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古民家や空き店舗を蘇らせて、まちづくりに挑む「teamりのべる」。

南魚沼といえば魚沼産コシヒカリの産地として知られ、スキー場でも有名な地域です。ただ、若者の人口は減少し、町のところどころに廃屋の古民家や空き店鋪が目立っています。そんな古民家や空き店鋪をリノベーションして、移住者の定住を図るチームがあるということで、今回は「まちづくり会社 teamりのべる」代表の西潟さんにお話を聞いてきました。

 

 

まちづくり会社 teamりのべる

西潟 健人 Kento Nishikata

1993年南魚沼市生まれ。福島県の日本大学建築学科でまちづくりを学び、古民家や空き店鋪のリノベーションに興味を持つ。南魚沼市に帰ってからは、設計事務所や工務店などに勤めるかたわら「まちづくり会社 teamりのべる」として古民家改修や除雪支援などに取り組んでいる。

 

移住者の抱える問題を解決して、定住につなげたい。

——「teamりのべる」は、どんなことをしている団体なんですか?

西潟さん:南魚沼を中心に古民家や空き店鋪の改修工事、耕作放棄地の開墾、除雪の支援などをしています。

 

 

——建物、農地、そして雪。

西潟さん:この3つは南魚沼市に移住してきた人たちが、必ずといっていいほど抱える問題なんですよ。それを一緒に解決することで、移住してきた人たちの定住につなげたいと思っているんです。とくに最近は新型ウィルス感染症の拡大を受けて、都心から移住してくる人が増えているんです。

 

——西潟さんがこういった活動に取り組むことになったきっかけって、何だったんですか?

西潟さん:僕は福島にある日本大学の建築学科に入学して、まちづくりを専攻していたんですよ。昔からリフォームをテーマにしたテレビ番組の「ビフォーアフター」が好きで、古いものが新しいものに生まれ変わるのを見て感動していました。それで自分でもそんな仕事をしてみたいと思うようになったんです。そのときに大学でやった卒業研究が、自分のその後の運命を変えましたね。

 

——それはどんな実習だったんですか?

西潟さん:福島にあるまちづくりの会社と大学が提携して、元は焼き鳥屋だった空き店鋪をリノベーションする実習でした。すっかり寂れてしまっていたシャッター街が実際に1年で生まれ変わって、活気を取り戻していく様子を目の当たりにして、感動したんですよね。自分がやりたかったことはこれだと思って、地元の南魚沼でも同じ活動ができたらと思いました。

 

——それで「teamりのべる」を立ち上げたんですね。

西潟さん:自分でまちづくりの会社を始めたいと思ったんですけど、リノベーションに必要なスキルがまだまだ足りなかったので、いろいろな会社に勤めてスキルを覚えながら、仕事終わりの夜間とか週末とかのプライベートな時間を使って「teamりのべる」の活動をしています。

 

 

——それはなかなかハードですね。

西潟さん:そうなんですよ。平日は夜中の12時くらいまで、週末は朝から晩まで作業をしているからけっこう疲れますね。でも工事が好きなので、ありがたいことに苦にはならないんですよ(笑)

 

——ちなみに今までどんな会社で働いてきたんですか?

西潟さん:設計事務所をはじめ、工務店、電気工事会社、消防設備会社に勤めながら、リノベーションに必要なスキルをおぼえてきました。この他で自分に足りないスキルについては、そのスキルを持ったメンバーをチームに入れることで補おうと思っています。

 

——なるほど。「teamりのべる」にはどんなメンバーがいるんですか?

西潟さん:大工や電気工事士などいろんな業種の人たちや、インターンの大学生が集まっています。最初は仲間内で始めたんですが、今ではSNSでつながった人たちも参加してくれています。

 

まちづくりは、人のつながりづくり。

——西潟さんが古民家や空き店鋪のリノベーションをするとき、大事にしていることってありますか?

西潟さん:クライアントのライフスタイルを充分理解してデザイン設計するように心掛けています。そのためにも、クライアントと業者という関係の壁を崩して「仲間」になるところから始めるんです。「仲間」として一緒に同じものを作ることで、建物への思い入れや愛着も生まれると思うんです。

 

 

——クライアントとの関係づくりも大事なんですね。そういう意味でも、今まで取り組んだリノベーションで印象に残っているものはありますか?

西潟さん:「柿川亭(かきがわてい)」っていう長岡の油そばの店が印象に残っています。ボロボロだった空き店鋪を数ヶ月かけてリノベーションしたんですけど、思っていた以上の工事になって、工期やコストの問題がどんどん出てきてしまったんです。最後はクライアントも含めて、全員で命を削るようにしてようやく完成させたんですよ。だから完成したときは充実感と同時に寂しさすら感じて、クライアントと握手を交わしたときには感激もひとしおでした。今もメンバーみんなでお店に食べにいって、繁盛しているのを見て嬉しくなっています。

 

——仕事に対する熱意があると、お店への思い入れもひとしおでしょうね。

西潟さん:「teamりのべる」の「team」には、僕たちメンバーだけじゃなくて、クライアントはもちろん地元の人たち全員がチームだという思いがあるんです。地元の人たちにも参加してもらうことで、人と人のつながりができていって、魅力的なまちづくりにつながっていけばいいと思っています。

 

 

——具体的にはどんなふうにつなるんですか?

西潟さん:リノベーションの作業を通じて、普段なら出会うはずのない人同士が知り合いになったり、作業をしている僕たちに地元の人たちが話しかけてきてくれたり、前の物件のクライアントだった方が次の物件ではスタッフとして参加していたり、そういう連鎖反応が、「まちづくり」につながっていくんだと思います。まちづくりっていうのは「人のつながりづくり」なんじゃないでしょうか。

 

——なるほどー。建物や環境を作る以上に、「まち」って、人と人のつながりを作ることが大切なんですね。

西潟さん:そうだと思います。これからは移住者、地元住民、学生などのいろんな人たちが入り交じって、街の魅力を作り上げていくことへのお手伝いができたらいいなと思っています。そんなハブになる場として古民家をリノベーションしたカフェをやってみたいとも思っているんです。そうやって南魚沼に人のスクランブルを作っていきたいですね。

 

 

南魚沼に移住してきた人たちの手助けをするだけじゃなく、住んでいる人たち同士がつながるように、互いの交流が盛んになるように、いろいろなことを考えながら魅力的なまちづくりを目指す「teamりのべる」の西潟さん。「建物はまちの顔。いいまちほど魅力的な顔がたくさんある」と語ってくれました。これからも南魚沼を中心に、素敵な「まち」を作っていってください。

 

 

まちづくり会社 teamりのべる

新潟県南魚沼市原439

070-4380-8796

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