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八色しいたけの生産量ナンバーワン、「小澤農場」が考える農業の未来。

南魚沼市の八色しいたけを食べたことはありますか? 大きくて厚みがあるだけでなく、歯応えや香りも普通のしいたけとは段違い。そんな八色しいたけの生産量No.1を誇る「小澤農場(おざわのうじょう)」は、南魚沼産コシヒカリや八色スイカなども生産し、全国優良経営体表彰の農林水産大臣賞を受賞した企業でもあります。そんな「小澤農場」で八色しいたけ栽培の責任者を担っている加藤さんに、今回は栽培のあれこれをうかがってきました。

 

小澤農場

加藤 洋平 Yohei Kato

1985年南魚沼市生まれ。結婚を機に上京し、2014年にUターン。同級生が経営する「小澤農場」で八色しいたけの栽培責任者として働きはじめる。八色しいたけをオリーブオイルで蒸し焼きにして、塩で味付けするレシピがイチオシ。

 

同級生に誘われて農業未経験から栽培責任者へ。今年は過去最高の収穫量!

——こんにちは。 早速ですが「小澤農場」では、どんなものを生産しているか教えてください。

加藤さん:南魚沼産コシヒカリ、八色スイカ、八色カリフラワー、八色しいたけの4種類を生産していて、僕は八色しいたけの栽培責任者をしています。

 

——加藤さんは、以前から農業をされていたんですか?

加藤さん:結婚して東京で働いていたんですけど、29歳のときに新潟に戻ることにしたんです。それで「これからどうしようかな……」と思っていたら、同級生でもある小澤農場の社長から「一緒にやらないか」と誘われました。農業の経験はないし、仕事のイメージもわかなくて迷ったんですけど、社長が考えていた「これからの農業経営の話」を聞いて、就農を決めたんです。

 

 

——その「これからの農業経営の話」って、どんな話だったんですか?

加藤さん:農家って、経営者一家が中心となって作物の管理をすることが多いんです。「小澤農場」も少し前までは同じで、社長がすべての管理をしていました。でも、それだと手が回らないから「人材を確保して、作物ごとに責任者を置きたい」と。そうすることで、生産計画の精度と品質を高める狙いだったんですよ。

 

——それで加藤さんは、八色しいたけの栽培責任者をしているんですね。実際に結果は、どうでしたか?

加藤さん:今年は年初に立てた計画通りに収穫することができて、過去最多の生産量になりました。責任者としてはとても嬉しいですね。

 

厚いにもほどがある。八色しいたけを支える豊富な南魚沼の水。

——それでは、八色しいたけについて教えてください。どんな特長のあるしいたけなんですか?

加藤さん:「厚いにもほどがある」というキャッチフレーズを掲げているから、とにかく肉厚です。そして歯応えと香りがとても良くて、一般的なしいたけに比べるとサイズが大きいことが特長ですね。

 

——「厚いにもほどがある」……いいキャッチフレーズですね! そういえば、さっき栽培ハウスを覗いたら、湿っているのに嫌な匂いがまったくしませんでした。むしろ芳醇な香りがししていましたね。

加藤さん:そうでしょう。八色しいたけは、菌床と呼ばれる苗みたいなものを使った菌床栽培という方法で育てます。予め菌床には、米ぬかなどの栄養素がたっぷり入っているんだけど、自然由来の成分ばかりだから香りが良いんです。

 

 

——それでなんですね。ちなみに、八色しいたけの栽培では、どんなところに苦労がありますか?

加藤さん:栽培ハウスの中は、温度や湿度などを可能な限り秋に近い環境に整えます。菌床に散水したり、刺激を与えたりして栽培するんですけど、発茸するまではきちんと育っているかまったく分からないから難しいというか……困りますね(笑)。まぁ、計算通りにいかないところも農業の面白いところなんですけどね。ちなみに、しいたけの栽培って、水しか使わないんですよ。

 

——え? 水だけで育てるんですか? ということは、水の質が大切ってことですよね?

加藤さん:その通りです。この南魚沼の大自然が与えてくれる潤沢な美味しい水が、「小澤農場」の八色しいたけを支えてくれているんです。さっきお話した菌床に含まれる米ぬかは、南魚沼産コシヒカリの米ぬかだし、この地域の自然や作物の力は、本当に偉大ですよね。

 

年間を通じて安定した経営を維持。全国優良経営体表彰で農林水産大臣賞を受賞。

——小澤農場は、全国優良経営体表彰で農林水産大臣賞を受賞したそうですね。どんな点が評価につながったんですか?

加藤さん:農業経営の改善や地域農業の振興・活性化に功績を挙げた農業者が選ばれる賞で、私たちはその中の「経営改善部門」で農林水産大臣賞をいただきました。南魚沼は豪雪地帯だから、年間を通じて営農と雇用の維持が難しいとされています。でも、複合経営を展開して、安定した収益があって、通年雇用も確保できているということが評価されたんだと思います。

 

——えっと……複合経営とは?

加藤さん:南魚沼産コシヒカリや八色しいたけなど、複数の作物を生産して経営することを複合経営といいます。小澤農場は、地元の複合経営をしている農家の中でも農地面積が広くて収穫量も多いから、年間を通じた雇用ができるんです。

 

 

——なるほど、合理的な運用ができるんですね。そもそも、新潟は積雪が多いから年中営農するって大変なんですね。

加藤さん:そうなんですよ。だから南魚沼の農家さんたちは、冬になるとスキー場で働いたり、除雪作業に携わったりするケースが多いと思います。

 

——でも小澤農場では全員が通年雇用なんですよね。ちなみに、何人ぐらい働いているんですか?

加藤さん:現在20名で、全員が体力自慢のおっさんばかりです(笑)

 

——頼もしいなぁ。活気があっていいですね。

加藤さん:南魚沼の農作物は、南魚沼産コシヒカリや八色スイカみたいにレベルが高いものばかりだから、そのブランドの力を維持することはもちろんなんですけど、新たにもうひとつ地元のブランド作物を生み出したいとも思っています。もっともっと若い力で楽しい農業を実現したいですね。自分たちの背中を次の世代の人たちが見て、「かっこいい」って思ってもらえる、そんな存在になりたいです。

 

 

小澤農場

新潟県南魚沼市茗荷沢新田28-1

TEL:025-779-3621

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