Things

東京のダイニングバーが新発田ではじめた「the CIVA-TA no.9」。

真っ青な外観が印象的な、新発田の「Burger & Bartender the CIVA-TA no.9(バーガー・アンド・バーテンダー・ザ・シバータ・ナンバーナイン)」。トーストで作る変わったハンバーガーが食べられるダイニングバーです。店長でバーテンダーの橋本さんを訪ね、いろいろとお話を聞いてきました。

 

 

Burger & Bartender the CIVA-TA no.9

橋本 健一 Kenichi Hashimoto

1988年新発田市生まれ。東京の専門学校で音楽を学びながらバンド活動を続ける。解散後はアルバイト先のダイニングバー「BAR & KITCHEN the GARUDA(バー・アンド・キッチン・ガルーダ)」に正社員として就職し、13年間勤める。2019年に新発田市で「Burger & Bartender the CIVA-TA no.9」をオープン。趣味は中学時代から続けているギターとラグビー観戦。

 

好きな仕事を新発田でも続けたい。

——橋本さんはずっと東京で生活されていたんですか。

橋本さん:僕は3歳からピアノをやっていたんですけど、中学生になると「男子がピアノをやるのはカッコ悪い」と思うようになって、ギターを弾きはじめたんですよ。それから「Hi-STANDARD(ハイスタンダード)」をきっかけにパンクロックな音楽をやるようになって、東京の専門学校に入学して音楽の勉強をしたんです。でも卒業はしていないんですけどね(笑)

 

——あらら……それはどうして?

橋本さん:当時は若かったから「卒業なんてしたらロックじゃない」と思っていたんですよ(笑)。それでメジャーデビューを目指してバンド活動を続けていたんですけど、よくある「方向性の違い」でバンドを解散することになってしまったんです。「方向性の違いで解散する」って話はよく聞くけど、本当にあるんだと思いましたね(笑)

 

 

——将来についての考え方はそれぞれですもんね。バンド活動をやりながらアルバイトをしていたんでしょうか?

橋本さん:高田馬場にある「BAR & KITCHEN the GARUDA」というお店でアルバイトをしていて、半年後にそのまま正社員として就職して13年働いてきました。

 

——結構長く働かれたんですね。でも、独立することにしたのはどうして?

橋本さん:実は「独立」じゃなくて「暖簾分け」なんです。

 

——じゃあ、東京にあるダイニングバーの姉妹店ということなんですか?

橋本さん:そういうことなんです。

 

——その「BAR & KITCHEN the GARUDA」というお店は、他にもあちこちにチェーン展開しているとか?

橋本さん:ところが高田馬場だけなんです(笑)

 

——(笑)高田馬場にしかないお店が、新潟県の新発田市で姉妹店をはじめたんですか。それはどうして?

橋本さん:娘が小学校に入学する前に、実家のある新発田に帰って来たかったんです。でも「BAR & KITCHEN the GARUDA」は好きだったし辞めたくなかったので、両立する方法を考えたんですよね。

 

 

——その方法が「新発田で姉妹店を営業する」ということだったんですね。

橋本さん:そうなんです。そのお願いをするときは緊張しましたけど、オーナーもかなりびっくりしたんじゃないかと思いますよ(笑)。でも「面白そうだな」と言ってくれて、インターネットで物件を探してくれたんです。僕も地元でアルバイトをしながら店舗物件を探して歩きました。

 

——それでこの物件に決まったんですね。

橋本さん:広さがちょうどよくって「これならひとりで営業できる」と思いました。「BAR & KITCHEN the GARUDA」の要素を残しながら、自分なりにアレンジした内装になっています。特にこだわったのは、居心地の良さですね。

 

——外観の青が印象的ですけど、青がイメージカラーだったりするんでしょうか?

橋本さん:ただ単に僕の好きな色です(笑)。あと鎮静色の青を使うことで、少しでも気持ちが静まってトラブルが少なくなったらいいなと思いまして……。

 

目指すのは「カジュアルの最高峰」。

——店名の「CIVA-TA」は「新発田」のことですよね。でも「No.9」というのは、どういう意味なんですか?

橋本さん:僕が高校時代にラグビーをやっていたときの背番号なんです。ラグビーをやったことでまともな人間になることができたので、恩師への感謝を込めて店名にしたんですよね。

 

——まさか、ラグビーの背番号だったとは……。

橋本さん:「No.9」ってラグビーのポジションでは「スクラムハーフ」といって、ちょうど真ん中の位置でフォワードとバックスにボールをつなぐ役目なんです。だから東京の高田馬場と新潟の新発田をつなぐお店になれたらいいなと思いました。

 

 

——なかなか壮大な思いを持っているんですね。

橋本さん:開店準備のためにオーナーは何度も新発田に足を運んでくれて、そのたびに新発田の食文化に触れて好きになってくれているんですよ。他にも東京で働いていたときの先輩や常連のお客様も、新発田まで足を運んでこのお店に立ち寄ってくださいます。逆にここのお客様も「BAR & KITCHEN the GARUDA」に興味を持ってくれて、東京に行った際は立ち寄ってくれるんです。

 

——おお、本当に高田馬場と新発田をつないでいるんですね。

橋本さん:これから、もっとその輪を大きくしていけたらと思っています。そのためにも長くお店を続けていけるよう、できることからやるようにしているんです。せっかく足を運んでくれたお客様をがっかりさせたくはないので、営業時間や定休日はしっかり決めて守るようにしていますね。当たり前のことのようですけど、しっかり守れているお店は多くないような気がします。

 

——お店のセールスポイントがあったら教えてください。

橋本さん:ハイネケンの生ビールを置いていることと、トーストを使ったハンバーガーですね。ハイネケンの生ビールって、意外と置いているところが少ないんですよ。あとハンバーガーをトーストで作っているので、食べやすいのが自慢です(笑)

 

——あ、本当だ。確かに片手で食べられるから、スナック感覚でいけますね。

橋本さん:東京のお店でも提供している人気メニューなんです。店名にも「Burger & Bartender」って入れているから、ハンバーガーショップと間違われることもあるんです(笑)。まあ、お酒を飲まずにハンバーガーだけ食べて行っていただいてもオッケーなんですけどね。

 

 

——私も、もっとハンバーガー推しのお店だと思っていました(笑)。ところで、橋本さんはどんなお店を目指しているんですか?

橋本さん:ひとことで「バー」といってもいろんなお店がありますよね。ビシッとした格好のバーテンダーがやっているバーもあれば、若い女の子がやっているガールズバーもある。僕は「カジュアルの最高峰」を目指したいと思っているんです。あといちばん心掛けたいのは「嫌な思いをするお客様のいないお店」ですね。お客様が気付かないところで、さりげなく気を使えるように心掛けています。

 

——それも長い経験があるからできることなんでしょうね。

橋本さん:No.9の「スクラムハーフ」として高田馬場と新発田だけじゃなく、人と人をつなぐお店にもなれたらいいなと思っていますので、お気軽に立ち寄っていただけたら嬉しいですね。

 

 

 

Burger & Bartender the CIVA-TA no.9

新発田市中央町3-8-1

0254-20-7872

16:00-23:00

日曜祝日他不定休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP