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熱帯魚と昆虫がお出迎えするタイヤ店、村上の「富樫タイヤ商会」。

タイヤショップに、アロワナやヘラクレスオオカブト……? 村上市街の通称・北線沿いにある「富樫タイヤ商会」は、一見ごく普通のタイヤショップですが、事務所内に一歩足を踏み入れると、専門施設でもなければまずお目にかかれないたくさんの珍しい熱帯魚や昆虫が出迎えてくれます。生物の飼育を長年の趣味とする同店の富樫雅貢さんが手掛けているもので、昆虫はこれから展示だけでなく販売もスタート。事務所はそれ以外にも、子ども連れ向けのコーナーなどを新設し、7月1日にリニューアルオープンを迎える予定です。現在着々と準備を進めている富樫さんにお話を伺ってきました。

 

 

 

富樫タイヤ商会 昆虫標本むしみつ

富樫 雅貢 Masamitsu Togashi

1991年村上市生まれ。曽祖父の代、タイヤの黎明期から営む「富樫タイヤ商会」の次代。高校を卒業後、大手タイヤメーカーで営業職など3年間の修業を経て帰郷し家業に入る。長年趣味として続けてきた動物の飼育を本業に活かそうと、事務所内に自宅で飼育している熱帯魚や昆虫などの一部を展示。「昆虫標本むしみつ」として昆虫の飼育・繁殖・標本制作を手掛け、店舗でも販売する。

 

どこに来たのか忘れそう? 熱帯魚が悠々と泳ぎ、昆虫の成虫や標本が所狭しと。

――ごめんください。いきなり失礼ですが、こちらはタイヤショップでいいんですよね?

富樫さん:いらっしゃいませ。安心してください、間違いなくタイヤショップです(笑)。専門店として、タイヤのことならあらゆるご相談に応じます。

 

 

――それにしても、事務所内はまるで昆虫館? 熱帯魚ショップ? のようですね。

富樫さん:はい、すべて私の趣味なのですが、4年ほど前に、熱帯魚の水槽を設置したのが最初です。今回、事務所のリニューアルに合わせ、昆虫の成虫や標本の展示・販売も始めます。今回のリニューアルではそれ以外にも、キッズスペースや駄菓子などの物販コーナーなども新設し、タイヤ交換など本来の目的以外でもご来店いただける、気軽に遊びに立ち寄ってもらえるようなお店にするつもりです。

 

――ここまでだと、タイヤどうこうでなく珍しい魚や昆虫を目的に来店する人もかなり多くなっちゃうんじゃないですか?

富樫さん:それも本望です(笑)。実際、昆虫は販売もしますし、お子様連れでも気軽に利用できるようキッズスペースや駄菓子の販売コーナーも新たに設けましたし。客観的に見て、こういうタイヤショップって入りづらいというか、用事がなければまず来ないじゃないですか。たとえ直接本業の商売には結びつかなくとも、お店の認知度が上がれば、自分としては結果的にはOKだと思っています。

 

――夏休みに入ったら、昆虫見たさ・欲しさにご近所のキッズが大挙して押し寄せそう……(笑)。

富樫さん:もちろん、それも大歓迎ですよ(笑)。

 

生来の飼育好き。かけ離れた趣味を本業のために活用。

――そもそも、こういった取り組みを始めたきっかけは?

富樫さん:さっき言った通り完全に私の趣味の延長なのですが、熱帯魚の水槽を設置した際、周囲から好反応をいただいたことが端緒です。当初は作業を待つ間に少しでもお客様の目の保養や話題作りにでもなればと思って設置したのですが、逆にこれを目的に来店してくれる方も少なからずいらっしゃって。であれば、もっと自分の趣味を全開にしてもいいのかな、と(笑)

 

――ずっと飼育が趣味なんですか?

富樫さん:そうですね。物心ついたときから何かしら飼っていて、何も飼っていない時期はこれまでの人生で修業のため関東に引っ越したときの最初の数カ月くらいですかね。もう本能というか、動いている生物が目に入ると「これ飼えるかな?」と反射的に思っちゃうんですよね。実際に捕まえて飼いますし。

 

――(笑)。これまでの飼育遍歴は?

富樫さん:すいません、自分でも把握しきれていません。魚や昆虫だけでなく、お店には出していませんが両生類や爬虫類も好きです。自宅の6畳一間の自分の部屋はずっと、水槽や飼育容器でいっぱいです。自室はDIYで温室化もしました。少しでもスペースが空くと、すぐに次の何かを飼育してしまいます。常に自分の時間とお金、労力のリミットと相談しているような感じかもしれません。

 

 

――お店に出しているものはほんのごく一部ってことですね……ご家族のご理解は?

富樫さん:親には子どもの頃から、自分の責任でやるのであれば、と温かく見守ってもらってきました。また今は妻子がいますが、自室内で完結させているので、妻からも「ほどほどにね」と言われるくらいですね。心の中では呆れているのかもしれませんが(苦笑)。まぁ、周りに止める人がいなかったのでこうなっちゃっているのかもしれませんね。

 

――飼育方法とかはどうやって?

富樫さん:本やネットで調べたり、知人から聞いたりもしますが、採取地や生息地の環境を徹底的に調べて、どういう環境が最適なのかを考え、経験や器具を駆使して飼育法を編み出しています。だから、というわけではありませんが、飼っていた生物の死はどれほど長くやっていてもまったく馴れませんね……。そもそもが自分のエゴで自然から隔離して飼っているわけなので、たとえ天寿をまっとうしたのだとしても、「俺のせいで、ごめん」という気持ちになります。いくら数がいても、長くやっていても、関係ありません。こればっかりはいつも悲しいです。

 

50種類もの昆虫を展示販売。地域の元気にも貢献を。

――昆虫は展示だけでなく、販売もするんですね。

富樫さん:はい。店舗には生体と標本あわせて50種類くらいの昆虫を展示販売しています。

 

――このたくさんの標本は、すべて自作?

富樫さん:はい、そうです。実はイベント出展時にお声がけいただいたのが縁で、お隣の胎内市にある「胎内昆虫の家」でも私の標本を並べてもらっています。

 

――このへんではまず捕れなさそうな、海外の珍しい種類のものもいますが?

富樫さん:個人輸入だったり、自家繁殖させたりしたものです。例えばこのヘラクレスオオカブトもうちで繁殖させたものですね。ちなみに、あくまで趣味の延長でやっているので、価格に「工賃」はほぼ乗せていないため、一般的な相場よりも安いと思います。

 

――今後の展望を教えてください。

富樫さん:本業はあくまでタイヤなので、自分の趣味が少しでも本業の助けになればと思っています。昆虫は多数取り揃えていますので、みなさまぜひ本物を見に来てください! また、今回のリニューアルでは昆虫やキッズスペースだけでなく、ドライフラワーや木工品、飼育用のおがくずなど、地元のほかの事業所の商品も店頭で販売していこうと思っています。地域がちょっとでも元気になれば嬉しいです。また、地元に同好の士が増えればいいなと思っていますので、生物の飼育についてご相談などがあれば、ぜひお気軽にお越しください!

 

――本日はリニューアル準備中のお忙しい中、ありがとうございました!

 

 

<リニューアルオープン記念>

7月1日(木)午前9時から、ヘラクレスオオカブト、ギラファノコギリクワガタの各幼虫50匹ずつ、計100匹を無料で進呈。飼育ケース、飼育マニュアル付き。1人1匹、先着順でなくなり次第終了、来店での手渡し限定。

 

 

富樫タイヤ商会
〒958- 0876 村上市塩町12-11
TEL0254-52-2659

昆虫標本むしみつ
TEL080-6724-5355

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