Things

季節を感じながら新潟の人気スポットを巡るバスツアー「宙バス」。

開放感のあるオープントップバスで新潟の人気スポットを巡るバスツアー「宙バス(そらばす)」が、今年で運行3年目を迎えました。そこで今回は、アクティビティとしての観光バスとしての魅力について、これまでツアーの運行に携わってきた喜嶋さんに、楽しみ方やエピソードなど、いろいろとお話を聞いてきました。

 

ハミングツアー

喜嶋 ひかり Hikari Kishima

1994年江南区生まれ。2019年から開始した「宙バス」の企画を担当。添乗員としても同乗し、お客様の生の声を大切に、日々、より面白くなるツアーを計画中。趣味は美術館巡り。

 

旅行好きの目線で、新潟の魅力を伝えるツアーを企画したい。

――まずは「宙バス」をやられている「ハミングツアー」から教えてください。

喜嶋さん:本社は新発田にある「株式会社KOKK」という会社です。コンサート制作会社からスタートし、私が所属している「ハミングツアー」はその旅行部門になります。全カラー80頁にもおよぶ旅行の募集パンフレットも全て自社制作しています。また、自社運営のバスを22台所有していて、国内バスツアーを主に多くのお客様にご利用いただいています。

 

――入社されてどのくらいになるんですか?

喜嶋さん:私は2018年に新卒で入社しました。もともと国内海外問わず旅行が好きで、大学時代は留学も経験しました。地元の観光業にも興味がありましたし、就職先は県外ではなく地元がよいと思っていたんです。そのときちょうど株式会社KOKKが、これからインバウンドにも力を入れていくタイミングだったので、それで興味を持ちました。

 

――じゃあ、地元のよさを観光客に伝える側に立ちたいと思ったんですね。

喜嶋さん:新潟の魅力を伝えられるノウハウを持っているのは新潟の企業だと思いましたし、あとは企画から添乗まで一貫して任せてもらえるので、そこにも魅力を感じました。お客様の生の声をダイレクトに聞くことができるので、反省点があれば次の企画にすぐにいかすことができます。

 

――宙バス事業にはいつから携わっているんですか?

喜嶋さん:私が宙バス事業をやると聞いたのが入社した年の夏でした。1年目からこんな大きな事業を任せてもらえるとは思っていなかったですね。もちろん社長や先輩に手伝ってもらいながらですが、担当として企画から運行まで任せてもらいました。ルート決めや申込方法の詳細とか、本当に隅々まで関わっています。

 

 

――この「宙バス」のコンセプトはどういったものだったんですか?

喜嶋さん:「新潟はあまり高い建物がないので、海とか空を見ながら新潟の中心部を走って、潮風の香りとか自然を感じてもらえるようなルートや企画がいいんじゃないか」っていうところから始まりました。私は入社したばかりで企画の「き」の字も知らない状態だったので、社長のアイデアを引き継ぎながら考えていきました。

 

――バスも屋根が無くてすごく開放的ですよね。

喜嶋さん:日本海側にまだ通年運行のオープントップバスが走っていなかったので、社長は「ぜひ新潟に走らせたい」っていう思いがあったみたいです。これ、元々は屋根のついていたバスを購入して、その屋根を切って改造して作ってあるんですよ。

 

――企画当初はどんなことに苦労しましたか?

喜嶋さん:最初は「宙バス」を誰も知らない状態なので、周知に苦労しました。スタート時は1名とか2名しか乗らない日もありましたし。パンフレットを配布したり、新潟市に協力をしてもらったり、市内のビジネスホテルにチラシを配りに行ったりと地道な努力を積み重ねました。2年目くらいになるとようやく市内や県内のお客様にも知ってもらえるようになったかなと思います。

 

