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カジュアルなデザインと豊富なカラーが魅力のニットブランド「CLEMATIS」。

寒い冬のお洒落着として、温かいニットは欠かせないアイテムのひとつです。今回お邪魔した五泉市のニットメーカー「株式会社アークリード」は、寒い秋冬はもちろん暖かい春夏のシーズンにも活躍する「CLEMATIS(クレマティス)」というオリジナルブランドのニットアイテムを手掛けています。いったいどんな製品なのか、常務取締役の鈴木さんにお話を聞いてきました。

 

 

株式会社アークリード

鈴木 泰美 Yasumi Suzuki

1968年新潟市秋葉区生まれ。18歳から五泉のニット業界で働く。2006年に「有限会社大橋」に就職し、2018年に「株式会社アークリード」を設立して常務取締役に就任する。K-POPにハマっている。

 

オリジナルブランド「CLEMATIS」が生まれたわけ。

——鈴木さんは、いつ頃からニット業界で働いているんでしょうか?

鈴木さん:18歳からずっと五泉のニット業界で働いてきました。38歳のときに20年間働いてきた会社が廃業してしまったので、それからは「有限会社大橋」という老舗ニット会社で働きはじめ、2018年に「株式会社アークリード」として分社したんです。

 

——じゃあもうニットの大ベテランですね。「株式会社アークリード」では、どんな仕事をしているんですか?

鈴木さん:現在は常務取締役として「有限会社大橋」の頃から続けてきた生産管理の他に、経理や人事なんかも任されています。自社ブランド「CLEMATIS」はプロダクトディレクターとして携わっているんです。

 

 

——自社ブランドの「CLEMATIS」というのは、どのように生まれたんですか?

鈴木さん:コロナ禍の影響で100あった仕事が0になってしまい、廃業するかどうか迷ったんです。でもスタッフ達のことを考えてなんとか続けていこうと道を模索して、防護服や福祉施設のマスクをつくったりして一時はしのいでいました。

 

——コロナ禍はファッション業界にも大きな影響を及ぼしていたんですね。

鈴木さん:でも、その期間は少し時間の余裕ができたこともあって、「新潟直送計画」や「KITAMAE(キタマエ)」などの運営に携わっている「Cunel work(クーネルワーク)」さんにご協力いただきながら、オリジナルブランドの開発に取り掛かることができました。

 

 

——どうしてオリジナルブランドを開発しようと思ったんですか?

鈴木さん:それまで取り組んできた他社ブランドの製造に頼るだけではなく、自社のオリジナルブランドでも勝負したいと思ったからです。

 

——なるほど。「Cunel work」さんには、どのような面を協力してもらったんでしょうか?

鈴木さん:ロゴやグラフィックなんかのブランディング面や、マーケティング支援でご協力いただいているんです。ですから「CLEMATIS」の製品は「新潟直送計画」と「KITAMAE」で販売させていただいています。

 

オリジナル製品に生かされている老舗の技術。

——「CLEMATIS」というのは、どんな特徴を持ったブランドなんですか?

鈴木さん:メインアイテムの大判ストールでは、若い世代も含めた幅広いユーザーを意識した、カジュアルなデザインと豊富なカラーバリエーションが特徴です。「リバーシブルウールストール」と「リバーシブル和紙ストール」の2種類をご用意しています。

 

——カラーが多いことで自分に合うものも探しやすいですね。他にも特徴があったら教えてください。

鈴木さん:「リバーシブルウールストール」は、弊社の技術を生かした特殊な編み方でつくられているんです。ひとつは「接結(せっけつ)」といって、両面が表になるリバーシブルな仕上がりになっています。もうひとつは「縮絨(しゅくじゅう)」という加工をすることで、編み目が詰まってフェルトのような質感になっていて、風を通しにくく保温性が高いんです。

 

 

——老舗ニット会社の技術を生かしつつ、新しい感覚でつくられているアイテムなんですね。もうひとつの「リバーシブル和紙ストール」というのは?

鈴木さん:和紙を織り込んだ糸を使っているので、軽い上にさらっとした肌触りで、通気性や速乾性に優れています。シワになりにくく洗濯しやすいという特徴もあるんです。エアコンで身体が冷えやすい職場で働く女性にもいいですし、春夏のお洒落アイテムとして都会で大変ご好評をいただいています。

 

——和紙を使ったのは鈴木さんのアイデアなんですか?

鈴木さん:そうです。しわになりにくくて軽く丈夫なアイテムをつくろうと考えていて、何百種類もある糸のなかから和紙を選びました。糸の太さが少し違うだけで完成品には大きな差が出るので、試行錯誤しながら慎重に糸を選んでいるんですよ。お客様の声を聞いて製品を改良する場合もあります。

 

 

——へぇー、一度販売している製品も改良を重ねていくんですね。お客さんの声はかなり意識しているんでしょうか?

鈴木さん:もちろんです。「KITAMAE」で最初に弊社のアームウォーマーを買ってくれたお客様から、わざわざお褒めの連絡をいただいたことがあるんです。そうした声も製造する側にとってはモチベーションアップにつながりますね。

 

——それは励みになるでしょうね。今後はどのような展開を考えているんでしょうか。

鈴木さん:香港の百貨店へ2週間の予定で商品を持っていったら、大変ご好評をいただき、しばらく置いていただけることになったので、今後は海外への販路拡大にも力を入れていけたらと思っています。また、色々な方々とのコラボも考えています。現在も北海道の「castanet(カスタネット)」さんとコラボしてアイテムを開発しているんですよ。

 

 

 

株式会社アークリード

五泉市緑町7-18

0250-47-3377

8:30-17:00

土日曜祝日休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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