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新潟でイタリアの生活を楽しめる「-8-otto da Vitinia」。

イタリアの生活に欠かせない「バール」をご存知でしょうか。コーヒーショップやカフェのような気軽に入れるお店のことで、イタリアの人たちは毎朝お馴染みのバールで「コルネット」というクロワッサンとカプチーノで朝食をとる習慣があるのだとか。そんなイタリアの文化を取り入れた「-8-otto da Vitinia(オット・ダ・ビティニア)」というお店が、昨年末、新潟市東区にオープンしました。今回はオーナーの岩野さんにお店のこだわりについて聞いてきました。

 

 

-8-otto da Vitinia

岩野 直人 Naoto Iwano

1984年新潟市東区生まれ。内装業から飲食業に転職し、ダイニングバー、ダーツバー、イタリアンレストランで料理の経験を積む。34歳のときイタリアへ渡り、3ヶ月間の生活で現地の文化に触れる。帰国後はイタリアンレストランの店長として立ち上げに携わり、2022年に独立して「-8-otto da Vitini」をオープン。イタリアが大好き。

 

イタリアで暮らし、文化や生活習慣に刺激を受ける。

——とってもお洒落なお店ですね。パッと見、アパレルのセレクトショップみたいです。

岩野さん:イタリアのバールをイメージしたものの、ちょっと綺麗にしすぎちゃった気もしています(笑)。以前は内装業をしていたので、キッチンの塗装やタイルは自分でやったんですよ。

 

 

——へー、内装の仕事をされていたんですね。それからどうして料理の道に?

岩野さん:父親の仕事を手伝っていたんですけど、周りがおじさんばっかりだったんです(笑)。当時は僕もまだ若かったし目立ちたがり屋だったので、人前に立つ接客業をやってみたいと思うようになりました。それでダイニングバーでホールの仕事をはじめました。

 

——じゃあ、最初は調理ではなくホールスタッフだったんですね。

岩野さん:そしたら人手不足で調理スタッフも兼ねることが多くなったんです。包丁を握ったことすらなかったんですけど、元々ものを作ることは好きだったので、そこから料理の楽しさにハマってしまいました。それからお店で提供していたボロネーゼやイタリアンワインの美味しさに感動して、イタリアに興味を持つようになったんです。実際に行ってみて、3ヶ月も過ごしてしまいました(笑)

 

——料理にハマって、イタリアまで行っちゃったんですね(笑)

岩野さん:それもTシャツと下着を2枚ずつくらいしか持たずに行ったんですよ(笑)。向こうで知り合った人の家に泊めてもらって、そこのお母さんやお婆ちゃんからイタリアの家庭料理を教わりました。

 

 

——じゃあ岩野さんの作るイタリアンには、本場の家庭料理が生かされているわけですね。岩野さんはイタリア語が話せたんですか?

岩野さん:もちろん話せません(笑)。でも1ヶ月生活していると、何を言っているのかわかるようになってくるんですよ。日本語を聞いているみたいに聞き取れました。ただ話すときは片言で単語をつなぎ合わせたり、ジェスチャーで表現したりしていましたね。

 

——イタリアで生活してみていかがでしたか?

岩野さん:イタリアの文化や生活に触れて、ますます好きになりましたね。特にコルネットやカプチーノを楽しむバールでの朝食や、友人たちとわいわい食前酒を飲む夕食前のアペルティーノの習慣は素敵だと思ったし、それを日本の人たちにも伝えたかったので、今「-8-otto da Vitinia」のスタイルに取り入れています。

 

手作りの温もりが感じられる料理を目指す。

——帰国してすぐに独立されたんですか?

岩野さん:いいえ。以前働いていたイタリアンレストランが新店舗をオープンするということでお誘いを受けたので、店長として立ち上げに携わりました。そのレストランみたいに、地域に根ざして愛されるお店を自分でも作ってみたいと思いましたし、イタリアの文化を新潟の人たちに伝えたいという思いもあったので、2022年に「-8-otto da Vitinia」をオープンしました。

 

——店名は「8」と書いて「オット」と読むんですね。

岩野さん:イタリア語で「8」を「オット」と読むんです。僕の名前が「なおと」なので、昔からお爺ちゃんお婆ちゃんに「おっと」と呼ばれてきたんですよ。その呼び名に愛着があったし、父の誕生日も8月8日なので運命を感じて「-8-otto da Vitinia」と名付けました。

 

 

——この場所を選んだのはどうしてだったんでしょうか。

岩野さん:住宅街のバス通り沿いにあって、駐車場がある建物の1階で営業したいという、僕の条件にぴったりだったからです。この物件に出会ったときは巡り合わせを感じましたね。

 

——イタリアのバールをイメージしたお店なんですよね。

岩野さん:そうなんです。だから最初はパスタを提供しない予定だったんです。でも日本のお客様に合わせてメニューに加えました。ランチで利用していただくお客様も多いんですけど、食事をしたらすぐにお店を出ていかなければならないっていうことはありませんので、カフェみたいにゆっくりくつろいで楽しく過ごしていただきたいですね。お勉強やお仕事で利用していただくのもOKです。実はカウンターテーブルの下には電源コンセントも埋め込まれているんですよ。これは初出し情報です(笑)

 

——どんなお客さんが多いんですか?

岩野さん:出勤前のサラリーマンや、子どもを保育園に預けた後のお母さんが立ち寄って、コルネットとカプチーノで朝食をとっていきます。コルネットは手ごねしてひとつひとつ丁寧に作っているので、あまり量産することができないんですよ。だから昼前には完売してしまうこともあります。

 

 

——夜のオススメは、やっぱりワインですか?

岩野さん:そうですね。僕の好きなナチュラルワインを揃えています。天然素材だけで作られているので個性的な味や香りが楽しめますし、悪酔いしたり二日酔いになったりすることも少ないんですよ。

 

——ナチュラルワインってハマる人が多いですよね。ところで、岩野さんが料理を作るときにこだわっているのはどんなことですか?

岩野さん:手作り感を大切にしていきたいですね。見た目が綺麗に揃った料理を作るというよりも、人が作った温もりを感じられる料理にしたいと思っています。そのへんはイタリアで教わった家庭料理が影響しているのかもしれませんね。

 

——まだオープンしたばかりですけど、これからやってみたいことってありますか?

岩野さん:アイドルタイムに講師を招いてイタリア語の教室をやってみたいんです。あとイタリアに関係したワークショップも開催したいですね。それが地域の皆様への貢献につながっていったら嬉しいです。

 

 

 

-8-otto da Vitinia

新潟市東区東明6-1-18

090-1693-3301

8:00-21:00

不定休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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