:私自身、小綺麗で女性的な料理にはあまり食欲をそそられないっていうこともありまして(笑)。味も価格も、自分が食べたいと思う料理を提供するようにしているんです。あと意外に感じたのは、ビストロなのにお酒を飲むお客様が少ないことですね。料理を食べてもらえるだけで嬉しいんですけど、自慢のワインを飲んでくれるお客様がもっと増えてくれるとさらに嬉しいです(笑)

 

付け合わせは最小限。メインの料理だけで勝負する。

——前田さんの料理のこだわりを教えてください。

前田さん:修行先のビストロで教えられたように、手作りにはこだわっています。パン、デザート、フライドポテト、ソースなどすべて手作りで調理するようにしていますね。あと、インスタ映えと言われるような見た目の綺麗な料理が流行っていますけど、私はお洒落に盛り付けることが得意じゃないし、あまり興味がないんです。付け合わせも必要と思うものだけにしています。見た目よりも味が大事だと思っているので、見た目を良くするデコレーションのために価格が上がるんだったら、それを削って価格を抑えたほうがいいと思っています。だからお客様の食べたいメインの料理だけが、ドンとお皿に乗っているメニューが多いんです。

 

——メニューのおすすめを教えてください。

前田さん:一番おすすめしたいのは「もち豚のロースト」です。豚肩ロースのブロックを低温で時間をかけながらじっくりローストして、しっとり柔らかく仕上げます。このメニューはランチでもメインにしています。

 

——やはり肉料理はおすすめですか?

前田さん:そうですね。自家製の燻製も人気があります。うずらの卵、チーズ、たくあん、ブロックの豚トロなどいろいろ作っているんです。それから「ウフマヨ」っていうフランスのビストロでは定番になっている料理もおすすめですね。卵に自家製のアンチョビ入りマヨネーズを添えたもので、お酒にもよく合うメニューです。

 

——たしかにビストロっぽいメニューですね。美味しそう。

前田さん:でも、うちは「ビストロ」っていうわりにフレンチ以外のメニューもいろいろやっているんですよ。酢豚とか餃子とかが登場することもありますし。美味しいと思うものはあまりジャンルにこだわらず提供していきたいですね。

 

老若男女が集う、田舎の食堂を目指す。

——オープンしてまだ間もないですけど、これからどんなお店にしていきたいと思いますか?

前田さん:「田舎の食堂」を目指していきたいですね。NHKで放送されていた「世界入りにくい居酒屋」っていう番組があったんですよ。その番組では、一見入りにくいんだけど地元に根付いたハートフルな酒場ばかり紹介されていたんです。うちもそんなふうに、子供からお年寄りまで分け隔てない年齢の方々に来ていただいて、和気あいあいと楽しんでいただける店にしていきたいですね。

 

 

 

ビストロオオヤチヤ

新潟県阿賀野市下条町12-71

0250-47-3819

11:30-14:00/18:00-21:00

火曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP