その昔、昭和の時代はお風呂のない家が多く、夕方になると家族そろって銭湯へ歩いて行ったものです。今となってはお風呂のない家などほとんどなく、自宅で疲れを癒すのが当たり前の時代。でも、たまには銭湯に行ってみませんか? 広い湯船にゆっくりと浸かって、見ず知らずの人たちと裸のコミュニケーション。そんな時間もいいですよね。こんな場所にあったんだ!と意外と知られていない新潟の銭湯をThings編集部が巡ってみました。あたなの町の銭湯、お気に入りの銭湯、きっと見つかるはずです。
新潟市中央区
新潟市中央区沼垂にある「千代乃湯」は、江戸末期から代々続く老舗の銭湯。お風呂は「超音波ジェットバス」「ミクロ気泡風呂」「日替わり薬湯」の3つからなり、近所の常連さんは、とくに「日替わり薬湯」を楽しみに足繁く通っています。熱くて入られないイメージの銭湯ですが、お湯の温度は40~42℃くらい。風呂場裏で薪職人の林さんによって、お客さんが常に気持ちいい温度で入浴できるように湯加減を調整してくれています。
林さんと一緒に風呂場裏をしっかり守っているのは、看板猫のボンちゃん。熱くなるとふらっと外へ散歩に出かけるそうです。地元・沼垂小学校のアイドル的存在でもあり、お風呂で温まった身体を冷ましながら帰路に着けば、もしかしたらお見送りをしてくれるかもしれませんよ。フルーツ牛乳はないけれど、冷えた缶ジュースに、クラシカルな体重計、そしてケロリンの黄色い桶と銭湯の醍醐味がしっかりと詰まった銭湯でした。
銭湯の備品たち
新潟市東区
新潟市東区中山にある「はちのす商店街」。その一角に、昔ながらの大きな煙突がポツンと立っています。その煙突の正体こそ、「金の湯」。昔からの常連さんが朝8時からボランティアで店内の掃除や、開店前からやってくる方の受付までもこなす、地元の人たちに愛されている銭湯です。昭和36年に先代が開業し、それ以降は新潟には銭湯ができていないので、最も新しい銭湯でもあります。
窯場を取り仕切る金子さんは、お風呂を沸かして50年余の大ベテラン。お湯の温度はぬるくても41~42℃、常連さんは熱いお湯を好み43~45℃までだんだんと温度を上げていくそうです。お風呂は「超音波風呂」「水風呂」「スチームサウナ」、そして男湯に「露天風呂」、女湯に「塩サウナ」と充実しています。クルマ社会の新潟人にも優しく、駐車場は3ヵ所(40台)もあり、仕事帰りに寄れちゃいます。
銭湯の備品たち
新潟市東区
早朝8時半から営業をしている「小松湯」は、朝風呂も楽しめる銭湯です。新潟みなとトンネルからも近く、ウォーキングやランニングで汗を流した人たちも多く利用しているそうです。熱いお湯は奥、ぬるいお湯は手前と別れ、40~44℃と、少し高めのお湯ですが、薪を燃料としているため、お湯がやわらかいと評判。しかもかけ流し。常に新鮮なお湯を楽しめるのは最大の魅力です。
写真は看板猫の「トラキチ」です。「小松湯」には昭和31年の創業以来、ずーっと代々看板猫がいるんです。今代は4匹。準備中の店内をうろちょろしたり、敷地内でお昼寝したりしています。おっと、忘れてはいけないお風呂は「遠赤外線風呂」「超音波気泡マッサージ器」「サウナ」、毎週日曜日には生薬風呂「瑞恵泉」、毎月26日(風呂の日)には月替わりで「変わり湯」。お風呂上りには冷えたビールも飲めちゃいます。
銭湯の備品たち