地元の人でも楽しい! 新潟を再発見できるツアー。

――けっこう市内の方なんかも乗車されるんですよね。

喜嶋さん:地元の方も多くいらっしゃいます。このバスは車高が3.7mあって、普通のバスよりも座席の位置も高いので、普段乗用車で万代橋とか渡っていても橋の欄干で遠くまで景色が見えないんですけど、「見通しがよくて新しい視点で市内を回れたよ」とか、「郊外の観光地を1日でぐるっと回れてリーズナブルで良かったよ」とか、「オープンバスに乗ったことがないから新鮮だったよ」とか、いろいろと言っていただいて、市内にお住まいの方でも新しい魅力を発見できるツアーなんだなと実感しました。その反応がまた、次の企画で別のルートを考えて驚かせたいなとか、そういうふうにどんどんやる気につながってまいす。

 

――じゃあ、新しい仕掛けを常に考えているんですね。

喜嶋さん:ちょっとずつ通る道を変えてみたりとか随時新しいルートを探していますね。並木道を通ると木のトンネルみたいになるんですけど、道路が狭いと木に当たってしまって葉っぱが落ちてしまうところがあったり、自分のなかで反省点も日々あったりします。

季節の色の移ろいを楽しんだり、アトラクション感覚で楽しんだり。

――喜嶋さんがルートを考える上で大切にしていることは?

喜嶋さん:上も空いているし両側も窓が広いので、よりきれいな景色が見えるルートを意識しています。季節の移ろいを感じながら新潟の魅力を再発見できるようなルートです。

 

――季節の移ろい……例えば、というのを教えてもらえますか?

喜嶋さん:例えば「白根グレープガーデン」さんなんですけど、駐車場の真上にぶどう棚がありまして、すごくいいスポットなんです。季節の移ろいっていうところでいえば、夏の始まりはまだぶどうの色はマスカットみたいに緑なんですけど、だんだん紫色になっていきますし。あと新潟ならでは田んぼの色の変化とか。田んぼの匂いも季節によって全然違いますよね。

 

 

――新潟の色彩を楽しめる、っていいですね。

喜嶋さん:あと海沿いにあるみなとトンネルって1.5kmくらいあるんですけど、トンネルの入り口が下り坂になっていて、オープンだとジェットコースター感覚を味わえます。トンネル内を通ると「ゴォォッ」って風の躍動感を感じることもできて、ほんとアトラクション感覚で楽しんで興奮しているお子様の反応を見るのが楽しいですね。

 

――おお、面白そうですね。

喜嶋さん:普段なにげなく見ている風景が新鮮に見えたり、気づけないところに気づける面白さがあるんだと思います。歩道橋、信号機、看板とか、近くで見ることができないものも間近で見ることができて、「近くで見るとめちゃくちゃデカいね」って声が聞こえてきたりとか、すぐ真上の歩道橋に人が歩いて手を振ってくれたりとか、見慣れている景色が非日常として見える不思議さみたいなのを体感してもらえると思います。

 

 

――今オススメのツアーは?

喜嶋さん:「ぐるり新潟ハイライトコース」です。新潟駅発着で「カーブドッチワイナリー→白根グレープガーデン→新潟ふるさと村で自由昼食→北方文化博物館→今代司酒造」と回るんですが、1日で市内のおすすめスポットをぐるっと回ることができます。しかもぶどうとジェラート付きで、大人3,000円、子ども2,000円です。11月3日までの毎週日曜
祝日、お客 1名から運行しているので是非!

 

 

――今後の目標を聞かせてください。

喜嶋さん:定番化できるツアーをどんどん企画していきたいです。すでにある程度定番になっている酒蔵巡りのコースとかもあるんですが、もっと増やしていきたいです。あとはバスツアーってシニア層向けのイメージが強いと思うんですが、小さいお子様からご年配の方まで楽しめるのが魅力なので、もっと気軽に乗ってもらえるようになったらいいなと思います。ツアーの最後には毎回アンケートを配っていて、お客様のご希望や企画の要望を書いていただいているので、そういったアイデアもうまく取り入れて、どんどんかたちにしていきたいです。

 

 

 

ハミングツアー

TEL. 0570-037154

受付時間/8:45-17:15(年末年始以外)

 

●新潟営業所

営業日/月・火・木・金

営業時間/8:45-17:15

定休日/水・土・日・祝日

 

●下越営業所

営業時間/8:45~17:15

定休日/土・日・祝日

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP