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境界を飛び越えろ! 新潟の未来を考える自称はみだし公務員「桝潟晃広」。

暮らしが便利になるよういろいろな行政サービスを取りまとめたり、地域の開発計画や公共施設の管理を行ったり、いつも私たち新潟県民の生活を支えてくれている新潟県庁の人たち。お世話になっております。いつもありがとうございます。今回は、そんな「新潟県庁」で働いている人物・桝潟さんにインタビュー。これまでの県庁職員のイメージとは少し違う、ちょっと変わった活動をしているそうなんです。

 

桝潟 晃広 Akihiro Masugata

1981年長岡市生まれ。2005年、新潟大学工学部建設学科建築学コースを卒業。2008年、新潟大学大学院自然科学研究科(建築計画学)を卒業。同年4月より新潟県庁に入庁し、2016年より長岡市、魚沼市にてエリアリノベーションに関わりはじめる。新潟県知事政策局地地域政策課地域づくり支援班主任。

 

民間の仲間と力を合わせて。35歳からはじまった「はみだし公務員」。

――桝潟さんって、一般的な県庁職員の方とちょっと活動の仕方が違うと聞きました。けっこうアクティブに動いていらっしゃるんですよね?

桝潟さん:僕が仕事の上で意識していることは、とにかく外に出ることです。いろんな現場を歩いて、いろんな人の話を聞いて、やれることがあるなら一緒にやる。現場を見ながら、世の中を見ながら、どういった結果を出せるのかを考えて仕事をしています。だから机に向かっているよりも外出している方が多いかもしれないですね(笑)

 

――ちょっと小耳に挟んだんですけど……自称「はみだし公務員」らしいですね(笑)

桝潟さん:はい。自称「はみだし公務員」をやらせてもらっています(笑)

 

――いつ頃から「はみだし」になったんですか?

桝潟さん:35歳のとき、長岡市、魚沼市でエリアリノベーションに関わりはじめたんです。そのときに、県庁という枠にとらわれずに個人で勝負できるようになって、40歳までに結果を出そうと決意しました。で、民間と県庁内の有志とで、一緒に新潟県公民連携推進プロジェクトというものを立ち上げたんです。これが「はみだし公務員」のスタートですね。

 

 

――その新潟県公民連携推進プロジェクトって、もしかして県庁職員としての活動とは別に、ですか?

桝潟さん:そうですね。県職員としての仕事ではないし、誰かにやれと言われてスタートしたものでもないです。でも、公民連携についての勉強会を開催したり、ナイトマルシェなどの社会実験をしたりしてきました。

 

――どうして仕事でもないのに、そのような活動を?

桝潟さん:新潟県の税収って、どんどん減っているんですよ。でも施設などの維持管理費はどうしてもかかってしまいます。そこで、県が所有している県庁や公園などを活用して民間とイベントを開催することで、そういった施設が「稼げる不動産」になって税収につながると考えたんです。

 

仕事じゃない活動からつながった、仕事。

――県所有地でイベントを開催するだけで、どうして税収につながるんですか? 入場料をもらうとか?

桝潟さん:例えば、今まで何もしていなかった場所でイベントが開かれるようになると、その場所の生活環境が改善されたり、居心地のいい空間になるメリットがあります。イベントに参加する民間企業は、販売を行ったりして来場してくれた人たちから利益を得ます。そういったことの結果として、県の税収につながるんです。これを体現するのが県所有地で開催するイベントってわけなんです。

 

――それを実際にやってみた、と。

桝潟さん:お金の流れ、世の中の仕組みをただ考えるだけじゃなくて、論より証拠じゃないけれど、実際にやってみるのが僕ら新潟県公民連携推進プロジェクトのスタンスなんです。

 

 

――そういう活動をしていたら、実際に本業の仕事につながったりすることもあるのではないですか?

桝潟さん:そうですね。実際に若手が県知事に県の政策を提案できるチャンスがあって、この活動を発表したことがありました。それが、県庁や県営住宅、公園などの県所有地を用いた実験的な提案の募集につながって、県のホームページから一般の方が「こんなことしたい」「こんなことできないか」といった提案ができるようになりましたね。

 

――はみだして活動していたことが、実際の仕事にもつながったんですね。ところで 桝潟さんって、県庁職員としての仕事はどんなことをしているんですか?

桝潟さん:僕は、政策局地域政策課地域づくり応援班という、中山間地域や離島に関わって、そこにいる人たちがその場所で暮らし続けられるように、集落での話し合いに参加したり、コミュニティビジネスの担当をしたりする部署に所属しています。この仕事でも、いろんな「はみだし」をしてきたおかげでできた人のつながりに助けられていますね。

 

民間と協同しながら、新潟県をもっと良くしていくこと。

――大雑把な質問かもしれないですが……、新潟をもっと良くしていくためには、どんなことが必要だと思いますか?

桝潟さん:県と民間が協働して、公民連携を進めていくことで新潟県はもっともっと良くなると思っています。でも、そのために行政の人間はもっとクリエイティブにならないといけないし、そうなるための努力が必要なんです。だから、自分自身も努力しないといけないし、一番クリエイティブで一番結果を出せる公務員になりたいと思っています。

 

――ありがとうございます。それでは最後に、「はみだし公務員」として、新潟の皆さんにひとことお願いします。

桝潟さん:複雑で先の見えないこの世の中で、行政だけでできることは限られています。だからこれからは制度や常識にとらわれず、新しいものを生み出す公民連携が大切です。子どのたちの明るい未来を創るためにも、「Beyond the boundary!」、境界を飛び越えろ、という言葉を最後に届けたいです。

 

 

新潟県庁

新潟県新潟市中央区新光町4-1

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