新潟駅前の飲食店が立ち並ぶビルの3階に、「隠れ繁華街 オバナ」がオープンしました。ここでは、他では味わえない一風変わったお料理と、県内外の日本酒が楽しめます。お店の代表である石澤さんと料理人の山本さん、店長の豊田さんに、お店のこと、お料理やお酒のことについていろいろ聞いてきました。
隠れ繁華街 オバナ
石澤 清大 Kiyohiro Ishizawa
1983年岩手県出身。長岡市の飲食店で働いた後、ラーメン屋に9年勤務する。その中で山本さんと豊田さんと同じ店で働き、苦楽を共にする。2025年に「隠れ繁華街 オバナ」をオープンする。血液型はB型で、最近は週に1回カラオケに行くんだとか。
隠れ繁華街 オバナ
山本 凌平 Ryohei Yamamoto
1993年佐渡市出身。新潟市内の調理師専門学校を卒業後、佐渡市内の寿司店やカフェで働く。その後知人の紹介からラーメン屋で働きはじめ、石澤さんと豊田さんと出会う。市内の飲食店で経験を積み、石澤さんと豊田さんと「隠れ繁華街 オバナ」をはじめる。血液型はAB型で、趣味はサウナに行くこと。
隠れ繁華街 オバナ
豊田 蒼士 Aoshi Toyoda
1998年新潟市出身。高校時代から、石澤さんと山本さんが働くラーメン屋でアルバイトをはじめる。その後建築系の専門学校に入り、卒業後はハウスメーカーの営業として6年間働く。血液型はAB型で、趣味はキャンプをすること。
――「隠れ繁華街 オバナ」は3月の末にオープンしました。お店ができるまでを教えてください。
石澤さん:この3人は同じラーメン屋で働いていたんです。山本は社員で一緒に働いていたし、豊田(以下:蒼士)はアルバイトとして、別の系列店で働いていたんですけど、よくヘルプで呼んでいて。
豊田さん:8割くらい石澤さんたちのお店で働いていた気がする(笑)。それくらい3人で働くことが多かったから、気づいたら仲良くなってた気がしますね。
――年齢もバラバラな3人が、どうしてそこまで仲良くなったんでしょう。
山本さん:営業終わりによく3人でご飯を食べに行っていたんです。石澤さんが「この後いかん?」って急に誘ってきて(笑)。それが毎週恒例になっていて、蒼士が社会人になってからも変わらず3人でご飯に行ってましたね。
――なんだか、青春って感じですね。それぞれの道を歩いてきた3人が「隠れ繁華街 オバナ」をはじめたのには、どんな経緯があったのでしょうか。
石澤さん:いつもみたいにご飯を食べていたとき、「いつかお店やってみたい」なんて話をしていたんですよ。その頃は3人とも違う仕事をしていたんですけど。僕は仕事に対してモヤモヤすることがあって、もっとこうできる、ああしてみたいって思ってもうまく動けなくて。
――雇われていると、思い通りにならないこともありますよね。
石澤さん:それで、山本とご飯を食べていたときに「お店をやってみない?」って声をかけたことがあったんです。僕はサービスはやってきたけど、料理はちゃんとできなかったし。山本が受けてくれたら、そこから本格的にお店をはじめようと思ったんです。
――そこから「隠れ繁華街 オバナ」がはじまったんですね。そのとき、豊田さんは……。
豊田さん:山本さんからその話を聞いて、「やりたい!」って言って一緒にさせてもらうことにしました。 バイトをしていて、接客の仕事が楽しいって思ってたんです。だからお店の話も楽しそうだなと思ったし、やってみたいと思って自分から言いましたね。
――そんな3人でつくったお店、和モダンな雰囲気が素敵です。
石澤さん:温かみのある店内になるように、壁紙や照明は選んでいます。特にカウンターの後ろの6連の和風シャンデリアはとても気に入っています。
──店名の由来を教えてください。
石澤さん:「オバナ」は『グランメゾン東京』の主人公の名前から付けました。僕らはみんなこの作品が大好きで、僕の家で宅飲みをするときに必ず観ているくらい(笑)。作品の登場人物がみんな本気で仕事をしている姿にとても共感するし、こうなりたいって思うんです。
――「隠れ繁華街」っていうのは……?
石澤さん:これはお店がものすごくわかりづらいビルの3階にあって、隠れているんですけど、扉を開けたら繁華街みたいに賑わっているようなお店にしたいなと思ってつけました。
――どんなお料理が楽しめるのでしょうか。
山本さん:和食を中心に、日本酒やビールにあうメニューを用意しています。おひとりの方でも楽しめるように、ハーフサイズをご用意しているものもあります。
――3人のおすすめを教えてください。
石澤さん:「オマール海老と旬菜の天麩羅」と「オバナの肉じゃが出汁巻き玉子」ですね。オマール海老って実は天ぷらにするといちばん美味しいんです。普通のエビでは感じられないジューシー感をお楽しみ頂けますよ。だし巻き玉子も中に自家製の肉じゃがが入っていて、肉じゃがと卵焼きのまとまりがちょうどいい、ここでしか味わいない一皿です。
豊田さん:僕は「豚の角煮」ですね。どこのお店でも角煮があれば絶対に頼んじゃうくらい好きなんです。ここで出す角煮は、お肉の柔らかさと脂身のとろけ具合のバランスにこだわって、何度も試作を繰り返しました。
――どれも日本酒に合いそうで、たまらないですね。山本さんのおすすめはなんでしょうか。
山本さん:僕は「柔らかとり天」がおすすめですね。お店やるなら出したいと思っていたもので、以前働いていた飲食店でやっていたことを応用して、衣はサクッと、お肉は下処理を工夫して柔らかく仕上げています。
石澤さん:このとり天、本当に柔らかいんだよね。山本に「こういうのつくってほしい!」って伝えただけで思い通りのもが出来上がるので、本当にすごいな、と思っています。
――そんなお料理たちに合わせるのが、日本酒ということですね。
石澤さん:お世話になっている酒屋さんがおすすめしてくれたものや、僕らが好きな日本酒を、県内外からバランスよくご用意しています。飲みやすいものもあるので、気になった方は気軽に試していただけると嬉しいですね。
豊田さん:気持ちよくお酒を楽しんでもらいたいので、日本酒以外にもサワー系や果実酒、ウイスキーを揃えています。ウイスキーはもっと種類を増やしていきたいんですよ。
――と、いいますと?
豊田さん:今はまだ準備中なんですけど、このカウンターを使ってバーとしても営業していきたいんです。せっかく隠れ家みたいなところにお店をつくったので、ゆっくりお酒を楽しんでもらいたいなと思って。
石澤さん:「Bar 蒼士」ね(笑)。
――お店の中で違った雰囲気を楽しめますね。今後の目標を教えてください。
豊田さん:今すごく楽しく仕事をさせてもらっているんです。これからも自分も楽しんで、お客さんにも満足してもらえるように営業していきたいですね。
山本さん:いつ来てもお客さんに楽しんでもらえるように、メニューを定期的に変えて行けるようにできたらいいなと思います。
石澤さん:このお店を続けていくのはもちろん、2店舗目、3店舗目も実現できるようにしたいんです。一緒にやってくれているふたりが働きやすくなっていけるように、まずはこのお店を続けていこうと思っています。
──ありがとうございます。最後に読者の方にひとこと、お願いします!
山本さん:他のお店では食べられないような料理もあるので、新しさを求めている人にはぜひお越しいただきたいですね。
石澤さん:少し奥まったところにお店があって、入りづらさがあるかもしれないんですけど、ぜひ一度、足を運んでいただけると嬉しいです。落ち着いているけど、アットホームさもあるお店になっているかなと思うので、性別や世代問わず楽しんでいただけますよ。
隠れ繁華街 オバナ
新潟市中央区東大通1-2-12 ホクユウビル 3F
050-8883-5759