Things

スケートボードをするならカッコつける、それが「しながわ商店」のスタイル。

自身もスケーター。だからこそ発信したいお洒落なスケーター像。

新潟市中央区、万代通り商店街にあるスケートショップ「しながわ商店」。そこでオーナーを務めながら、自身もスケーターとして活動している品川理史さんをご紹介します。スケーターのファッションや海外買い付けの裏話など、お話を聞いてきました。

 

しながわ商店

品川 理史 Shinagawa Satoshi

1986年妙高市生まれ。土建業やピンクボーイ、アパレルなど、異色の経歴を経て、2017年にスケートショップ「しながわ商店」をオープン。自身もスケーターとしてキャリア15年以上を誇り、得意なトリックはBACK SIDE 180。

 

14歳で出会ったスケートボード。怖くて、楽しくて、刺激的。

――今日はよろしくお願いします。品川さんはどんなキッカケでスケートボードをはじめたんですか?

品川さん:10歳以上も年上の従兄弟がいて、家の前で滑っていたのをたまたま見かけたんです。それで興味本位で乗らせてもらったのがキッカケですね。グラグラして不安定だし、転んだりして怖かったけれど、めちゃくちゃ楽しくて。それでスケートボードにハマりました。

 

 

――それはいつ頃ですか?

品川さん:14歳の時ですね。だから、もう15年以上は滑っています。スケートボードって、ただただ乗っていてもいいし、トリックをしてもいいし、ムービーを撮ったり撮られたりと、とにかく自由なんです。でも、その自由が感じられなくなった時期があって、やめようとしたこともありましたね。

 

――そうなんですね。今は楽しく滑れていますか?

品川さん:はい。年齢を重ねていくなかで、どんどん楽しくなっています。考え方や捉え方が変化したり、いろんなしがらみが取り除かれたり、環境がいい意味で変わっていったことで、とても自由にスケートボードを楽しめています。

 

昼はスケートショップスタッフ。夜はピンクボーイ。

――「しながわ商店」をはじめる前は、どのようなお仕事をされていたのですか?

品川さん:子どもの頃からスケートボードをしていたから、スケートカルチャーのファッションも好きでした。それで、新潟市中央区の春日町にあるスケートショップ「STAR WARKS(スターワークス)」に通って、お店で働かせてもらっていました。

 

――やっぱりスケートショップで働いていたんですね。

品川さん:ただ、働いてはいるものの生活は苦しかったから、ダブルワークをしばらくの間していました。昼はスケートショップのスタッフをして、夜はピンクボーイ。まぁ接客を最も重視される夜の仕事だから、ある意味で昼の仕事に役立つスキルを得ることができましたね(笑)

 

 

――ピンクボーイのお仕事が役立ったんですね(笑)。「STAR WARKS」は、どんなスケートショップなんですか?

品川さん:このショップは、とにかくインポートブランドに強くて、「ALIFE(エーライフ)」「MISHKA(ミシッカ)」「10DEEP(テンディープ)」をはじめ、かつては「HUF(ハフ)」をどこよりも早く取り扱っていました。今よりもローコストでシンプルなワーク調のアイテムが多かった時代ですね。

 

――「HUF」のショップが万代エリアにオープンする、ずっと前ってことですよね。ちなみに、「STAR WARKS」で働きながらスケートボードはされていたんですか?

品川さん:そうですね。スケートチームがあったから滑ったりトリックをするだけじゃなくて、ムービーを撮ったりもしていました。それこそ、関東のスケートカメラマンを呼んでプロスケーターと一緒にムービーを作ったこともありましたね。

 

スケートボードに関わるカルチャーを集めて。商店としてのスタート。

――それでは「しながわ商店」についても教えてください。お店の名前がスケートショップらしくないですよね。どうしてですか?

品川さん:それ、よく言われます(笑)。スケートショップといっても、スケートボード関連だけじゃなくて、海外で買い付けてきたファッションアイテムや雑貨も販売しているから、ある意味で「なんでもある商店」なんです。友人の農家が育てている果物を販売することもあるし(笑)。それと「しながわ商店」のある万代通り商店街の雰囲気にも合わせています。

 

――なるほど。店頭に並んでいるアイテムは、どれも海外で買い付けてきたものばかりですか?

品川さん:そうですね。アメリカのロサンゼルスや、ロッキー山脈の麓にあるデンバーという町で買い付けています。デンバーはアジア人がほとんど行かない町で、かなり穴場なんですよ。「USA CONVERSE」がセールで山のように積まれていたことも。なんと$20で(笑)。フィッシング系のアイテムも多くて、いい町なんですよー。

 

 

――$20?? めちゃくちゃ安いですね! アイテムだけではなく海外のスケートカルチャーも「しながわ商店」に持ち込んでいるんですか?

品川さん:「スケートボードをするなら、かっこつける」という考えは、お客さんたちに伝えています。というのも、バーバリーのパンツをはいて滑っていたり、Tシャツでもしっかりした物を着ていたり、アメリカのスケーターってバッチバチにお洒落をしている人ばかりなんですよ。そんなのを生で見てきたからこそ、かっこつけてスケートボードに乗ってもらいたいと思っています。だから「しながわ商店」では、スケートボード20%、アパレル関係80%の構成です。スケートショップだけど、海外で感じたスケートカルチャーの発信に注力しています。

 

――バーバリーをはいて滑っている…めちゃくちゃカッコイイですね! それでは最後に、メッセージはありますか?

品川さん:年を取っても、とにかくかっこつけていてください。それはスケーターじゃなくても。どうしても年を重ねると、ファッションに気を使わなくなりますよね。でも、そんな大人にはなってもらいたくないし、なりたくない。それがスケートカルチャーから自分が感じ取って、学んだこと。いつまでもモテる人間でいたいです(笑)

 

「ショップをしていて良かった」、そう思える瞬間。

インタビューをしていると、ひとりのお客さんが来店。20歳の彼は中学生時代から品川さんと親交があるのだとか。「彼からしたら、この店に来るのは親戚のおじちゃん家に遊びにいく感覚なんですよ」と品川さん。自分がセレクトしたアイテムが売れるのは、もちろん嬉しい。でもそれ以上に、お客さんの成長や、お客さんとの思い出の振り返りが嬉しいように感じられました。これぞ、商店街にある商店の姿。「しながわ商店」はスケートカルチャーだけでなく、人情も育んでいます。

 

 

 

しながわ商店

新潟県新潟市中央区東万代町6-10

025-311-0425

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP