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少年少女野球チームの監督を務める「いしざき整骨院」の石﨑院長。

西区五十嵐にある「いしざき整骨院」の院長は、元高校球児。自身が怪我に悩んだ経験から、スポーツ選手の後押しをしたいとスポーツ整形を学んだのだそうです。そんな院長のもうひとつの顔は、少年少女野球「西内野フレンズ」の監督さん。今回は石﨑院長に本業と監督業について、いろいろとお話を聞いてきました。

 

いしざき整骨院

石﨑 格 Itaru Ishizaki

1980年新潟市生まれ。大学を中退しスポーツトレーナーの専門学校へ再入学。卒業後は東京都内の整形外科に勤務。2012年に新潟に戻り、整骨院の院長を務めた後、2016年に「いしざき整骨院」を開業。少年少女野球「西内野フレンズ」の監督でもある。好きな野球選手はイチローと鈴木誠也。

 

症状ではなく、人を知る。

――石﨑さんが開業されるまでのことを教えてください。

石﨑さん:スポーツトレーナーを目指して、大学を中退し、専門学校へ入り直したんです。親には申し訳なかったですけれども、大学ではどうもやりたいことが学べそうにないと思って。

 

――卒業後はどうされたんでしょう?

石﨑さん:東京の整形外科で働いて、念願だったスポーツ選手のリハビリにも関わらせてもらいました。でも、ずっとリハビリの仕事で食べていけるかというと難しくて。なので、いずれ開業することを見据えて、整形外科に勤務しながら「柔道整復師」の国家資格を取得しました。新潟に戻ってきたのは、2012年です。今とは別の整骨院で院長を任せていただき、2016年に「いしざき整骨院」を開業しました。

 

――お得意分野は、やはりスポーツ整形ですか?

石﨑さん:スポーツ選手のリハビリからスタートしたので、この仕事をはじめた頃は、スポーツ整形を自分の強みにしていました。そもそも私、小中高と野球をやっていて、何度も怪我に悩まされたんですよ。なので、この道に入るときは「スポーツ選手の怪我をなくしたい」「よりよいかたちで復帰させてあげたい」って気持ちでいたんです。でも実際の診療の場ではスポーツ選手以外の方を診る機会も多かったんです。それで、「一般の方にも自分にできることがあるんじゃないかな」と思うようになったんですよね。

 

 

――いろいろな患者さんを診ることが経験につながるお仕事だと思います。

石﨑さん:若い頃は、勉強した通りにしかできませんでした(笑)。ありきたりの言葉ですけど、症状を見てばかりで。実際は、同じような症状でも、患者さんごとに原因が違うんですよね。お仕事は何をしているか、どんな生活をしているか、生活習慣はどうかなどを踏まえて判断しないといけません。「表面の情報だけでは身体の不調は改善しないな」と、ある程度わかるようになってきました。

 

――いずれは新潟で開業しようと思っていたんですか?

石﨑さん:そこまで「新潟で」という気持ちではなくて。「どこかで」開業できたらいいなと思っていたんですけど、東日本大震災が起きて、故郷を意識するようになったんです。

 

身体の癖を見直せば、痛みは変わる。

――「いしざき整骨院」さんには、スポーツをされている方がたくさん通われていると思います。

石﨑さん:それ以外にも腰痛や肩こり、産後の骨盤矯正などで来院される方がいます。ちなみに患者さんの9割が10代~40代。スポーツ経験は関係なく、身体の使い方がわからない、姿勢が良くないなど、日常生活で当たり前になっている「癖みたいなもの」が痛みを引き起こしていることも多いですよ。

 

――やっぱり普段の積み重ねが大事なんですね。

石﨑さん:ついつい痛みを感じる部位にフォーカスしがちですけど、それ以外に原因があることも多いんです。腰の痛みに対して腰を施術したとして、一時的にはよくなるかもしれませんが、根本的な解決ができていないケースもあります。極端な表現ですが、癌の場合は症状が軽減しても治療を続けますよね。それと同じ考えです。当院では、症状が起こる根本を解決するお手伝いをしたいと思っています。

 

 

――じっくり症状を確認するから、診療は予約制なんですね。

石﨑さん:それに加えて、患者さんの時間を無駄にしたくないという気持ちもあります。待ち時間は、短い方がいいじゃないですか。施術をするこちら側としても、「お待たせしてしまっている」という気持ちにならなくてよいですしね。患者さんも私たちも「納得できる治療」をするために予約制にしています。

 

――読者の方へのプチ情報として、簡単にできる肩凝り、首凝り防止法を教えてもらってもいいですか。

石﨑さん:デスクワークなどで、ずっと同じ姿勢でいるのはよくないですよ。同じ筋肉が使われ続けていることになりますので。例えるなら、腕に力を込めるとギュッと硬くなる筋肉がありますよね。何かを持ち上げるために「一瞬」筋肉が使われるならまだしも、一定の時間筋肉が使われっぱなしになっているとするとどうでしょう。30分、あるいは1時間に1度、トイレに行くなど、定期的に身体を動かすことが大切です。

 

院長のもうひとつの顔。野球チームの監督として思うこと。

――野球の監督業についてもお聞きしたいと思います。

石﨑さん:少年少女野球「西内野フレンズ」の監督になって、4年目です。週末グラウンドに行って、野球を教えて。それに子どもたちが応えてくれるっていうのは、やっぱり張り合いになりますね。

 

――石﨑さんも野球少年だったんですもんね。

石﨑さん:小学校から高校まで、野球を続けました。新潟明訓高校出身で、甲子園を目指して練習していたんですよ。

 

――すごい! 甲子園へは行けたんでしょうか?

石﨑さん:自分たちの代は、県内ベスト4でした。

 

 

――監督として心がけていることはなんですか?

石﨑さん:できるだけ子どもたちが「楽しいと思える環境」を作りたいと思っています。こちら側の感覚を押し付けることがないように、子どもの自主性を大切にすることも意識しています。当たり前のことでしょうけれど、チームの決めごととして、指導者含め保護者は「大きな声をあげない」というルールがあるんです。「楽しい」と思って入団してきた子どもの期待を裏切りたくはありませんので。

 

――ついつい熱が入って、いつも使わないような言葉遣いになっちゃうことがありますもんね。

石﨑さん:応援していると熱くなる気持ちはわかるんですが、「西内野フレンズ」ではそういった行為は一切お断りしています。チームに入る時点で、そのことも含めて説明します。

 

 

――身体の動きを熟知している整骨院の院長が監督だなんて、すごく安心ですよね。

石﨑さん:私は選手時代に怪我をして悔しい思いをしたので、子どもたちには負担をかけすぎないようにしています。「伸びるタイミング」は、年代ごとに違いますし、今後も見据えて運動能力を最大限に伸ばしてあげたいですよね。無理した結果、中学校、高校で身体が壊れちゃうようなことがないようにと意識しています。

 

――高校時代は勝利を目指して一直線だったと思うんです。今は「勝利」と「楽しむ」のバランスをどう教えているんでしょう?

石﨑さん:スポーツをする上で、勝利を目指すのは大前提です。でも勝てば何でもいいのかというと、そうではなくて。目標に向かっての筋道は、なるべく楽しく。「もっと頑張れそうだな」って気持ちが、小学校を卒業してからも野球を続けるモチベーションになるといいなと思っています。

 

――やっぱり勝利の瞬間は格別ですか?

石﨑さん:勝ち負けはもちろん大事ですけど、それ以上に、練習してきたことが身を結ぶ経験が大事だと思っています。個人としてもそう、チームとしても目指してきたかたちでプレイできた試合は、勝とうが負けようが「いい試合」だったと思えるんですよね。

 

 

 

いしざき整骨院

新潟市西区五十嵐中島4-22-51 ジュネスⅥ・A

025-263-3562

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