ふわふわな手触りに癒されて。スカンディアモスアートの世界へようこそ。
ものづくり
2024.12.30
最近は雑貨屋さんでもちょっとした観葉植物を買えるようになり、植物を育てることへのハードルが低くなってきているように感じます。でも植物の水やりや栄養管理など、日々のお世話はちょっと大変、と感じる方も少なくないと思います。ノルウェーの植物である「スカンディアモス」は、育てるのに土も水も使わないんです。今回はスカンディアモスアート作家のさかうえ きょうこさんにその魅力をたっぷり聞いてきました。

モスアート研究所
さかうえ きょうこ Kyoko Sakaue
1991年新潟市北区出身。4年前から活動をはじめる。本が好きで、休みの日は娘と図書館で絵本を探すのにはまっている。

植物に癒されて欲しい、からはじまった作家としての活動。
――さかうえさんがスカンディアモスアートをはじめたきっかけはなんだったのでしょうか。
さかうえさん:まだコロナが収まっていなかった4年前、娘が1歳のときに仕事を退職して、自宅で何か始めたいなと思ったのがきっかけでした。私の実家が造園業をしていたのもあって、植物が大好きだったんです。そこから植物を扱う何かをやってみたいと思いました。
――実家の家業の影響もあったんですね。
さかうえさん:最初は苔玉作りとか、テラリウムが流行っていたので試してみたんですけれど、 子育てをしながらというのもあって、植物のお世話がすごく難しいと感じていたんです。そんなときに「スカンディアモス」という素材を知りました。
――「スカンディアモス」とはそもそもどんな植物なんでしょうか?
さかうえさん:ノルウェーの森で生息している地衣類の植物で、トナカイの食料にもなっているんですよ。苔とは違い、土と水がなくても空気中から湿気と栄養分を取り込んで呼吸をしている植物なんです。よかったら触ってみてください。

――想像していたものとぜんぜん違いました! ふわふわな手触りがたまらないです。
さかうえさん:ぱっと見たら、硬そうって思うかもしれないんですけど、実は空気中の湿気を含んでて、すごくやわらかいんです。私自身、触っていると昔植物と一緒に遊んでいた気持ちを取り戻すような感覚になります。
――見た目でも手触りでも癒されますね。
さかうえさん:私は、癒しといえば庭を思い浮かべるんです。お家に庭があるだけで癒されるなと思っていて。でも、自分の家に庭を作るのって、費用もかかるし手入れも必要なので、すごく大変ですよね。自分の庭を作れなくても、お家で手軽に取り入れることができるグリーンのアイテムとして、モスアートを置いてもらえたらいいなと思って作品を作りはじめたんです。

まだまだ知らない、「スカンディアモス」のあれこれ。
――スカンディアモスアートの作品ははどれくらい前から作られているのでしょうか?
さかうえさん:日本に入ってきたのは5年ほど前ですね。ヨーロッパでは前からメジャーな存在で、「モスウォール」っていう壁の装飾があったり、緑をたのしむインテリアとしては人気が高いんですよ。
――「スカンディアモス」を使って、どのように作品は作られているのでしょうか。
さかうえさん:まずはモスの色を選びます。25色の中から自分の作りたいものをイメージしながら選んでいますね。
――スカンディアモスって、こんなにたくさん色があるんですね。
さかうえさん:もとは白っぽい色なんですけど、特殊な加工を施して、染料を吸わせて色を付けているんですよ。化学薬品を使っていないので、小さいお子様やペットがいるご家庭でも置くことができます。

――それはとても安心ですね。
さかうえさん:色を選んだら、ボンドやグルーガンでそのまま貼り付けて作ります。「スカンディアモス」はどこからでも水分を含むことができるので、貼ってもちぎっても大丈夫なのも特徴のひとつですね。
──ちぎっても生きているんですね、不思議です。
さかうえさん:成長の速度も特徴的なんです。モスは年間数ミリしか伸びない植物で、だいたい25年くらいかけて育ったものが作品に使われています。大きいものだと、50年以上の月日をかけて育ったモスもあるんですよ。
――とっても長生きするんですね。
さかうえさん:モスは生きているからこそ、空気の洗浄機能や脱臭機能にも優れているんです。トイレに飾るのもおすすめで、市内の工房さんとコラボしてトイレサインを作ったりもしています。

――機能性も備えたアート作品なんですね。
さかうえさん:ちょうど今の時期であれば、お部屋の乾燥対策としてモスアートを飾るのもおすすめですよ。モスの表面が乾燥していたらお部屋が乾燥している証拠なので、加湿器を焚いてあげてみるとか。お部屋の湿度計としてもお使いいただけます。
――モスについて、今日だけでずいぶん詳しくなった気がします。
さかうえさん:モスの認知度はまだまだ低いので、イベントでのワークショップを通して、モスについて知ってもらえるような機会を作っています。ワークショップを通して皆さんのびっくりした顔を見るのは楽しいですし、体験を通して、モスについてもっと知ってもらえるきっかけになればいいなと思います。

新潟にもっとモスアートの魅力を広めたい。
――さかうえさんは新潟県で初のモスアートの講師なんですね。
さかうえさん:モスアートの講師として活動するなかで、モスの魅力に気づいていただける方も多くて、そういった方に向けてスカンディアモスアートの認定資格のための講座を開いているんです。作品づくりのための、モスの基本的な知識と扱い方を教えています。今まで15人の方に教えてきました。
――モスアートの魅力を教えてください。
さかうえさん:自分の好きなコンセプトで作品を作り上げることができるところがとても魅力ですね。モノトーンで作ればかっこよくなりますし、グリーン系を使えばナチュラルな作品に仕上がりますし、その人らしさが作品にそのまま出るのが面白いですね。

――モスアート作家として、やりがいはどんなところにあるのでしょうか。
さかうえさん:自分の中で試行錯誤しながら作った、まだ誰もやったことがない新しい作品をお客様に見てもらえて、かわいいって言っていただける瞬間が嬉しいですね。作品のアイデアが思いつきすぎて、追いつかないくらいです(笑)
――今イチオシの作品を教えてください。
さかうえさん:似顔絵作家さんとコラボして、似顔絵をモスでデコレーションした作品ですね。モスが劣化せず、半永久的に生きているっていう特徴から、「元気に長生きしてね」っていうメッセージを込めて作ってみました。子ども向けの誕生日の作品や、おじいちゃんおばあちゃんへのプレゼントとして選んでもらえたらと思います。
――これはプレゼントしたくなる作品ですね。最後に、さかうえさんの今後の目標を教えてください。
さかうえさん:モスアートの教室や、展示会の開催、イベントを通して、モスアートの魅力を多くの人に知っていただいて、日常のなかにちょっと植物の癒しを取り入れていただけたら嬉しいですね。

さかうえ きょうこ
平日に予約制のレッスンを開催中
<イベント情報>
くつろぎマルシェ
2025年2月22日(土) 午前10時~午後3時
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