テレビドラマなどでは上流階級の趣味として、お金持ちのお嬢様が楽しんでいるイメージのある乗馬。ちょっとやってみたいなと思っても、ハードルが高いし…そう思っている方も多いと思います。でも、最近では20~30代の若い世代に人気のアクティビティとして注目されています。長岡市寺泊にある「日本海乗馬クラブ」では、周辺の自然環境をフルに活かした乗馬が体験できます。今回は乗馬の楽しみ方、魅力などを取材してきました。
長岡市寺泊にある「日本海乗馬クラブ」は、海と山に囲まれた最高のロケーションが魅力。その自然環境を活かした乗馬体験は、映画のワンシーンみたいに波打ち際を馬に乗って疾走する「砂浜乗馬コース」、マイナスイオンたっぷりな新緑のなかをゆったりと散歩(冬になると雪道でも散歩ができます)する「山道乗馬コース」の2種類があります。イベントなどへ馬の貸し出しも行い、NHK大河ドラマ「天地人」への馬の出演実績もあるほど。全7頭もの洗練られたサラブレッドたちがお出迎えしてくれます。
今回は、2つあるコースのなかから、雄大な自然を感じられる「山道乗馬コース」を体験してきました。ひとりで馬に乗るのは不安ですが、たったひとりで馬にまたがってお散歩するわけではありませんのでご安心を。馬の扱い方や注意点のレクチャー、お散歩は、調教師の方が先導してサポートしてくれます。ただし、「小学生5年生以上、体重80㎏以下の方のみ」というルールがあるので、その点だけご注意ください。
この日は女性2人組が乗馬に初挑戦しました。はじめは未知の乗馬体験に不安もあったようですが、徐々に馬たちとの信頼関係も築け、楽しんでいましたよ。それでは、ゆったりと山中をお散歩する「山道乗馬コース」のスタートです。
まずは準備から。
ブラッシングをして、今日の相棒(馬)をツルっとした毛並みに整えてあげます。操作するとき最も重要な手綱や、人が座る鞍(くら)を装着していきます。この作業は調教師さんが行います。その時に注目してもらいたいのは、馬の動きです。自ら前に出たり、後ろに下がったりと、馬具が楽に付けられるように移動してくれるんです。手綱の使い方次第で右へ左へ、「止まれ!」って言葉を理解するように、やっぱり馬って賢いんですよ。
相棒とファーストタッチ。
馬具の準備が整ったら、しっかりと安全のためにヘルメットをかぶり、馬にまたがってみましょう。子どもや背の低い方でも楽々乗れるように台座を用意してくれます。自転車にまたがる要領で、一気にまたがりましょう。思った以上に目線が高く、普段とは違った視点に感動しますよ。ちなみに格好は動きやすい軽装と靴(スニーカー)がおすすめ。パンツが見えちゃうからスカートはやめようね(笑)。
ここからが本番!ゆっくり操作に慣れよう。
調教師さんが綱を引きながら、山道を一緒に進んでくれます。このときに操作方法を覚えます。「手綱は上げ過ぎず」「止まるときは手綱を引っ張る」「進むときは足で腹部分を蹴る」など、覚えるコトは5つくらいなので、しっかりと話を聞いていれば大丈夫。ゆっくり慣れましょう。もし操作が分からなくなっても、近くに調教師さんがいてくれるのでサポートしてくれます。
雄大な自然と馬とのシンパシーを感じよう。
パカラ、パカラと馬の揺れに合わせながら、身体のちからを抜いて自然体を意識します。右へ左へと自由に操作できるようになったら、もう馬と一体になれた証拠。ゆっくりと山中の自然を見て楽しんだり、馬の足音に耳を傾けながらゆったりとした時間を満喫しましょう。
折り返し地点に到着したら、休憩タイム。青々と生い茂る草を食べさせてあげます。その姿は愛くるしく、とっても和む時間でもあります。ちょっと目線を上げれば高台からの景色も観られるので、忘れずにチェックしてくださいね。天候が良いと佐渡ヶ島まで見渡せるそうですよ。
休憩タイムが終わったら、来た道を戻ります。帰りは下り坂なので後方に体重を乗せると安定。これポイントです。馬を歩かせながら、サラッと長いタテガミになめらかで綺麗な毛並み、引き締まった筋肉。馬の魅力をゆっくりと堪能します。さてそろそろ往復約45分のお散歩も終盤です。
乗馬体験が終了。最後はありがとうを伝えよう。
厩舎に戻ってきたら、これでおしまい。今日の相棒(馬)と調教師さんに「ありがとう」を伝えましょう。馬を優しくなでていると顔を寄せて擦りつけてくれたり…キュンとしちゃいますね。仲良くなった馬と一緒にハイポーズ!写真でも思い出を残しましょう。
「はじめは怖かったけど、馬はとっても優しく穏やかで安心しました。声をかけると反応してくれたり、はじめて会ったとは思えないほど信頼関係が築けたと思います。自然のなかをゆっくりとお散歩する時間はとっても安らかで、馬と呼吸を合わせてゆったりとした時間は貴重な体験でした。また会いに来たいです!」
この日、乗馬体験の案内をしてくれたのは、「日本海乗馬クラブ」の調教師・五十嵐さん。大名行列の馬や、神社での流鏑馬(やぶさめ)の馬など、イベントの出演出馬の調教もこなし、「砂浜乗馬コース」、「山道乗馬コース」の案内もしてくれます。そんな五十嵐さんに乗馬の魅力をうかがいました。
――「日本海乗馬クラブ」の魅力って何ですか?
五十嵐さん:普段の生活で馬と接する機会ってないじゃないですか。犬や猫のように家庭でペットとして飼えるわけではないので。だから、馬とのコミュニケーションが取れるのがまずひとつの魅力ですね。
――そうですよね。テレビ番組や競馬などでは目にはしますが触れ合うことはなかなかできないですよね。
五十嵐さん:そうなんですよ。なので間近で見られるだけでも貴重な体験です。そして、乗馬ができるのは一番の魅力ですね。
――海と山で乗馬が体験できるなんて珍しいですよね。
五十嵐さん:ありがたいことに恵まれた立地ですからね。ほとんどないと思いますよ。どちらの乗馬体験にしろ、日常生活からかけ離れた体験ができるので、乗らなきゃ損ですよ(笑)。
――自然が豊かでリフレッシュもできますもんね。
五十嵐さん:ただただ敷地内のフィールドで乗るのではなく、自然のなかで乗馬を体験してもらえるのが、うち(日本海乗馬クラブ)の最大の魅力だからね。ゆっくりと馬に揺られて、日常の疲れを癒してください。
日本海乗馬クラブ
新潟県長岡市寺泊円上寺828
0258-41-6827