沼垂テラス商店街を歩いていると、箱の中にどっさりと入れられたピンバッジやキーホルダーが目に留まり、つい足を止めてしまいました。こちらは今年1月にオープンした「Maison_nu(メゾンヌー)」という名前のお店。代表の今井さんがセレクトした古着や雑貨、インテリアが、店内に所狭しと並べられています。今井さんにお店のことやセレクトしている商品のことについて聞いてきました。
Maison_nu
今井 礼央 Leo Imai
1985年新潟市生まれ。古町でブランド古着を扱うショップで13年働き、5年前に「Style office_nu(スタイルオフィスヌー)」として独立。イベント出店での古着販売を中心に活動する。2023年1月に沼垂テラス商店街で「SWELD design」とのシェアショップ「Maison_nu」をオープン。
——「Maison_nu」をはじめる以前はイベント出店をメインに活動されていたそうですね。
今井さん:「Style office_nu」という名前で、イベントでの古着販売をメインに活動していました。独立したのがコロナ禍になったタイミングだったこともあって、店舗をはじめるよりもまずはイベント出店でやろうと思って。それからこの場所とご縁があって、名前を変えて店舗をはじめました。
——「独立」ということは、前も古着屋さんで働かれていたんですね。
今井さん:古町にブランド買取を専門にしている古着屋さんがありまして、そこで20歳のときから13年間働いていました。そこを辞めて、5年前に「Style office_nu」としての活動をはじめたんです。
——沼垂テラス商店街ではじめることにしたのは?
今井さん:古町のことはよく知っているので、自分が古着屋をはじめるなら逆に古町ではやりたくなかったんです(笑)。あちらは若者に任せて、自分はひっそりとやりたいなと。それで最初は郊外で場所を探していたんですけど、まずは少なからず集客があるところからはじめようと思っていたのと、他の条件的にも「いいな」と思っていたところ、「SWELD design」さんとのご縁があり、沼垂テラス商店街でシェアショップとしてやっています。
——まずは古着のことを教えてください。どんなものを置いているんでしょうか。
今井さん:前職からの流れなんですけど、ブランドとかデザイナーズの古着をメインで置いています。最近はアメリカとかヨーロッパの古着を扱うお店が多いと思うんですけど、うちはどっちかというとブランドにフォーカスしてやっています。
——ブランドもののなかでも、今井さんが「いいな」って思うものを置いているわけですよね。
今井さん:そうですね。「このブランドのものだからいい」というわけじゃなくて、自分が「いいな」「着たいな」って思えるものを置くようにはしているかな。レディースものも「自分が着たら格好いいかな」とか「女性に着て欲しいな」って思うものをチョイスしています。
——イベントに出店するときも、そういったものを揃えているんですか?
今井さん:そうですね。他の古着屋とはモノの違いがあるので、コラボして一緒にイベントに参加することができるんですよ。そういう理由でイベントに誘ってもらいやすいっていうのはありますね。
——どうしてブランドにフォーカスしたラインナップにしようと?
今井さん:新潟の古着屋だと「Maison Margiela」や「Comme des Garçons」、「Yohji Yamamoto」のようなブランドの古着ってほとんど置いていないんですよ。ただ、新潟にもそういう服が好きな人は絶対にいると思ってはじめたんですけど、思っていた以上にたくさんいるんだと分かって。インスタで見つけたっていう方がめちゃくちゃ来てくれるんですよね。
——そういう方たちは「Maison_nu」さんのようなお店をずっと求めていたのかもしれませんね。
今井さん:真っ黒な格好の方とか、奇抜な格好をしている方とか。「新潟にもこういう方がいるんだな」っていうお洒落さんが来てくれます。そういう方からお話を聞くと「服を買うところがなかった」っておっしゃるので、そこでうちの店を選んで来てもらえるのは嬉しいですね。
——お店の前にもたくさん並んでいますけど、雑貨や小物がとってもかわいいですよね。
今井さん:もともと趣味でたくさん集めていたものなんですよ。古着との相性もいいし、通りのお客様はカフェ目的の女性の方が多いので、そこにマッチすればいいなって思いもあって。店舗をはじめてからこういう食器や花瓶、雑貨も置くようになりました。
——私も商店街を歩いていて、つい足を止めてお店を覗いちゃいました。
今井さん:食器とか花瓶とか、ガラス関係のものはずっと集めていたものなので、家にもまだまだたくさんあるんです。小物は店舗をはじめるにあたって、海外のバイヤーとやりとりして仕入れるようになりました。ヨーロッパのものが多いですね。
——どうりで珍しいデザインのものが多いわけですね。
今井さん:それと店名の「nu」は、フランス語で「裸」を意味する言葉なんです。「洋服で着飾ってほしい」とか「裸のお部屋にいろんなものを飾ってライフスタイルを充実させてほしい」とか、いろんな意味を持たせていて。お店の名前からラインナップを考えている部分もありますね。
——ぬいぐるみもたくさんありますが販売しているんですか?
今井さん:沼垂テラスの朝市のときだけ販売していて、基本は値段を付けていないんです。実は自分、ぬいぐるみが超好きで(笑)。家にいっぱいあって、日々集めているものを少しずつ放出しているんです。ここではお店に飾っておきたいなって思ったものを並べています。
——それほどお気に入りのものなんですね。
今井さん:そうですね(笑)。特に古いものがあるわけではないんですけど、ちょっと珍しいかなって思うものを置いています。朝市では子どもにプレゼントする感覚で値段をつけて置いているので、ダンボールいっぱいに持ってきてもすぐになくなっちゃうんですよ。
——今後はどんなお店にしていく予定なんでしょうか。
今井さん:今はこの狭い箱にぎっしりものを詰めているので、もうちょっと広い場所でゆったりやってみたいですね。そのタイミングで子どもの古着も扱いはじめたいなと思っています。
——子どもの古着って置いているお店が少ないだけに、求めている人はたくさんいるでしょうね。
今井さん:オープン当初はラックの半分くらいに子どもの古着を置いていたんですけど、結構すぐに売れてなくなっちゃって。僕自身子どもがいるので、仕入れに行って子どもの古着があるとつい見ちゃいますね。それに加えてアンティーク家具とか、イスとか。ちょっと広いところでラインナップを増やしながらやっていきたいです。あとはオリジナルキャラクターのぬいぐるみを作りたいと思っていて。ちょっと変なものが作れたらいいなって考えているところです(笑)
Maison_nu
新潟市中央区沼垂東3-5-18 S.W.D店舗内
平日12:00-17:00
土日祝10:00-16:00
不定休