皮から手作り、本場中国の味。
西区の「RiRi餃子専門店」
食べる
2026.05.08
西区鳥原の住宅街にあるテイクアウトのお店「RiRi餃子専門店」。中国・ハルビン出身の百合さんが皮から手作りする餃子は、新潟市内の直売所などでも買える人気商品です。定休日だったこの日、店内には具となる野菜が山のように積まれていました。なんと1日400個もの餃子を作るのだそうです。具材の切り方、合わせ方、熟成時間など、百合さんこだわりの手作り餃子について聞いてきました。
小林 百合
Yuri Kobayashi(RiRi餃子専門店)
1980年中国ハルビン市生まれ。農家の家庭に生まれ、農業を手伝いながら飲食店に勤務。その経験を生かして個人で惣菜店を切り盛りする。結婚を機に2005年から新潟で暮らす。自宅ではじめた「李莉餃子店」を経て、2020年に現在の「RiRi餃子専門店」に移転。お友達と中華料理店を巡るのが好き。
料理好きの百合さん、
ハルビンから新潟へやって来る。
――百合さんは中国でも飲食業をされていたんですよね。
百合さん:料理は好きですし、自分の力で生活できる技術がほしくて、「コックさんになりたい」と思っていたんです。でも親戚から、女性がコックさんになるのは大変だよ、と言われて。だって中華鍋は重いでしょう(笑)。諦めきれないから飲食店でアルバイトをしていたんです。
――しかも、ご自身でお惣菜のお店を営んでいらしたとか。
百合さん:実家の農家を手伝いながら、朝3時から6時半までお惣菜のお店をしていました。近所の農家さんが畑仕事の合間の食事にって、お惣菜を買ってくれるんです。でもひとりで調理と接客をするのがあまりに大変で、しばらくしてやめちゃった。周りの人は「おいしかったのにもったいないよ」って言ってくれたんですけどね。
――結婚されて新潟にいらしたとのことですが、来日に不安はありませんでした?
百合さん:それは不安でしたよ。言葉がまったくわからないから。でもすぐに慣れましたけどね。
――日本でいちばんびっくりしたことって?
百合さん:スーパーで1個単位で食材を売っていること。とてもびっくりしました。中国では量り売りが主流です。キャベツでもりんごでもそれぞれの重さは違うはずなのに、同じ価格でいいのかしらって不思議でしたね(笑)
――日本の食事はどうでしたか?
百合さん:おいしかったですよ。でも最初の頃はお刺身が食べられなかったの。ハルビンで生魚を食べたことがなかったから。生の卵とレアのお肉は、今でも食べられません。食べ慣れていないからか、お腹の調子を崩しやすくって。人間の身体って不思議ですね。

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ご近所が太鼓判を押す
手作り餃子が売り出されるまで。
――新潟に来てから餃子の販売をはじめたそうですね。
百合さん:中国人なので手作り餃子をよく作るんです。仲良しのご近所さんにおすそ分けすると、みなさん「すごくおいしいよ」「百合さん、お店をやってよ」と言ってくれました。それで最初はスーパーに卸してみようかと思ったんだけど、実現できなくて。次に江南区の「農家持ち寄り市場 採彩」さんに声をかけたら、「うちには中華の惣菜がないからぜひお願い」ということになったんですよ。
――へぇ~、はじめてのお取引は採彩さんでしたか。
百合さん:あの頃は日本語もままならなかったし、商いのことなんてさっぱりわかりませんでした。それで採彩の現社長の坂井さんが、いろいろなことを教えてくれたんです。ラベルとパック詰めはこうしたらいいよ、保健所のチェックがあるからいつまでにこれをして、とかね。
――素晴らしい出会いがあったんですね。
百合さん:坂井さんなしでは、今こうしてお店を持つなんて考えられませんでした。それからキラキラマーケット、いっぺこ~と、県庁の売店などでも、私の餃子を売ってもらえるようになったんです。
――おすそ分けからスタートして、そんなに卸先が増えるなんて。
百合さん:宣伝はしていなかったんだけど、お客さんの口コミでどんどん広まっていったみたい。友達や親戚の集まりに私の餃子をお土産に持って行って、「これどこの?」と話題になったんだよ、といろんな人から教えてもらいました。

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にんにくなし、甘みは玉ねぎ、
皮は手作りの「RiRi餃子」。
――餃子以外にもいろいろなメニューがあるんですよね。
百合さん:外部に卸しているのは焼き餃子、水餃子が多いですけどね。店舗では小籠包や焼売、春巻、中華まん、メンチカツなどをそろえています。調理済みメニューのテイクアウトも、冷凍品のお持ち帰りもできますよ。
――ちょっとだけでもよいので、作り方を教えてもらえませんか?
百合さん:いろんなところにこだわっているの。まずお肉は自分のところで合い挽きにしているでしょう。それから皮も手作り。日本では具の味付けに砂糖を入れるけど、私は玉ねぎを使います。皮もそうなんだけど、具になる材料も少し寝かせる時間がポイントです。
――日本人が食べやすいようにアレンジしているんですか?
百合さん:いえいえ、中国の作り方と同じです。日本の家庭にある調味料だけでおいしくできあがるんですよ。
――営業日以外は、今日のように仕込みをされているんですね。
百合さん:ひとつひとつ手作りなので、どうしても時間がかかります。人間の手では大量生産はできないから。だいたい1日400個仕込むことが多いかな。多いと600個ほど。閉店後の19時過ぎから夜中の2時半くらいまで餃子作りをすることもあります。
――百合さんが作る餃子のいちばんのポイントは?
百合さん:やっぱり皮じゃないかしら(笑)

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変わらぬ味を
いつまでもずっと。
――2022年に「RiRi餃子専門店」をはじめようと思ったのは、どうしてですか?
百合さん:ずっと「お店を出したい」と思っていたんです。いろんなところを探して、最終的にここに落ち着きました。お店があるとお客さんと直接お話できるでしょう。「子どもや孫が喜ぶ」「にんにくが入っていないから気にせずたくさん食べられる」「肉汁がたっぷり入っていておいしかった」と言ってもらえてすごく嬉しいです。
――長年の夢が叶ったんですね。
百合さん:消費税が上がったときは「どうしよう」って不安になったし、まだ売上がそんなになかった頃はアルバイトもしてね。コロナ禍で外食禁止になってどうなるかと心配だったけど、幸いテイクアウトのお店だからなんとか助かって。いろいろありましたけど続けてこれたのは、やっぱり作ることが好きだからなのかな。みなさんが「おいしい」と食べてくれることがいちばんの喜びだから。
――これから「RiRi餃子専門店」をどういうお店にしていこうと考えていますか?
百合さん:ずっと変わらず、この味を守っていきたいと思っています。みなさんの笑顔の素になりたいですね。

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