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驚きを与えるメガネを作る、アイウェアブランド「SAY-OH」。

以前お話を伺った三条のアウトドアブランド「OUTSIDE IN」。運営する「有限会社E&E」では、もうひとつ「SAY-OH」というメガネのブランドも運営しています。実は日本のメガネフレームの工場というのは、そのほとんどが福井県に集中しているのだとか。工場がない県も多い中、「SAY-OH」は新潟県内で唯一のメガネフレーム工場として社内一貫生産で製造を行っています。今回はディレクターである多田さんに、メガネの魅力や、メガネ作りへのこだわりについてお話を聞いてきました。

 

 

SAY-OH

多田 眞也 Masaya Tada

1977年東京都町田市生まれ。大学卒業後、銀座にあるメガネのセレクトショップに就職。店頭での販売業務や、自社ブランドのデザイン業務などを経験。その後、現在「有限会社E&E」の代表を務めるクリスさんに出会い、2013年に三条市へ移住。持っているメガネの数は200本以上。

 

新潟県内唯一のメガネフレーム工場。

――多田さんはずっとメガネに関わるお仕事を?

多田さん:そうです。ここに来たのは8年前で、それまでは銀座にあるメガネのセレクトショップに14年ほど勤めていました。そこでは自社のブランドも立ち上げていて、デザインは自分たちでしていたんですけど、作ってもらうのはすべて福井県の工場に頼んでいたんです。

 

――メガネといえば、福井県の鯖江市ですね。

多田さん:そうです。でも、工場に頼んでいたといっても、実際にメガネを作る大変さっていうのは当時はまだ分かっていませんでした。それから、ここの社長のクリスさんと出会って、「自分でメガネの工場を立ち上げる」って話を聞いて、何か面白いことができそうだと思って三条に来たんです。

 

――クリスさんはどうして自分で工場を立ち上げることにしたんでしょうか?

多田さん:元々アウトドア製品の輸入代理店をやっていたクリスさんが、福井の工場に頼んで、「こういうサングラスが作りたいんだ」って話をしたんですけど、思うようにいかなかったみたいで。「じゃあ自分で作る」って設備から何から揃えてしまったんです(笑)

 

 

――クリスさんの行動力、すごいですね(笑)。ここは新潟で唯一のメガネフレーム工場ですよね。全国的にメガネフレームの工場が少ないのってどうしてなんですか?

多田さん:福井県でやっているメガネ作りのほとんどは分業制なんです。工程によって細かく会社が分かれていて、それぞれが連携して、地域の産業としてやっているんです。だから僕らがこの場所でメガネを作ろうとすると一貫生産で、ほとんどのことを自分たちでやらなければいけないんです。

 

――なるほど。けど社内一貫生産だからこそ、新しいデザインにも挑戦できるわけですよね。

多田さん:そうですね。分業制だと少量で作ると単価が上がってしまうので、結果的に販売する値段に見合わなくなることがあるんですけど、一貫生産だと、少しだけお試しで作ってみて、「いけるぞ」ってなったら改良を加えながら、色を変えながら、緩やかに作っていくことができます。

 

メガネは、人と人をつなぐコミュニケーションツール。

――そもそも、多田さんがメガネの仕事をしようと思ったきっかけはなんだったんでしょうか。

多田さん:大学で人とのコミュニケーションのことだとか、人が人に与える印象について勉強していて、言葉もそうだけど、「顔とか視覚的なもので印象が大きく変わる」って面白いと思ったんです。これが仕事につながらないかなって考えたときに、「メガネを変えてみたら、周りの人から話しかけられたことがあったな」って思い出しました。

 

――メガネが変わるとその人の印象もすごく変わりますよね。それで、メガネ屋さんで働くことにしたわけですね。

多田さん:そうです。セレクトショップだけど、オーダーメイドで作っていたり、スタッフが考えたメガネを売ったりしているお店を見つけて。そこへ「雇ってください」と連絡をしたら、社長さんに「今は募集していないんだけど、一応プロフィールを知りたい」って言われて、履歴書を送ったんです。僕の通っていた大学が仏教関係の学校だったんですけど、そこの社長さんはもともとお寺の息子さんで、土台に仏教っていう僕とつながるものがあったから「面白そう」って会ってくれて、働かせてもらえることになったんです。

 

――へ~!なんだかメガネとの運命的なものを感じますね。

多田さん:そうだといいんだけど(笑)。メガネを通じていろいろな人に出会ったので、僕にとってはお客さんや友達への橋渡しをしてくれる、人と人とのコミュニケーションツールでもあるんです。好きとかそういうのを超えていますね。

 

 

――「SAY-OH」はどんなブランドなんでしょうか。

多田さん:僕らが思う楽しいメガネを挑戦しながら作っていて、それを見て驚いて、かけてみてまた驚いてもらうっていうコンセプトのブランドです。

 

――デザインは多田さんがされているんですか?

多田さん:僕と、社長のクリスさんと、僕の妻の3人でデザインしています。妻も、もともとメガネの仕事をしていた人間なんです。メガネを見てもらうと、それぞれの個性が出ていると思います。

 

 

――デザインはどこかで勉強されたんですか?

多田さん:東京で働いていたときに、販売する中の実践で身につけました。お客さんの顔の大きさや目の大きさ、鼻の高さ、輪郭とかを見て、お店に並んでいるメガネをすすめているうちに「こういう人にはこういうものが似合うんだ」って分かるようになっていきました。

 

――へ~!経験を積むと、顔を見ただけでその人に似合うメガネが分かるんですね。

多田さん:「自分はこのデザインが似合うから、ずっとこれでいい」って思っているお客さんもいるんですけど、選ぶ技術が上がってくると、こっちも「もっといろいろ試して楽しんでほしい」っていう欲がわくんです。そういう中で、「この人に似合うメガネが今はお店にないから、こういうものがあったらいいな」って考えてデザインしていました。今でも「あのときに会ったあの人に似合うメガネを考えたいな」とか、「あの人の洋服の好みに合ったメガネができないかな」とか考えますね。

 

メガネを好きになって、楽しんでほしい。

――今でも直接お客さんのためにメガネを選ぶことってあるんですか?

多田さん:「メガネのLOGO」さんっていうお店があって、うちの商品をたくさん置いてもらっているんです。ときどきそこへ遊びに行って、お客さんとやり取りすることがありますね。「今まではいやいやメガネをかけていたけど、楽しくなりました」って言ってもらえることもあります。目、悪いですか?

 

――悪いです。だけどメガネって似合わなくて、いつもコンタクトなんです……。

多田さん:そういうネガティブなイメージを変えようって思っているんです。東京では啓蒙活動をしてきたんですけど、新潟に来てみて、そういうことができるお店が地方には少ないのを感じました。おしゃれなメガネを買おうと思ってショッピングモールに行ったとしても、流行りのデザインだとか、保守的なものが多いんですよね。だけど、「今までのやり方のままだと発展できないな」って、先を見ているお店さんもいて。そういうところだと、うちの製品を喜んでもらえますね。

 

 

――最後に、多田さんの今後の目標を教えてください。

多田さん:まずは、メガネを好きになって、楽しんでくれる人が増えて欲しいです。目が悪くなくてもかけたくなるようなものを作っていきたい。僕も人生の半分以上はメガネに関わってきているから、メガネをコミュニケーションツールとして出会いが増えたっていうことへの恩返しとして、できることをやっていきたいですね。

 

 

「メガネが似合わないんです……。」と言った私に、多田さんが何十種類もあるメガネの中からパッと数本選んで試着させてくださったのですが、かけるたびに新しい自分に出会えるようで、「メガネを選ぶのってこんなに楽しいんだ!」と感動してしまいました。メガネに対してネガティブな気持ちを持つ人こそ、「SAY-OH」の製品を手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

 

SAY-OH

新潟県三条市下保内2989

0256-39-0177

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