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新潟の食の魅力を若者に。けやき通りの間借りカフェ「お日様とコップ」。

「新潟は食べものがおいしいよね」と県外の知人に言われたとき、これまで当たり前に口にしていた新潟の食材の魅力に、自分がまだちゃんと気づけていないことを実感しました。そんな新潟の食の魅力を、新潟の中から発信していきたいと不定期で営業している間借りカフェ、「お日様とコップ」。この春大学を卒業したばかりのフレッシュなふたりの女性が運営しています。おふたりにカフェをはじめたきっかけや新潟の食材に対する思いを聞いてきました。

 

お日様とコップ

林 茉莉 Matsuri Hayashi

2000年湯沢町生まれ。新潟県立大学人間生活学部健康栄養学科卒業。現在は新潟市内の菓子店で働く。カフェではスイーツを担当している。趣味はお菓子作りと読書。

 

お日様とコップ

碓氷 和佳奈 Wakana Usui

2002年長野県佐久市生まれ。新潟県立大学人間生活学部健康栄養学科卒業。現在は埼玉県の保育園で勤務している。カフェでは料理を担当している。趣味は料理と写真を撮ること。

 

共通点は、まちづくり。タクシーの中で出会ったふたり。

――カフェを切り盛りされているおふたりは今年の春、大学を卒業されたばかりなんですね。間借りカフェとして、いつから活動されていたのでしょうか。

林さん:去年の9月にはじめてお店を開いて、今回で2回目になります。

 

――じゃあまだ学生のときにはじめたんですね。もとからお友達だったのでしょうか。

林さん:実はそういうわけでもなかったんです。大学の実習でたまたまタクシーに一緒に乗ることがあって。会話をしている中で、お互いのやりたいことが同じだとが分かったんです。そこから私がまちづくり系のイベントを運営している団体のインターンに誘って。そのインターン先のオーナーが間借りカフェをやってみないかって声をかけてくれたんです。そこからカフェをはじめようと動き出しました。

 

碓氷さん:「地域の食材の魅力を発信して、活性化していきたい!」っていうことでお互い意気投合しました。茉莉ちゃん(林さん)は新潟でまちづくりに取り組む人との関わりがあったので、とてもいい機会だと思って、乗っかりましたね。

 

林さん:知り合ってからも、がっつり一緒にいるわけじゃなかったんです。性格も似ているわけでもなかったですし。でも、それがよかったのか、私の大雑把な部分をわーちゃん(碓氷さん)が丁寧にやってくれたり、気づかないところにも気づいてくれたり、すごく助けられているんです。

 

碓氷さん:私も、積極的に話しかけに行くようなタイプではなくて、その分、茉莉ちゃんが積極的に人に話しかけてくれるので、お互いが補い合えているなって思います。

 

 

――お互いの強みが噛み合っているんですね。そもそも、おふたりがまちづくりに興味を持ったきっかけはなんだったのでしょうか?

林さん:もともと、大学卒業後は新潟から出たいと思っていたんです。でも、インターンとかサークルで活動していく中で、新潟を元気づけようとしている人がたくさんいるっていうのに気づいて。その人たちがやっていることが面白いし、学びになるし。「まちづくり、めちゃくちゃ楽しいかも」と思ったのがきっかけです。

 

碓氷さん:私は以前から地元の佐久市の食の魅力を広めたいと思っていたんです。在学中に立ち寄った新潟の直売所で、地元の農家さんの情報とか、販売されている野菜の美味しい食べ方とか、いろんな情報が発信されていたんです。それがすごくいいな、楽しいなって思ったところから、食の観点からまちづくりしていくことに興味を持ちました。

 

新潟産にこだわった食材を堪能できるメニュー。

――こちらのカフェのコンセプトを教えてください。

碓氷さん:新潟の食材のよさを伝える、ということをコンセプトに据えています。あとは、カフェとしてほっとできるような空間にしたい、っていうのは茉莉ちゃんと前から話していました。

 

林さん:カフェで提供している料理も、スイーツも、新潟の食材を使うようにしているんです。野菜や果物は秋葉区の「タカツカ農園」さんのものを使っています。 「タカツカ農園」さんは農業体験のような、食育活動も積極的にされているんです。食材のよさだけでなく、そういった活動もカフェのメニューから発信できるなと思って。今回はかぼちゃを使ったプリンを出しているんですけど、かぼちゃ自体がとても甘いんです。その甘さを活かして、砂糖の量を調整しています。かぼちゃの素材の味もたのしみつつ、卵感のあるプリンを作りました。

 

 

――では早速いただきます……。おっ、かぼちゃが濃厚で、しっとりして、おいしい~!!

林さん:ありがとうございます。かぼちゃがしっとりしたものだったので、それに合わせて仕上げました。今回は他にも、「タカツカ農園」さんの柿を、スムージーとパスタプレートに入っているサラダのドレッシングに使っています。

 

碓氷さん:食材の味や状態に合わせて、 どんな料理に活かせるかを考えながらメニューを考えています。今回は秋の食材を料理に使いたいと思って、柿をドレッシングにしました。

 

――料理が好きだからこそのアイデアですね。カフェで飲めるコーヒーもこだわりがあるのでしょうか?

林さん:インターン先で知り合った、「ホシノテラス」さんのコーヒー豆を使用しています。今回お声がけしたら、「お日様とコップ」のためにブレンド豆を用意してくれたんです。自分たちのためにブレンドと焙煎をしてくれたのはとても嬉しかったですね。今まで出会った方の力を借りて、このカフェが運営できているなっていうのは今回改めて実感しましたね。

 

若い人が新潟の魅力を発見するきっかけに。

――このカフェを訪れる方は、若い世代が多いようですが……。

林さん:お互いの友人や後輩も来てくれることが多いですね。今回も就職を機に東京に行った同級生がご家族で来てくれたり、大学の後輩が来てくれたりしています。

 

碓氷さん:自分の地元の友達が県外から来てくれたりもしています。今日は、あまり話したこともなかった高校の同級生が、お店のInstagramを見つけて来てくれました。県内の人はもちろん、県外の人にも新潟の魅力を伝えたいっていうのがあったので、嬉しかったですね。

 

――県外出身の碓氷さんが新潟との懸け橋のような存在になっているんですね。

林さん:本当にそうなっていると感じます。あとは、若い人がやっていると、自然と同世代が来てくれるんじゃないかなって狙っていたので、若い人にも来てもらえるのは嬉しいですね。大学生とか、同世代のひとり暮らしをしている人は、どうしてもご飯に手をかけられないと思うんです。ましてや、地元の食材を使ったご飯を自分で用意するのはもっと難しいはずなので。

 

――やっぱり安さを重視したりしがちですよね。

林さん:そんな若い人たちにとって、新潟にこんなにおいしい食材があるっていうのを知ってもらえる機会になったらいいなと思ってます。私たちが料理やスイーツを出すことで、新潟の農園さんやロースターさんの魅力を同世代の若い人たちにもっと知ってほしいですね。

 

――最後に、この記事を読んでいる方に伝えたいことはありますか?

碓氷さん:ふたりとも、それぞれお店を持ちたいと思っているので、これからも定期的にできたらいいなって思います。

 

林さん:ここを続けることで、自分自身の経験も増やしていきたいですし、知名度も上げていきたいですね。新潟にこんなにおいしい食材があるんだよっていうのをもっといろんな人に発信していきたいです。

 

 

 

お日様とコップ

新潟市中央区米山2丁目1-10 オルム賢和ビル4F .lagoon 20内

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