キッチンカー「okuma」の看板商品、「くま焼き」をご存知でしょうか? 卵と小麦粉を使わず、米粉で作られた「くま焼き」はもっちりふわふわ。クマを愛するあまりに「くま焼き」を考案した横藤さんに、いろいろとお話を聞いてきました。ちなみに、しるきーもの焼き芋ペーストを使った商品は、今だけの味だそうです。
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横藤 佳代 Kayo Yokofuji
1982年新潟市生まれ。高校を卒業してから、飲食業一筋。2024年にキッチンカーをはじめる。クマが大好きで、たくさんのクマグッズを集めている。
――横藤さん、どうしてキッチンカーをはじめることにしたんでしょう?
横藤さん:私、社会に出てからずっと飲食の仕事をしているくらい、ご飯やスイーツを作ることが好きなんです。あるとき友人に手作りスイーツをプレゼントしたら、「すごく美味しいからお金をとってもいいんじゃない」と言われて、その気になりました(笑)
――お料理上手なんですね。でもどうして「くま焼き」だったんですか?
横藤さん:自分のファーストトイがクマのぬいぐるみだったからか、私、クマが大好きなんです(笑)。それで「クマをモチーフにしたオリジナルのスイーツを作れないかな」と思って。私の中に「理想のクマ像」があってですね、それをもとに自分で「okuma」のキャラクターをデザインしました。
――そもそも「くま焼き」というのは?
横藤さん:クマの形をしていますが、作り方や味はたい焼きに近いです。でも材料はちょっと違います。一般的にたい焼きの生地には小麦粉を使いますが、「okuma」のくま焼きは米粉。しかも小麦粉を一切混ぜない、100%の米粉です。
――もっちり生地の秘密は、米粉でしたか。
横藤さん:米粉は弥彦産のものを使うと決めています。あんこは江南区の「あんフーズ新潟」さん、コーヒーは「珈琲豆山倉」さんから仕入れています。あんこと生地に卵は使っていませんので、アレルギーが気になる方にも安心して召し上がっていただけると思います。
――材料に気遣いが感じられます。
横藤さん:できるだけ新潟県産、しかも「身体が喜ぶような材料」を選んでいます。
――「オリジナルを作りたい」ってことでしたよね。もしかして、くま焼きの型もオリジナルですか?
横藤さん:もちろんです(笑)。「okuma」特製の焼き型をオーダーしました。
――「okuma」さんがよく出店する場所はどこですか?
横藤さん:上越方面にはまだ行ったことがないんですけど、新潟市内や県央などはけっこういろいろな場所に出向きます。去年に引き続き、冬場は「新潟ふるさと村」さんに出店する機会が増えそうです。運転が好きなので、キッチンカーで遠出をするのも楽しいんですよ(笑)
――キッチンカーは、相棒みたいな存在なんでしょうね。
横藤さん:すごく愛着があります。「okuma」のキッチンカーは長野県の業者さんに作ってもらいました。内装は木材を使用していて、車体は白。爽やかな上に温かみもあって、すごく気に入っています。白いキッチンカーって案外珍しいみたいで、イベントで他のキッチンカーと並んでいても目立つんです。
――はじめて出店したときのことは、覚えていますか?
横藤さん:もちろんです。ひとりで調理と接客をしなくちゃいけないから、ずっとバタバタしていました。オープン前に他のキッチンカーでアルバイトをさせてもらって、「これなら大丈夫かな」と安心していたんですけど、やっぱり本番は思った通りにはいきませんでしたね。
――なんだか初々しいお話ですね。キッチンカーは楽しいですか?
横藤さん:お客さまとの距離が近いし、「おいしい」「ありがとう」「また来たよ」って声を直接聞けるところがキッチンカーの醍醐味ですよね。飲食業界にずっといて、「作る」仕事はできていました。でも雇われる身なので、当たり前ですけど、作り方や材料は決められた通りにしなくちゃいけません。「okuma」では、好きな形、好きな材料、好きなメニューを決められます。「こうしたい」を実現できるんだから、楽しくて仕方ないです。
――オープンしたのは、昨年でしたよね。
横藤さん:何度も顔を出してくださる方もいて、「1年営業してきたんだな」って実感します。でも本当は、もっともっと「okuma」のくま焼きを広めたいんですよ。
――もう十分な知名度をお持ちなのかと思っていました。
横藤さん:そんなそんな、まだまだです。密かに「新潟といえば、くま焼き」ってくらいの存在にしたいと思っているんです。
――ぜひ、その目標を叶えてくださいね。
横藤さん:イベントに出店するとたびたびハンドメイド作家さんとご一緒するんです。皆さん作品を展示する場所を求めていらっしゃるので、いずれは「okuma」の実店舗を構えて、仲良しの作家さんの作品もお店で販売できるようにしたいなと思っています。
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