Things

東堀通にオープンした「やなぎと風と」の新潟風チキンライス。

「チキンライス」というと、多くの人はオムライスのベースになる、鶏肉とご飯をトマトピューレやケチャップで炒めたものをイメージするのではないでしょうか? ところが「チキンライス」という料理は、世界各地にいろいろな食材やレシピのものがあるんです。今回は東堀通にオープンした「やなぎと風と」にお邪魔して、オーナーの中野さんからお店をはじめたいきさつや、チキンライスのこだわりについてお話を聞いてきました。

 

 

やなぎと風と

中野 彰 Akira Nakano

1974年新発田市生まれ。東京の大学を卒業し、ファミリーレストランチェーン、出版社、IT企業などで働き、2024年に新潟市中央区で「やなぎと風と」をオープンする。旅行が趣味で台湾には100回くらい行っている。

 

IT企業から脱サラして、チキンライスの店をオープン。

——「やなぎと風と」という新潟らしい風情を感じさせる店名なのに、チキンライスをメインにしたお店なんですね(笑)

中野さん:地元の食材を使った新潟らしいチキンライスを提供したくて「やなぎと風と」と名付けたんですよ。

 

——中野さんは今までどんな飲食店で修業を積んできたんですか?

中野さん:大学卒業後にファミリーレストランチェーンで3年間働いて以来、今まで飲食店で働いた経験がなかったんです。

 

——えっ、そうなんですか。では、今までどんなお仕事をされてきたんでしょうか?

中野さん:ほとんどをIT企業で働いてきました。東京都内のIT企業でソフトウェアのテストや生産管理を10年間やって、一度出版社で働いた後、中国や福岡でコミュニケーションアプリ「LINE」の仕事に携わっていました。

 

 

——「LINE」の会社で働いていたんですね。でも、新潟に帰ってきたのはどうしてなんですか?

中野さん:父が亡くなって母がひとりになったこともあり、リモートでできる仕事だったので2年前に新潟へ帰ってきたんです。でも、その頃にはもう脱サラして自分で店を開業するつもりでした。

 

——そうだったんですね。チキンライスメインのお店にしようと思ったのは、どうしてなんですか?

中野さん:私の好きなチキンライスの味を、新潟の皆さんにも食べてもらいたかったからです。

 

 

——中野さんは、いつ頃からチキンライスが好きだったんでしょう?

中野さん:25年前にシンガポールで食べたチキンライスの美味しさに感動したんです。それからは世界各地を巡ってチキンライスを食べて回ったり、自分でその味を再現してみたりしていました。そうしているうちに、それぞれの土地ごとにチキンライスの味があることを知ったんです。

 

——へぇ〜、そういうものなんですね。

中野さん:そうなんですよ。だから僕も地元の食材を使って、新潟でしか食べられないような「新潟チキンライス」を提供したいと思っているんです。

 

新潟の食材にこだわってつくる「新潟チキンライス」。

——もしかして、中野さんが新潟で暮らすのはかなり久しぶりなのでは?

中野さん:そうなんです。若い頃はとにかく新潟から離れたいと思っていました。でも世界各地の国々を旅行してみて、どの国や土地にも悪いところもあれば良いところもあることに気づいたんです。新潟にも離れてみて改めて気づく魅力がありました。

 

——店内はお洒落な内装ですけど、ご自分で考えたんでしょうか?

中野さん:あんまりスタイリッシュになり過ぎないよう、アットホームで居心地の良い空間を意識して考えました。実家の近所に住んでいる75歳くらいの設計士さんにお願いして、やはり70歳過ぎの大工さんと3人で内装をつくったんです。デザインワークはいとこが担当してくれました。親戚や地元の人達がこんなに応援してくれると思わなかったので、その温かさに触れられて感謝しています。

 

 

——なんだかほっこりするお話です。チキンライスは大きく分けて2種類あるようですね。

中野さん:「揚げチキンライス」と「蒸しチキンライス」のふたつです。「蒸しチキンライス」は鶏の肉汁からつくるグレイビーソースをかけて召し上がっていただきます。

 

——美味しそうですね。では、チキンライスのこだわりを教えてください。

中野さん:もともと独学でつくってきたので、こだわりというほどでもないかもしれませんが、お米は叔父がつくっているコシヒカリ、鶏肉は「鳥半商店」さんから仕入れている鶏胸肉を使っています。新潟らしいチキンライスを追求していきたいですね。だから「海南チキンライス」や「カオマンガイ」のイメージで食べに来られると困っちゃうんです(笑)。できれば「鶏ご飯」を食べる気持ちで、ご来店いただきたいですね。

 

 

——では「やなぎと風と」をどんなお店にしていきたいと思っていますか?

中野さん:この店を通じて、新潟のことを今まで以上に好きになってもらえたら嬉しいですね。その上でコミュニティが生まれるような場所になってほしいと思っています。それからチキンライスやアジアン料理以外にも、世界各地の料理を新潟らしいアレンジでつくっていきたいと思っているんです。もっと「美味しくなった」と言われるよう精進していきたいですね。

 

 

 

やなぎと風と

新潟市中央区東堀前通9番町1381

11:00-17:00(金土曜は20:00まで)

火曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP