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地域の人たち自身で地域を継続させるために。魚沼の集落支援員・佐藤さん。

  • その他 | 2023.02.27

集落の課題解決や活性化を目的に、住民同士の話し合いの促進や声かけなどを行う「集落支援員」。県内各地に支援員が設置され、それぞれが担当する地域で活動しています。地域が違えば、取り組む課題や日々の活動もいろいろ。今回お話を伺ったのは、魚沼市の集落支援員・佐藤さんです。拠点である魚沼市役所にお邪魔して、佐藤さんが支援員になった経緯や現在の活動、担当している地域のことについてお話を聞いてきました。

 

 

佐藤 静香 Shizuka Sato

1988年魚沼市生まれ。長野県の大学を卒業後、魚沼市へUターン。市の臨時職員として1年間環境調査の仕事をした後、集落支援員になる。休日は魚沼の景色を眺めながら、散歩やトレッキングなどを楽しんでいる。

学生時代の実習で興味を持った、地域づくりに関わる仕事。

——本日はよろしくお願いします。市庁舎から真っ白な山が近くに見えて、すごく綺麗ですね。

佐藤さん:魚沼は四季がはっきりしているので、季節の変化をよく感じられるんですよね。冬は「雪多いな~」みたいな(笑)。そういうところが好きです。

 

——お米もお水も美味しいですしね。ところで、佐藤さんはいつから集落支援員に?

佐藤さん:今年で11年目くらいですね。気づいたら長くなってしまいました(笑)

 

——長いんですね。どんなきっかけで支援員になられたんでしょうか。

佐藤さん:長野の大学を卒業した後、魚沼市に戻ってきてから1年間だけ、市の臨時職員として環境調査の仕事をしていました。そこで職員さんから勧められて、この仕事に応募したんです。

 

——大学在学中から、魚沼へUターンすることは決めていたんですか?

佐藤さん:特に決めていたわけではなかったんですけど、「地域づくりに関われたらいいな」とはちょっと思っていました。ただ、就職先にそういうところがなかなかなくて。そんなときに集落支援員の制度を紹介してもらって、受けてみたっていうところです。

 

——大学でも地域づくりに関する勉強をされていたんですか?

佐藤さん:そうですね。調査のために各集落を回って、一軒一軒聞き取りをして、地域の人たちの声をまとめて発表するという活動をしていました。そういう経緯を生かせればいいなと思って、やってみたというところもあります。

 

 

——大学の頃の経験から、集落の支援に興味を持ちはじめたんですね。

佐藤さん:そこに住んでいるとなかなか気づかないことってあるんですよね。だけどちょっとしたきっかけがあることで、地域の人が頑張れるというか、やれるようになるのかなって感じたんです。何も私に技とかがあるわけではないんですけど、ちょっとした声かけとかを通じて、地域の人たちを応援できたらいいなって思いました。

 

——その地域に住む人じゃないからこそ気づけることや、手助けできることがあるんですね。

佐藤さん:それに学生のときは車移動ができなかったので、魚沼市の中でもぜんぜん知らない場所がたくさんあって。集落支援員になったら、いろんな地域や人を知れるのかなと興味があったんです。

 

——学生の頃は地元でも知らない場所って多かったですよね。支援員になられてから、最初の頃はどんな活動を?

佐藤さん:魚沼市には「コミュニティ協議会」っていう地域づくり団体が各地域にあるんですけど、まずはそこの会議に参加させてもらって、地域を知っていきました。集落とかもぜんぜん分からなかったので、まずは地名や場所を覚えるところからはじめて、ちょっとずつ馴染めるようになっていきました(笑)

 

——確かに、最初は集落とかその地域のことを覚えるのが大変そうですよね。

佐藤さん:そうですね。集落が多い地域もあるので、ひとつずつ覚えていきました。地名を覚えると、地域の人たちの話を聞いていても「ああ、あそこの話をしているんだ」って分かるようになってくるんですよ。

 

自分たちの地域を、自分たちの力で継続していくための支援。

——今はどんな地域でどんな活動をされているんですか?

佐藤さん:私は湯之谷地域を担当しています。そこには3つのコミュニティ協議会があって、その支援として会議やイベント、活動とかに参加させてもらって、話し合いの促進をしたり、様子を見に行ったりしています。

 

——ちなみに会議ではどんなことを話し合うんでしょうか。

佐藤さん:各コミュニティ協議会の活動の進捗とか、年間計画に沿って、次に行われるイベントの事前準備とか、その内容の打ち合わせとかですね。あとは5年に1度の地域振興計画の策定があって、次の5年で地域をどうしていくかを話し合って、計画を立てています。

 

 

——5年先の地域づくりを考えているんですね。佐藤さんが担当している地域は、どんな地域なんですか?

佐藤さん:気になる課題があれば、自分たちで解決していっている地域なのかなって思います。地域の人たちってすごくって、いろんなことを知っているんですよ。私は大学を出てすぐに支援員になったので、経験もあまりなかったんですけど、地域にはいろんな職業の人がいるし、できることがいっぱいあるんですよね。

 

——じゃあ、佐藤さんは会議などでちょこっとアドバイスをするみたいなことを?

佐藤さん:そうですね。「足した方がいいかな」っていうことがあれば、「こんなのがあったらいいかもしれないですよ」くらいの雰囲気で情報を渡してみるっていう感じです。

 

 

——あくまでも地域の人たちの行動を促す立場なんですね。

佐藤さん:地域の人たちにはできるだけ自分たちで課題に気づいてもらって、私たちはそれを解決するためのサポートをしているというか。自分たちの地域を自分たちの力で継続していけるように、お手伝いをしています。

 

——地域の未来を長い目で見た支援をされているんですね。

佐藤さん:例えば事務関係で気になっていることがあれば、「誰かできる人、いないですかね」って投げかけたり、解決できる人を地域の人たちと一緒に探したりするように心掛けています。地域の中に解決できる人が絶対にいるはずなんですよ。そうすると、地域に参画する人たちが増えていきますしね。

 

地域の人たちが楽しく過ごすためのお手伝いを続けていきたい。

——長年集落支援員をされていますが、やりがいを感じるのはどんなときですか?

佐藤さん:地域の人たちが楽しそうにしている姿を見たときは、「いいな」「やっていてよかったな」って思いますね。

 

——それは地域のイベントとかで?

佐藤さん:それもそうですし、和気あいあいとしている会議になったときとかに思いますね。「自分の生活もありながら、地域のことを考える人たちがこんなにいるんだな」って、感動するというか。

 

——地域の会議がそれほど盛り上がるって素敵ですね。

佐藤さん:「地域をこうしていきたい」と真剣に語る人がいたり、イベントを企画する会議にも「子どもたちに喜んでもらうためにはこうしたらいいんじゃないか」ってアイデアを出す熱いお父さんがいたり。そういう会議での話し合いがどんどん積み重なって、ひとつのかたちになっていくんですよね。

 

——支援員として活動する佐藤さんの今後の目標を教えてください。

佐藤さん:人口減少とかいろいろな問題がありますけど、これからも魚沼の人たちが地域で楽しく過ごすためのお手伝いや、支援ができたらいいなって思います。

 

魚沼市役所

新潟県魚沼市小出島910

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