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普段の暮らしにぴったり寄り添う雑貨とオーダー家具の店「seats」。

新発田市街と月岡温泉を結ぶ国道290号線にある、雑貨とオーダー家具のお店「seats(シーツ)」。普段の生活の中でこんなものがあったら便利だな、素敵だな、と思えるアイテムがたくさん揃っています。例えば収納時にかさばらないサイズのトレーや、肌触りがよくて足首を締めつけない靴下。今回は「seats」を営む石井さんに、雑貨類を選ぶポイントやお店のことなど、いろいろとお話を聞いてきました。

 

seats

石井しのぶ Shinobu ishii

1974年山形県生まれ。仙台にある建築・インテリアの専門学校を卒業後、建材の専門メーカーへ就職。23歳のときに結婚し、新発田市に移住。ご主人の家業である内装業に携わり、その後、新発田市内の雑貨店勤務を経て、2006年に「seats」をオープン。

 

日常のワンシーンが頭に浮かぶ雑貨類を揃える。

——事前に「seats」のホームページを見てきたんです。それで「暮らしの雑貨」という言葉が気になりました。「暮らし」に何かポイントがあるのかなって。

石井さん:器やトレー、アクセサリー、お洋服、紙雑貨などいろいろなものを扱っているんですけど、どれも「普段の生活に馴染むこと」を大事にしています。「このお皿にあの料理を盛り付けたいな」とか、「このタオルの手触り、お風呂上がりに気持ちよさそう」とか、そんなふうに日常のワンシーンが想像できるものが、長く大切に使えるものなんじゃないかな、って思うんですよね。

 

——なるほど。そうすると、どんなポイントで商品のセレクトをするんですか?

石井さん:う〜ん、「これはよさそうだな」という勘でしょうか(笑)。あとはシンプルで使い勝手がいいもの。お店をはじめたばかりの頃は木工雑貨が多めだったんですけど、徐々に暮らしに取り入れやすい和食器や、お友達の作家さんが作ったアクセサリー、紙雑貨も扱うようになりました。だんだんと商品の種類は増えていったかな。

 

家具工場と隣接する雑貨店。「直産市場」みたいな信頼感を。

——オーダーメイドの家具屋さんが隣接しているそうですね。

石井さん:主人が家具職人で、隣は家具工場なんです。「seats」でもオリジナルの木工雑貨を扱っていますよ。「こんなのがあったらいいな」というものをかたちにすることが多いです。

 

——例えば、どんなものを?

石井さん:今お店にあるものだと、使いやすい小さめサイズのトレー。自宅で使うお盆を探していたんですけど、持ち手が大きすぎたり、素材が好みじゃなかったり、なかなか欲しいものが見つからなかったんです。それで「じゃあ、自分たちで作っちゃえ」って。軽くて収納するときもかさばらないように仕上げました。

 

 

——いろんな工夫がされているんですね。他にもオリジナルはあるんですか?

石井さん:最初に作ったオリジナル製品は、木製のフレームでした。海外のインテリア雑誌なんかを見ると、壁にたくさん絵画や家族の写真が飾ってありますよね。でも、日本だと壁に何かを飾ることって少ないし、そもそも「何を飾ったらいいの?」って困っちゃうと思うんです。それで単体でも飾れるし、アレンジも簡単にできるフレームがあったらいいな、って考えたんです。フレームだけでも壁のアクセントになるし、ポストカードやドライフラワーを一緒に飾ってもいい感じになります。棚に置いて壁に立てかけるようにしてもいいですよ。

 

——雑貨屋さんと家具工場が一緒になっているメリットはありますか?

石井さん:やっぱりオリジナル製品が作りやすいことですね。あとは、すぐ隣の家具工場で作った木工雑貨を「seats」で扱っているから、産直市場みたいな信頼感があると思うんです。修理にもすぐに対応できますしね。「鰻屋さんや焼き鳥屋さんの煙と匂いに誘われる」みたいに、「この辺りで何か作っている音がするぞ」って気にしてもらえることもありますよ(笑)

 

お気に入りを、お客さんと共有する喜び。

——お店は新発田市街からちょっと離れたところにありますよね。

石井さん:ここは義父の代からあるスペースなんです。主婦の感覚だと、お店のためにどこかに場所を借りるってすごくハードルが高くて。それでここに店舗を設けました。街の中心部ではないから、雑貨屋がなかったら誰もまったく気に留めない場所ですよね。でもここにいると、ニノックスのゲレンデに雪が降ったとか、田んぼの色が変わってきたとか、季節を感じることができるんですよね。年齢を重ねて、だんだんとこの場所が気に入ってきました。

 

 

——お店のファンも多いんでしょうね。

石井さん:いちばん嬉しいのは、お客さまが何度も来てくださること。「この前買ったあれ、よかったよ」って私に伝えに来てくださるんですよ。扱っているものは、私が「いいな」と思っているものばかりなので、それを気に入ってもらえて、しかも感じたことも共有できるなんて嬉しいですよ。

 

——これからはどんなことを考えていますか?

石井さん:年齢を重ねて、外に出たり、人と話したりすることの大切さを実感するようになりました。でも特に行きたい場所がないときってありますよね。そんなときに「じゃあ、今日は『seats』に行こう』って思われる場所になりたいな、と思っているんです。ものを売るだけじゃなくて、必要とされる場所になる感じでしょうか。お店には、何かを創作している人がいてもいいし、お茶を飲んでいる人がいてもいいし。子どもからお年寄りまで自然と誰かが集まってくる。そんな場所になっていったらいいのかな。

 

 

 

seats

新発田市荒町954-1

TEL:0254-23-5986

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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