アイドルに詳しくなくても「SKE48」という名前を知っている人は多いと思います。秋元康さんがプロデュースする「AKB48」グループのひとつで、名古屋市栄エリアを拠点に活動している女性アイドルグループです。そこでアイドル活動をしていた田辺美月さんが、卒業後は地元の新発田市に戻って芸能活動を再開していると知り、新緑薫る新発田城址公園でお会いしてきました。
リリマリプロダクション
田辺 美月 Mizuki Tanabe
2001年新発田市生まれ。2018年よりアイドルグループSKE48の9期生として4年間活動し、卒業後は新潟に戻って2024年よりリ「リマリプロダクション」で芸能活動を再開。新発田市観光アンバサダーに就任したのをはじめ、様々な方面で活躍中。趣味はアニメ鑑賞やカフェ巡り、特技はダンス。
——田辺さんがアイドルを目指したきっかけを教えてください。
田辺さん:小学生の頃からダンス教室に通っていたんです。同じダンス教室で仲の良かった子が、新潟に誕生したアイドルグループ「NGT48」のメンバーになって活躍している姿を見て、私もあんなふうに輝きたいという気持ちがあったのと、自分を変えたい、殻を破りたいと思って高校3年生のときにアイドルを目指すようになりました。
——新潟市を拠点に活動している「NGT48」ではなく、名古屋市に拠点のある「SKE48」のメンバーになったのはどうしてだったんですか?
田辺さん:もちろん「NGT48」のメンバー募集にも応募したんですけど、書類選考で落選しちゃったんです。それが悔しくてAKBグループだけではなく坂道グループの合同オーディションまでいろいろ受けて、合格したのが「SKE48」でした。
——めちゃめちゃ頑張ったんですね。合格したときは嬉しかったでしょう。
田辺さん:生まれて初めて嬉し涙を流しました。それまではオーディションのためにダイエットを心掛けていたので、合格した直後には自分へのご褒美としてハイカロリーの高級ハンバーグを食べちゃいました(笑)
——さぞかし美味しかったでしょうね(笑)。「SKE48」としてのアイドル活動がはじまって、どんなふうに感じていました?
田辺さん:初めて経験することの連続で、毎日が刺激的でした。そのせいか、1年目はとても長く感じましたね。
——とっても濃密な1年間だったんでしょうね。アイドルをやってきたなかで、大変だったことってありますか?
田辺さん:ダンス経験はあったんですけど、アイドルのダンスは難しいと感じましたね。特に「SKE48」はがむしゃらなイメージが強かったので、全力で汗だくになって踊るような熱いダンスを求められたんです。ところが私の踊り方では、がむしゃらさを表現しにくかったので苦労していました。
——確かに「SKE48」は、激しさやストイックさが感じられるグループですよね。
田辺さん:ダンスだけじゃなくて、テレビ番組の企画でもムチャ振りで根性を求められることが多かったですね。サソリを食べたり、川に入ってどれだけ面白いレポートができるか挑戦したりしました(笑)
——まるで厳しい修業のようですね(笑)。ではアイドルをやっていて良かったと思うのは、どんなときですか?
田辺さん:頑張ってきたことが結果に結びついたときです。特に自分でも自分の頑張りを認めることができて、ファンの方々にも喜んでいただけたら最高ですね。ファンの存在は心の支えでした。卒業前の握手会では、特別に時間外の当日券を用意してもらったんですが、それを知ってわざわざ沖縄から駆けつけてくださった方までいたんです。
——「SKE48」を卒業したのは体調不良が原因だったと聞いています。
田辺さん:それもありましたが、アイドルとしてやりたかったことはやり切ったという思いもありました。だからその後に芸能活動を続けるつもりはなくて、1年くらいアパレル関係や女性専用ジムの仕事をしていたんです。
——それなのに、新潟でタレント活動を再開したのはどうしてなんでしょう?
田辺さん:アイドルとしての経験を生かして、地元の新潟で人のためにできることはないかと考えるようになったんです。私には障がいを抱えた兄がいるので、そうした人たちが生き生きと暮らせるようなお手伝いをしたいという思いもありました。でも何をしたらいいのかわからなかったので、とりあえず発信をしてみようとSNSをはじめたんです。
——ふむふむ。
田辺さん:そしたら予想以上の反響があって、はじめた途端にいくつかの地元テレビ局からご連絡をいただいて。ニュースや情報番組に出演することになり、続けて舞台のお仕事も決まったんです。
——それはすごい。今は新潟のタレント事務所「リリマリプロダクション」に所属しているんですよね。
田辺さん:ある日「リリマリプロダクション」のマネージャーさんからご連絡をいただいたんです。会ってお話を聞いてみたら、芸能活動の他にもこども食堂や海岸清掃、地域活性といった取り組みが、私のやりたかったことにマッチしていましたし、何よりも楽しそうでワクワクしたので一緒にやってみたいと思いましたね。
——そうだったんですね。今後はどんな活動をしていきたいと思っていますか?
田辺さん:昨年から新発田市の観光アンバサダーを務めさせていただいているので、新発田市はもちろん新潟県のことを多くの方々に発信していきたいですね。そして、新発田市……いや、新潟県といえば「田辺美月」を思い出してもらえる存在になりたいです(笑)
——ぜひ新潟の顔になっていただきたいです。ちなみに、新発田市の観光アンバサダーとしてオススメのスポットがあったら教えてください。
田辺さん:うーん……たくさんあって迷っちゃうんですけど、ひとつ挙げるとすれば「五十公野(いじみの)公園」でしょうか。6月に入ると300品種60万本の「あやめ園」が楽しめますし、冬になると白鳥が飛来する「升潟」もあります。個人的には2kmにわたる駅前の商店街をぶらぶら散策するのも好きなんです。老舗から新店まで色々なお店を紹介していきたいですね。
——そうした新発田市の魅力は、SNSを通して発信しているんでしょうか?
田辺さん:はい。発信すると県外のファンが訪れて、聖地巡りをしてくださるんです。私が見つけた素敵な場所へ実際に足を運んでくれて、新潟県や新発田市に来るきっかけになれることがとても嬉しいですね。
——観光アンバサダー以外では、どんなことに取り組んでいきたいですか?
田辺さん:障がい福祉や環境問題にも、皆さんと一緒に学びながら取り組んでいきたいですね。
リリマリプロダクション
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