本町通11番町にある「日本料理 大橋屋」。創業から150年以上続き、本館の建物は国指定登録有形文化財にも指定されています。そんな「日本料理 大橋屋」が、7・8月の土日祝日限定でかき氷の提供をはじめました。今回は本館の向かいにある新館「大橋屋 本町茶寮」にお邪魔して、7代目若女将の大橋さんに、かき氷の提供をはじめたきっかけやこだわりについて聞いてきました。
日本料理 大橋屋
大橋 未来子 Mikiko Ohashi
新潟市出身。「日本料理 大橋屋」7代目若女将。若女将業の傍ら、母である女将と共に、和小物販売会社「千絢」を立ち上げる。
——「大橋屋」さんは歴史ある料亭だと思いますが、いつから続いているんでしょう?
大橋さん:慶応2年から続いていて、今年で155年目です。昔は鮮魚仲買商だったのですが、そこから仕出し料理をはじめて、本館を建ててからは料亭として営業しています。当時は下町に結婚式場がなかったようで、結婚式場としても使われていました。この新館は椅子テーブル席を作ろうということで20年前に建てられました。
——やっぱり法事やお祝い事で利用される方が多いのでしょうか。
大橋さん:そうですね。土日は御法事や御慶事で利用していただくことが多いですね。かき氷営業をはじめて、若い方にも「大橋屋」という名前を知っていただくきっかけになったようで、はじめてよかったなと思っています。
——どんな経緯でかき氷の提供をはじめることに?
大橋さん:かき氷をはじめようと提案したのは私です。弊店はコロナ禍でもお弁当はよく出ていたので、調理場は仕事があったんですけど、仲居や私の手が空いてしまったので、少しでも売り上げになることが何かできることないかなと思いました。そこで2年前からかき氷の提供をはじめて、今年で3回目です。
——どうしてかき氷だったんでしょうか。
大橋さん: かき氷だと味の種類や組み合わせなど、沢山可能性があるのでいいかなと思いました。考えるのも楽しいですしね。
——去年も一昨年も、かなりたくさんのお客さんがかき氷を食べに足を運んだそうですね。
大橋さん:初めてご来店するお客様が多くかき氷を目的にお越しくださり、これをきっかけにお座敷に足を運んでくださる方もいらっしゃいました。1年目の一昨年は本館の玄関先を客席にして30日間、10種類以上のメニューで営業しました。今年は7月と8月の土日祝に、新館で12日間営業します。
——かき氷のラインナップはどなたが考えているんでしょう。
大橋さん:調理師免許を持っている仲居とパティシエを中心に、みんなで考えましたね。美味しくて、なおかつ目でも楽しめるようなものにしたいと思って。あと20代の子は「映える」よりも「エモい」がいいらしくて(笑)。それも意識して、20代と30代の女性の意見を組み合わせて考えました。
——今年はどんなかき氷が楽しめるんでしょうか。
大橋さん:「八海山甘酒&抹茶」「ココナッツ&マンゴー」のふたつが今年の新作です。あとは今のところ決まっているのが「ウメ」と「珈琲」ですね。「珈琲」は男性の方にもよく頼んでいただいています。
——「八海山甘酒&抹茶」、どんな味なのかとっても気になります。
大橋さん:八海山甘酒のシロップや、コシヒカリで作られたポン菓子などを組み合わせた新潟らしさのあるかき氷で、今年のイチオシです。以前、「八海醸造」さんとコラボして「ひな祭りディナー」というのを出したことがきっかけで、甘酒のデザートを作ることになって。そこで「甘酒ってデザートに活用できるんだ」と知って、今回シロップにも使ってみました。ぜひお召し上がりください。
——ではいただきます……優しい甘さで美味しいですね! それに食べ進めるといろんなものが出てきて飽きないです。
大橋さん:このかき氷は味変できるところがポイントなんです。真ん中の方まで食べると抹茶や寒天ゼリーが出てきますし、別添えの小豆はお好きなタイミングでかき氷と一緒に味わっていただけます。
——食べていて「次は何が出てくるのかな」「どうやって食べようかな」ってワクワクしますね。
大橋さん:もうひとつの新作「ココナッツ&マンゴー」には、ブルーベリーとエディブルフラワーが入った球体ゼリーを添えていて、写真映えして綺麗なんですよ。上に乗っているココナッツクリームもとっても美味しいんです。
——これは全種類制覇したくなっちゃいますね。
大橋さん:あと弊店らしさですと、器やお盆にお座敷で使っている前菜皿などを活用しているので、かき氷だけでなくて、器や設え、夏らしい飾りもご覧いただたらと思います。浴衣を着た仲居が接客しますので、そういうところでも涼しさを感じてもらえたら嬉しいですね。
日本料理 大橋屋/大橋屋 本町茶寮
新潟市中央区本町通十一番町
TEL:025-228-2509
※かき氷営業日はHPかInstagramを確認