Things

本格的イタリアンやスイーツ「Osteria la Risaia〜まめぞうドルチェ〜」

加茂駅前の商店街に「Osteria la Risaia(オステリア・ラ・リサイア)〜まめぞうドルチェ〜」という長い名前のお店があります。いったいどんなお店なんでしょうか。オーナーシェフの佐藤さんを訪ねて、お店やお料理のことについていろいろと聞いてきました。

 

 

Osteria la Risaia〜まめぞうドルチェ〜

佐藤 英二 Eiji Sato

1967年加茂市生まれ。東京都の調理師専門学校を卒業し、イタリアンやフレンチのレストランで経験を積む。26歳のときイタリアに渡って1年間修業し、帰国してからは新しくオープンするイタリアンレストランを任される。2011年に加茂市へ戻り、2014年に奥さんと共に「Osteria la Risaia〜まめぞうドルチェ〜」をオープンする。時代小説を読むのが好き。

 

地中海の島にあるホテルや、標高1,000mの山の上にあるレストランで修業。

——「Osteria la Risaia〜まめぞうドルチェ〜」って、かなり長い店名ですよね。

佐藤さん:ああ(笑)。じつは、ふたつの店名になっているんですよ。「Osteria la Risaia」がイタリアンレストラン、「まめぞうドルチェ」が洋菓子店なんです。洋菓子は奥さんが作っています。

 

——あー、なるほど。ふたつの店名なんですね(笑)。ちなみに、それぞれどんな意味があるんですか?

佐藤さん:「Osteria la Risaia」の「Risaia」っていうのは、イタリア語で「田んぼ」という意味なんです。僕の幼少期の原風景を店名にしました。「まめぞうドルチェ」の「まめぞう」は小さい象ですね。奥さんは象が好きなんですよ(笑)

 

——それで、店内のいたるところに象の絵やぬいぐるみがあるんですか(笑)。さて、まずは佐藤さんが料理の道に進むきかっけから教えてください。

佐藤さん:子どもの頃に「天皇の料理番」という、実在の料理人を主人公にしたテレビドラマがあったんです。それを見て料理人の世界に憧れたんですよ。それで、東京の調理師専門学校で洋食を学びました。

 

——あのドラマ、私も好きでした(笑)。専門学校を卒業してからは、そのまま洋食の道に進んだんですね。

佐藤さん:はい、東京にあるイタリアンレストランで修業しました。イタリア人のシェフの下で働いたんですが、セカンドの人がとても厳しい人で、関西弁で怒鳴られるのが怖かったですね(笑)。小さなお店でスタッフも少なかったから、その人とは四六時中べったりなんですよ。帰りの電車まで一緒でした(笑)。でもおかげで、その後に修業した他の店が楽に感じられましたね。

 

 

——料理だけじゃなくてメンタルまで鍛えられたんですね(笑)。その後はどんな修業を?

佐藤さん:フレンチレストランでパティシエとしてお菓子作りを学んで、それからまたイタリアンレストランに戻って、26歳のときにイタリアへ渡りました。

 

——お!本場で!

佐藤さん:外国人のためのイタリア料理学校に参加したんです。3ヵ月間イタリア語を勉強したり、各地のイタリアンシェフから料理を学んだり、ワイン、パスタ、生ハムのメーカーを見学したりしました。その後の1ヵ月間は現地のレストランで実習をするんです。

 

——じゃあ全部で4ヵ月間のカリキュラムなんですね。

佐藤さん:ところが、僕は粘って1年間修業を続けたんです(笑)。地中海に浮かぶ島の高級ホテルとか、標高1,000mもある山の上のミシュランひとつ星レストランとか、3ヵ所の店で修業をしてきました。

 

 

——じゃあ充実したイタリア修業でしたね。どんなことを学べたんでしょうか?

佐藤さん:日本にはないイタリア各地の野菜を覚えられたことや、肉のさばき方はとても勉強になりましたね。あと日本のイタリアンと違って、ニンニクを使う量が少ないのが意外でした。

 

——帰国してからはどんなお店で働いたんですか?

佐藤さん:東京のイタリアンレストランをオープンから任せていただきました。ひとりで営業していたので大変だったんですけど、自由にお店をやれたのはいい経験になりましたね。

 

——新潟にはいつ戻ってきたんですか?

佐藤さん:2011年に東日本大震災が起こった後です。東京でも被害がありまして、目の前でリフォームしたばかりのマンションのタイルが弾けたり、夜になっても電車が運休したままだったり、そういう体験をして、都会生活の危うさを感じたんですよ。そこに家庭の事情も重なったので、加茂に帰ってきたんです。

 

自分たちの経験を最大限に生かした料理やお菓子。

——お店を開いたいきさつを教えてください。

佐藤さん:加茂に帰ってきてから、地元のイタリアンレストランでアルバイトをしたんですけど、自分のやってきた料理との大きなズレを感じたので、すぐに辞めて自分で店をはじめることにしたんです。商売をやりたかったというよりは、自分の働く場所を作りたかった、という感じですね。

 

 

——最初からイタリアンレストランと洋菓子店が一緒になったお店としてオープンしたんですか?

佐藤さん:そうですね。洋菓子店では、東京の洋菓子店やイタリアンレストランのパティシエとして働いていた奥さんの経験を生かした、フランス菓子やイタリア菓子を販売しています。

 

 

——へ〜。イタリアンも洋菓子も本格的なものが食べられるんですね。加茂でお店をはじめてみていかがでしたか?

佐藤さん:仕入れ単位や来客数が東京とは違ったので戸惑いはありましたね。でも、お付き合いのある八百屋さんからのおすすめで新潟県産の野菜を使うようになって、料理の味が格段に良くなりました。県産野菜は近場で採れる分、新鮮なものが手に入るんですよね。

 

 

——なるほど。良くも悪くも、新潟と東京のお店では違いがあるんですね。料理はどんなところにこだわっているんですか?

佐藤さん:僕が今まで積んで来た経験を、最大限生かした料理を提供しています。今まで学んできたことのなかで、一番大切にしているのは旬の食材を使うことですね。だからセットメニューも2週間ごとに変えているんです。あと、できるだけ自家製にこだわった料理を作っています。それから地元のお客様に合わせる努力もしていますね。

 

——例えば、どんなことを?

佐藤さん:地元のお客様はどちらかというと年配の方が多いので、パスタに量の少ないハーフセットをご用意したり、固いご飯を使ったリゾットをメニューから外したりしているんですよ。

 

 

——やっぱり地元のお客様が多いんですか?

佐藤さん:そうですね。でも週末になると市外から来てくださるお客様もいますね。なかには毎週来てくださる常連さんもいます。本当にありがたいですね。

 

——今後、新しくやってみたいことってありますか?

佐藤さん:特に新しくやってみたいことはないです。今まで通り自分の味を誠実に作り続けて、お客様に喜んでいただけたらうれしいですね。

 

 

 

Osteria la Risaia〜まめぞうドルチェ〜

加茂市穀町1-1 山常ビル1F

0256-53-6595

11:30-14:30/17:30-20:00(お菓子は11:00-20:00)

火曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP