新津商店街のフルーツ専門店「フルーツ&ギフト やまいし」。
食べる
2020.07.15
フルーツだけじゃなくスイーツやドリンクも楽しめる店。
スイカやメロン、桃、ぶどう…。様々なフルーツが食べられる季節になりました。新津商店街にあるフルーツ専門店「フルーツ&ギフト やまいし」の店頭にも、美味しそうなフルーツが山のように並べられています。こちらのお店ではフルーツをそのまま買うだけではなく、スイーツやドリンクとしても楽しめてしまうんです。今回は店主の石月さんにお話を聞いてきました。


フルーツ&ギフト やまいし
石月 勝 Masaru Ishizuki
1971年新潟市秋葉区生まれ。大学卒業後、新潟市内の青果卸業者で3年間修行を積み、実家の「フルーツ&ギフト やまいし」に就職、現在は代表を務めている。好きな食べ物はカレーライスとコロッケ、趣味はゴルフ場での芝刈りと穴掘り。
最初は新津の市場で野菜や果物を売っていた?
——さっそくですがお店の歴史を教えてください。ずいぶんと昔からやってらっしゃるんですか?
石月さん:私のおじいさんが70年以上前に始めたそうです。当初は店舗を持たずに、新津に立つ「一六市(いちろくいち)」に出店して、仕入れた野菜や果物を売っていました。その後、昭和37年に新津で最初のスーパーマーケット「にいつフードセンター」がオープンすると、その全店舗内で青果のテナント営業を始めたんです。
——市場からスタートしたんですね。テナントではなく独立した店舗として営業を始めたのはどうしてなんですか?
石月さん:「にいつフードセンター」も人材が育って、自分たちだけで青果部門をやれるようになったんです。ちょうどその頃に、婿に来た私の父が母と一緒に果物専門店として店舗営業を始めたんですよ。当時、母は八百屋の手伝いをしたことはありましたが、父はずっと公務員だったので、ほとんど素人みたいな2人がお店を始めたようなもんだったんです。
——じゃあかなり大変だったでしょうね。
石月さん:最初は全く売れなかったみたいですね。でも、少し安く売ったり、おまけに果物を一つサービスしたりして、少しずつお客さんが増えていったそうです。
——いろいろと工夫をしたんですね。石月さんは大学を卒業されてから、すぐに家業を手伝ったんですか?
石月さん:実は埼玉のスーパーに就職が内定してたんです。でも父の口車に乗ってしまい(笑)、新潟にある青果卸業の会社で修行することになりました。青果の販促をしたり、いろんなお店の売り場を回ることができてとても面白かったし、勉強になりましたね。八百屋さんや生産者とも仲良くなれたので、その経験は大変プラスになったと思ってます。

フルーツを選ぶ基準と、シーズンごとのおすすめ。
——美味しそうなフルーツがたくさん並んでますね。石月さんがフルーツを選ぶ基準って何ですか?
石月さん:鮮度、熟度、甘さ、風味、産地かな…。たとえばイチゴとかスイカとかは早いほうがいいので鮮度を重視します。でもメロンとかル・レクチェとかはある程度経ってから旨味が増すので熟度が大事なんです。ただ同じ品種でも個体によって状態が様々だから、なかなか見極めは難しいですね。だからこそ、お客様の感想や意見は大変参考になります。
——では石月さんおすすめのフルーツを教えてください。
石月さん:これからの季節だと桃がおすすめですね。中でも「日の出」っていう品種がイチオシです。山梨の「白鳳(はくほう)」が枝変わりして生まれた新潟オリジナルの品種なんですよ。とにかく柔らかくてジューシーなのが魅力なんですが、柔らかいだけに傷みやすくて取り扱いが難しいんですよね。私は熟して少し潤んできたくらいのものが好きです。
——なんだか聞いてるだけで美味しいのがわかりますね。桃の他におすすめはありますか?
石月さん:やっぱりスイカでしょうかね。7月上旬は新潟市の赤塚で栽培されているものを中心に置いています。8月からは「八色スイカ」が出始めますね。大和の八色原で作られたのが原点で、現在は魚沼周辺でも盛んに作られていますね。山地なので寒暖差が激しく、糖度が増して食感もシャキッとしてるんですよね。
——夏以外の季節はどんな果物がおすすめですか?
石月さん:春はやっぱりイチゴですよね。新潟だと「越後姫」。生産数が少なくて県外にはあまり出回っていないです。秋は「実りの秋」っていうだけあって、たくさんフルーツがありますよね。中でもおすすめは梨です。「あきつき」は「豊水」「新高」「幸水」っていう3つの梨を掛け合わせてできたもので、形がいい上に日持ちもして、甘みがあって食感もいい梨です。冬はル・レクチェ。フランス原産の梨を新潟市南区の小池さんが栽培したのがルーツで、その原木はまだ農園にあるんですよ。果肉が滑らかでツルッとした食感も楽しめます。独特の芳香と甘みがあって美味しい洋梨ですね。

フルーツを使ったおしゃれなスイーツやドリンク。
——ところでこちらのお店ではフルーツジュースが人気ですよね?
石月さん:3年前からフルーツを使った生ジュースの販売を始めたんです。オレンジやグレープフルーツをそのまま器にした「カジュッタ生ジュース」は、真ん中をくりぬいた穴から機械を差し込んで、その中の果肉を撹拌して作るんです。搾りたてだから新鮮で栄養も満点ですよ。その他に「メロンジュース」「ミックスジュース」といったグラスで提供する生ジュースやスムージーもご用意しています。「カジュッタ生ジュース」を作ってみたので味見してみますか?

——おお!フルーツをそのまま飲んでいるような感じですね!余計な甘みがない、純粋な美味しさを感じます。他にもフルーツを使った加工品ってあるんですか?
石月さん:今年の5月から「フルーツサンド」を売っています。新型ウィルスの影響もあって、買って帰って家で食べられるようなものを作ろうと始めてみました。最初はコッペパンにフルーツをサンドして提供したんですけど、途中で食パンに変えたら評判が良くてたくさん売れるようになりました。中にサンドするフルーツは、イチゴ、メロン、バナナ、ブルーベリー、キウイ、オレンジっていうように季節ごとに変わります。

美味しいフルーツを提供し信用してもらえる店に。
——今後やってみたいと思っていることってありますか?
石月さん:新型ウィルスの影響でイベントがなくなってますよね。状況が落ち着いてイベントが再開したら、積極的に出店してフルーツサンドや生フルーツジュースを販売したいと思ってます。あと向かいの「にいつフードセンター」が閉店して、近所の人たちが野菜を買えなくなって困っているので、できる範囲で、野菜の販売もしていけたらと思っています。とにかく美味しいフルーツを提供して、お客様に信用していただける店になるよう、これからも努力していきたいですね。

取材の間もお客さんの応対からフルーツの管理まで、忙しく動き回っていた石月さん。「お客様をはじめ、従業員、取引先、家族、いろんな人に支えられているので感謝を忘れず営業したい」という言葉がとても印象的でした。これからも美味しいフルーツでみんなを笑顔にしてくださいね。
フルーツ&ギフト やまいし
〒956-0864 新潟県新潟市秋葉区新津本町3-3-28
0250-23-0397
9:00-18:30(日曜祝日は18:00まで)
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