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津川のお母さんが作る、あたたかな家庭料理「お茶の間 久太郎」。

かつては狐火がたくさん見られたといわれる阿賀町。毎年5月3日に行われる「狐の嫁入り行列」でも有名な町です。その阿賀町にある観光施設「狐の嫁入り屋敷」の中に、これまで別の場所で営業していた「お茶の間 久太郎(きゅうたろう)」が昨年10月から移転オープンしました。オーナーの杉崎さんに、阿賀町の美味しい食材や料理についてのお話を聞いてきました。

 

 

お茶の間 久太郎

杉崎 三代子 Miyoko Sugisaki

1948年五泉市生まれ。22歳のとき結婚を機に阿賀町へ移住。専業主婦として畑仕事をしながら、笹団子を作るサークル「さつき会」に入会し笹団子の製造を始める。2012年に森林組合事務所の2階で「お茶の間 久太郎」をオープン。2019年より「狐の嫁入り屋敷」内で営業を始める。農作物の栽培や漬物や乾物を作ることが好き。

 

阿賀町の素材で作る自家製笹団子。

——杉崎さんは「お茶の間 久太郎」を始める前から笹団子を作っていたんですか?

杉崎さん:はい、22歳で結婚して五泉市から阿賀町にやってきたんです。この辺りでは自分のところで食べる野菜は自分で作っているから、私も専業主婦をやりながら畑仕事をやっていました。それで、あるとき、近所のお母さんたちが集まって笹団子を作っている「さつき会」に参加したんですよ。

 

——どうして笹団子を?

杉崎さん:元々漬物とか乾物とかを作ることが好きだったし、「さつき会」で作っている笹団子を食べてみたら、とっても美味しかったんですよ。それで自分でも作ってみたいと思ったんです。笹団子の作り方は「さつき会」のお母さんたちから教わりました。でも、皆さん高齢になってやめていって、今では私が3代目として後を継いで笹団子作りをやってるんです。

 

——「さつき会」の笹団子って、他とは違うんですか?

杉崎さん:できるだけ阿賀町周辺で採れた材料を使っている自家製の笹団子です。よもぎも笹も小豆も阿賀町産ですね。スゲだけは生えているのが危険な場所で、採りに行ける人も少ないから買って使ってます。

 

笹団子の店をやるつもりが、家庭料理の店に。

——「お茶の間 久太郎」はいつオープンしたんでしょうか。

杉崎さん:8年くらい前からですね。上川の方に森林組合の事務所があって、その2階が観光物産直売所だったんです。そこで笹団子の販売をしながらお茶の提供をするカフェをやろうと思ったんです。ところが、最初の年の冬に笹団子の材料が切れてしまって、やることがなくなっちゃったんですよ。それで500円で食べられるワンコインランチを始めてみたんです。最初は笹団子を作るシーズンはお店をお休みしていました。

 

——ワンコインで食べられるのはいいですね。

杉崎さん:使っている野菜のほとんどが自家栽培だったからできたんですよね。儲けなんかほとんどなかったですけど、私が主婦として作ってきた家庭料理を喜んでくれる人がいて嬉しかったですね。どういうわけかテレビの取材が続々と来て、紹介してもらったおかげでお客さんも増えました。

 

 

——「狐の嫁入り屋敷」に移転したのはどうしてなんですか?

杉崎さん:「狐の嫁入り屋敷」では、地域おこし協力隊の子と一緒にカフェをやってたんです。私は笹団子作りが忙しくなってきたのでその子に営業を任せていたんですけど、その子が地元に帰ることになったので、それで昨年の10月から私が「お茶の間 久太郎」を始めることになったんです。

 

——そうだったんですね。こちらに移転してみていかがですか?

杉崎さん:移転してから年が明けてすぐ新型ウィルスが流行しましたからねぇ……。7ヶ月間お店を休んだんです。今年の10月からようやくお客様が戻ってきましたね。人気アニメの「鬼滅の刃」のヒットで、「狐の嫁入り屋敷」へ狐面の絵付けにたくさんお客さんがいらっしゃるんです。週末は1日80人くらい来てますね。まあ、うちの店で食べていく人はそのうちのほんのわずかですけどね(笑)

 

津川の食材で作った、温かみのある家庭料理を食べてほしい。

——「お茶の間 久太郎」の料理って、地元の食材を使った家庭料理なんですよね。

杉崎さん:そうですね。今の若い人たちってコンビニでお弁当を買ったりして、家庭料理をあまり食べない人も多いじゃないですか。でも私はちゃんと手作りした温かみのある家庭料理を食べてほしいんです。あと阿賀町の美味しい食材を知ってほしいという思いで、三川どうふとか味噌とか地元の食材を使うようにしています。

 

——先ほどのお話にもあったように、自家栽培した野菜で料理を作ってるんですよね。

杉崎さん:足りないときだけは地元で買ってますけど、ほとんど自家栽培の野菜で作ってますね。あと白米は親戚の農家から仕入れていますけど、古代米は自家栽培しています。まわりの農家の方に教えてもらいながら作り始めて、今では赤米と紫黒米を作っているんですよ。

 

 

——ちなみにおすすめはどんなメニューでしょうか。

杉崎さん:地元の自然薯で作ったとろろや、おかずが6品ついた「日替わりランチ」とか、古代米をカレーで食べる「古代米のカレーライス」とかがおすすめです。あと変わったところでは「くる蜜」っていうものを販売してます。

 

——「くる蜜」って何ですか?

杉崎さん:くるみの樹液から取れるメイプルシロップだから「くる蜜」って名前をつけました。煮詰めて作るから20リットルから20ミリリットルしか残らない、とても希少な蜜なです。毎年予約だけで売り切れてしまう人気商品ですね。

 

 

——これから新しくやってみようと思っていることはありますか?

杉崎さん:自家栽培した古代米を使って、三条の職人さんにぽん菓子を作ってもらったんです。そこに地元のジェラートショップ「Referi(レフェリ)」さんから作ってもらった古代米ジェラートを乗っけて、小豆やくる蜜をトッピングしたメニューを出してみようと思ってるんです。

 

 

——お、なんか美味しそうですね。

杉崎さん:私が地元のお母さんたちから笹団子を受け継いだように、次の世代の人たちにも、地元の美味しいものを受け継いでいってもらいたいですね。

 

 

地元のお母さんたちが作っている笹団子の美味しさに感動し、自らも笹団子を作り始めた杉崎さん。現在も笹団子を作りながら、阿賀町の美味しい食材を使った家庭料理を「お茶の間 久太郎」で提供しています。皆さんも観光で阿賀町を訪れた際には「狐の嫁入り屋敷」にある「お茶の間 久太郎」でお食事をしてみてはいかがでしょうか。温かい津川の家庭料理を味わうことができますよ。

 

 

お茶の間 久太郎

〒959-4402 新潟県阿賀町津川3501-1 狐の嫁入り屋敷内

0254-92-5577

11:30-13:30

木曜休

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