Things

料理好き主婦がはじめた人情横丁の「かなで食堂」。

ふれあいの町「本町商店街」にあるお洒落なお店。

「新潟市の台所」ともいわれる「本町商店街」。買い物客と店員のやり取りが飛び交い、とっても人間味ある商店街です。歴史は古く、昔からのお馴染みさんなど近所の常連客などが訪れます。本町通りと新津屋小路が交差するところには「にいがた人情横丁」という名の小さな商店街があり、個性豊かなお店が古い長屋のように軒を連ねています。その一角に、店頭で新鮮野菜を販売しているちょっとお洒落な雰囲気のお店があります。それが今回紹介する「かなで食堂」です。

 

中野あい子さん

かなで食堂

中野あい子 Aiko  Nakano

調理師専門学校時代に調理師免許を取得。結婚後、主婦業のかたわらパートタイマーとして様々な飲食店の調理補助やホールスタッフを経験したのち「かなで食堂」をオープン。 中学生のお子さんが2人いる、根っからの料理好きのお母さん。

 

にいがた人情横丁

大好きな本町、人情横町で食堂をはじめる。

ずっと料理が好きで子どもの頃から一家の夕飯係を担当してたという中野さん。大人になって会社勤めがはじまると、頑張って働いて貯めたお金で調理師の専門学校に通い、主婦になって会社を辞めてから、今度はパートとして飲食店で働くようになります。でもその飲食店での仕事は調理補助やホールスタッフばかりで、実際に調理をしてお客さんに料理を提供することはほとんどなかったそうです。仕事をしながらずっと思っていたのは「自分が食べたいと思う料理、美味しいと思う料理をお客さんに提供したい」ということ。働いているうちに、自分のお店を持ちたいという夢がふくらんでいきました。

 

中野さんがパートとして最後に働いたのは、「にいがた人情横丁」の中にあるお店でした。すぐそばの「本町商店街」は中野さんの大好きな場所。料理好きな中野さんにとって、野菜、肉、魚などの新鮮な食材をお店の人と顔を合わせ、アドバイスをもらったり談笑したりしながら買うことができるこの場所は、「自分の家の冷蔵庫」のようにさえ思えたのです。結婚してからはずっと、「本町商店街」で買い物をしていました。そんなある日、「にいがた人情横丁」に空き店舗があることを知った中野さん。「どうしても大好きなこの場所でお店をやりたい」と思い、出店の申し込みをしたのです。

 

人情横丁の中にあるかなで食堂

いよいよ「かなで食堂」オープン。

「かんたんな軽食のカフェではなく、しっかりご飯の食べれる店にしたかったんです」そんな思いをこめて、中野さんはその店を「かなで食堂」と名付けました。内装にもこだわり、小さい子どもからお年寄りまで幅広い年齢層のお客さんに食事してほしいと、カウンターは低めに設定。インテリアは落ち着きのある木目調で統一しました。

 

そうして迎えたオープン当日。お店の前に看板を出した瞬間でした。通りかかった年配の夫婦から投げかけられた言葉に愕然とします。「新しい店ができたんだね。どうせ、すぐに潰れるろ。」中野さんはそのときの悔しさのおかげで、ここまで頑張れたのかもしれないと振り返ります。毎年オープン記念日を迎えるたびに「うちの店、今年も潰れなかったよ!」と思うのだそうです。

 

かなで食堂の内観

普通のご飯を普通に食べる、それを「かなで食堂」で。

「自分が家庭で作っているような料理を、お店でお代をいただいて出してもいいのだろうか。最初は迷いもありました」と当時を振り返る中野さん。お店で提供しているのは、特別な料理というよりは、一般の家の食卓に並ぶような家庭料理。でもこの普通の手料理を食べに来てくれるお客さんが、店をオープンしてみると中野さんの想像以上にたくさんいました。

 

コンビニやスーパーに行けばいつでも既製品のお弁当や惣菜が買える便利な世の中ですが、外食や弁当食が中心になると「普通のご飯を普通に食べる」ということが少なくなってしまいます。「かなで食堂」のお客さんの中には一人暮らしの年配の女性も多いそうです。年配の女性といえば料理ができて当たり前という先入観がありますが、自分でご飯を作ることは少なく普段コンビニ弁当を買って食べている人もけっこういるのだとか。そんな時代だからこそ、中野さんの「家庭料理」は受け入れらたのかもしれません。

 

 

お店で提供しているのは、特別な料理というよりは、一般の家の食卓に並ぶような家庭料理。でもこの普通の手料理を食べに来てくれるお客さんが、店をオープンしてみると中野さんの想像以上にたくさんいました。

健康に配慮して、自分が食べたいものを提供する。

「かなで食堂」で提供しているメニューのコンセプトは、中野さんが「自分で食べたいものを提供する」そして「自分が口にしたくないものは提供しない」というもの。身体に悪いと思うものは使いたくないので、調味料や食材には強いこだわりがあります。お店で使っているほとんどの野菜は、実家が営む農園「かなでファーム」で栽培した無農薬野菜です。ときどき珍しい野菜を見つけては実験的に「かなでファーム」で栽培し、「かなで食堂」の料理に試してみたりもしているとか。メニューに使っている野菜や調味料はお店で販売することもあり、お客さんに聞かれればレシピなども気前よく教えてくれるそうです。

 

お店で使っているほとんどの野菜は実家が営む農園「かなでファーム」で栽培した無農薬野菜

ずっと人情横丁でお店をやっていたい。

一人暮らしの人やお年寄りなど、お客さんからの要望に応えて、中野さんはお店での料理提供のほかに惣菜や夕食弁当の販売も始めました。自分の子どもたちが自立してもっと自由に働ける時間が確保できたら、営業時間をもっと延長して夕食にも対応したいと思っているそうです(現在は18時ラストオーダー)。中野さんに今後の夢を聞いてみました。「ずっと人情横丁でお店をやっていたい。ずっと続けていくのが夢です。」

 

 

 

本日のかなでごはん 920円

本日のカレー 880円

玄米菜食ごはん 920円

かなでSet 1,000円

 

 

かなで食堂

新潟市中央区東堀前通6番町1055

080-4737-1553

12:00-18:30(L.O.18:00)/ 木曜12:00-14:00 テイクアウトのみ / 日曜祝日休 ほか不定休

Google Map

 

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP