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インディアン直伝の燻製品とクラフトビールを楽しむ「WURST ROCK」。

厳しい冬が過ぎ、ようやく春らしい日がちらほら。これからあたたかい日が多くなっていきますね。天気がいいとビールも美味しく感じられます。特にクラフトビールはいろいろな種類があって、ファンの方も多いですよね。そんなクラフトビールによく合うソーセージやベーコンがたくさん揃っているのが、昨年、関屋にオープンした「WURST ROCK(ブルストロック)」。今回はオーナー職人の板場さんから、ソーセージやクラフトビールについてお話を聞いてきました。

 

 

WURST ROCK

板場 和幸 Kazuyuki Itaba

1974年新潟市西区生まれ。神奈川の大学で商業経済を学んだ後、商社に就職。27歳のときにカナダに渡りインデイアンの集落で生活。帰国後は新潟市の建材メーカーでの仕事を経て、2006年に「スモークカフェ」をオープン。2016年には卸専門の食肉加工業を開始し、2019年より専門店「女池ハム 新潟燻製加工研究所」をオープン。2020年に文京町に移転して「WURST ROCK」をオープン。

 

インディアンとの過酷な生活で覚えた、燻製の技術。

——板場さんは燻製の技術をどこで覚えたんですか?

板場さん:技術の一部はインディアンから教わりました。

 

——イ、インディアンですか?

板場さん:27歳のとき、個人商社を始めようと思ってカナダに行ったんです。そのとき現地で世話をしてくれた人に紹介してもらったのが、なぜかネイティブ・アメリカンのインディアン集落だったんですよ。紹介してもらった手前、仕方なくそこで暮らすことになったんだけど、一緒に暮らすからにはインディアンの手伝いをしなければならなくて。

 

——え、どんな生活をだったんですか?

板場さん:テントで寝起きして、うさぎや鹿を狩りに行ったり、燻製を作ったりしていました。カナダには危険な動物も多いので、死と隣り合わせの生活でしたね。狩りのときの私のバディだった人はヒグマに襲われて亡くなりました。とにかく過酷な環境だったので、個人商社の夢をあきらめて、日本に帰ってきたんです。

 

 

——帰国後はどうしたんですか?

板場さん:当時の住まいはとっくに引き払っていたので、実家のある新潟に戻って建材メーカーに勤めました。でも「自分で商売をしてみたい」という思いがずっとあって、独立して「スモークカフェ」という飲食店をオープンしたんです。インディアンとの生活で覚えた燻製技術を生かした、燻製とビールが楽しめる店なんですけど、その後、もっと食肉加工品にこだわりたくなって、2016年から卸専門で食肉加工業を始めることになりました。

 

——それが「WURST ROCK」なんですか?

板場さん:その前に1年くらい「女池ハム 新潟燻製加工研究所」としてやってみて、そのノウハウを生かしたかたちで「WURST ROCK」をオープンしました。もともとこの場所にはハムとソーセージのお店があったので、お店を引き継いだような感じなんですよね。

 

「作っている」というより「育てている」という感覚。

——そもそも板場さんが飲食店をやろうと思ったきっかけは何だったんですか?

板場さん:会社勤めをしていたときって、ユーザーの顔が見えなかったんです。でも学生時代にアルバイトしていた飲食店の仕事っていうのは、他の業種に比べてお客様の反応がすぐにわかるんですよ。だから、飲食店の経営は難しいことだと思ったけど、挑戦してみたかったんです。

 

——板場さんがソーセージやベーコンを作るときにこだわっているのってどんなことですか?

板場さん:食品添加物を使わない方が美味しくなるので、できるだけ使わないようにしています。燻製って保存食を作るための技術だから、塩分をがっつり多くして乾燥させれば日持ちするのは当たり前なんです。でも、日持ちして、さらに美味しいものを作るっていうことは難しいので、そこにチャレンジしていますね。

 

 

——手間も時間もかかりますよね?

板場さん:短くて10日、長いと3ヶ月かかりますね。ここまで時間がかかると、「作る」というより「育てる」感覚に近いです(笑)。

 

——そんなふうに育て上げた商品のオススメを教えてください。

板場さん:一番人気は「ヴァイスヴルスト」です。実は作るのに一番手間がかかるソーセージなんだけど、たくさんの人に食べてほしいから安く売っているんですよ。牛と豚両方の肉を乳化させて作るんだけど、その作業に大変な手間がかかるんです。でもその手間をかけた分、きめ細かくふわっとした食感が楽しめます。食べるときはボイルした後で軽く焼いて食べると、さらに美味しく食べられますよ。

 

——いただいてみると、本当にふんわりした食感ですよね。

板場さん:そうでしょう。もうひとつのオススメは「夢味豚(ムーミートン)ソーセージ」です。白根地区のブランド豚「夢味豚」を使ったソーセージで、脂が他の豚とは全然違って質がいいんです。しつこさがないので、豚の脂身が苦手という人にもオススメできるソーセージですね。

 

クセのあるクラフトビールに合わせてクセのある味に。

——お店の中にはイートインスペースがあるんですね。

板場さん:ソーセージやベーコンを、クラフトビールと一緒に味わってもらいたくて作りました。私自身クラフトビールが大好きなので、うちのソーセージやベーコンはクラフトビールに合わせた味で作っているんです。ビールのおつまみとしては最高の組み合わせなんですよ。

 

 

——クラフトビールに合わせた味っていうのは、具体的にどんな味なんですか?

板場さん:クラフトビールは風味やクセの強いものが多いので、ソーセージやベーコンもクセを強くして濃い味に作っています。

 

——なるほど。ところで板場さんはクラフトビールのどんなところが好きなんですか?

板場さん:100種類あったら、100種類全部味が違うのがクラフトビールだと思います。だから、いろんな味を楽しむことができますよね。うちの店にも常時8種類のクラフト生ビールが飲めるようにしています。その他の缶ビールや瓶ビールもたくさん取り揃えていますよ。

 

 

——クラフト生ビールが8種類飲めるって、けっこうすごいですね。

板場さん:飲食店を始めたときからクラフトビールを掲げてやってきたからね。新潟にクラフトビールを広めたのは自分だって自負してますよ。まあ、最初の頃はクセがあるから新潟の人たちに受け入れてもらえなくて、売れ残ったビールを泣く泣く捨てたりもしてましたけどね。

 

——へ〜、クラフトビールの伝道師みたいなこともされていたんですか?

板場さん:新潟の人たちにクラフトビールの美味しさを知ってもらうために、メーカーの人を店に招いてイベントをやったり、古町で「新潟クラフトビールの陣」を開催したりしました。発起人として1回目から途中までは関わってきたんですよ。

 

——そこまでクラフトビールに関わっていたなんて知りませんでした。最後に、これからやってみたいことってありますか?

板場さん:ロシアの白カビサラミと骨付きモモ肉の生ハムを作ってみたいんだけど、熟成庫がないから今の設備では作れないんですよね……。あと、いつかクラフトビールを作ってみたいですね。

 

 

原点はインディアンとの生活にあった「WURST ROCK」の燻製品。しかもオーナーは「新潟クラフトビールの陣」を立ち上げ、新潟にクラフトビールを広めた人物でした。「WURST ROCK」のソーセージやベーコンをおつまみに、今夜はクラフトビールで一杯やってみてはいかがでしょうか。

 

 

WURST ROCK

新潟県新潟市中央区文京町10-5

025-378-2948

11:00-19:00

月曜休

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