「ローカル食堂 ランブロワーズ」で、いつもの食事をちょっと特別に。
食べる
2025.02.17
三条市の住宅街を入ったところにある「ローカル食堂ランブロワーズ」。今年の4月で10周年を迎えるこのお店を切り盛りする高井さんご夫婦は、料理に対して面白い視点をお持ちです。お店をはじめるまでのことや、料理に関するおふたりの考えなど、いろいろ聞いてきました。

ローカル食堂ランブロワーズ
高井 善史 Yoshifumi Takai
1977年弥彦村出身。東京で10年間飲食業に携わり、20代後半で新潟へ帰省、県内のホテルや飲食店で働く。2014年に結婚し、「ローカル食堂ランブロワーズ」をはじめる。史子さん曰く「芸術家」だそうで、料理の他にも絵が描けたり、ピアノが弾けるそう。アーティストの藤井風が好き。

ローカル食堂ランブロワーズ
高井 史子 Fumiko Takai
1981年三条市出身。大学を卒業後、東京の専門学校で調理を学ぶ。卒業後は東京のレストランでサービスマンやパティシエとして働き、その後ワーキングホリデーを利用し1年間フランスで生活する。帰国後は新潟のカフェで勤務し、2012年から3年間、三条市内で「cafe mui(カフェ ムイ)」を営む。YouTuberの「ハネハネ」が好き。

日常にある新鮮さを届ける食堂。
――今日はよろしくお願いします。まず、おふたりのこれまでを教えてください。
史子さん:私は東京の専門学校を出た後、都内のレストランでサービスや製菓を担当していました。とあるフレンチレストランで働いていたときに、フランスに行きたいなって強く思ったんです。それで、東京の家を引き払って、1年間ワーキングホリデーでフランスに行くことにしました。
――行動力がすごいですね。その後はどうされたんですか?
史子さん:帰国後は新潟のカフェで働いていました。そこから自分のカフェを開いたんです。このときに夫と出会いました。
善史さん:僕は東京と新潟で和食の料理人として働いていました。三条のお店に勤務していたときに、妻と出会って結婚したんです。その後、妻と一緒にこのお店をはじめることにしました。

――それぞれ飲食の道に進まれたおふたりですが、最初から独立したいという思いはあったのでしょうか?
史子さん:私はひとりでカフェをはじめたくらいなので、自分のお店を持ちたいなっていう思いは強かったですね。
善史さん:僕はそこまで強く独立したいと思っていなかったんです。でもちょうどいい流れだったので、お店を開くことにしました。
史子さん:夫からしたら、独立したいと思っていた私と結婚したし、まさに「渡りに船」だったんじゃないかな(笑)
――お店のなかで、おふたりの役割はあるのでしょうか。
史子さん:定食のメニューでいうと、夫がメインやおかず、味噌汁を、私はサラダやデザートを担当しています。

――店名の由来を教えてください。
史子さん:「ランブロワーズ」はフランス語の「L’ambroisie(ランブロワジー)」からきています。この言葉は「神に捧げる料理」や「おいしい料理」という意味をもっているんですよ。
善史さん:「ローカル食堂」をつけたのは、普段味わえないようなものが楽しめる場所にしたいと思ったからです。「ローカル列車」みたいな、言葉としては身近で親近感があるけど、言葉にするとちょっと新鮮な感じがよかったんですよね。
史子さん:「ローカル列車」ってそこに住んでいない人が呼ぶじゃないですか。日常の中にある非日常を感じてほしいなと思ってこの名前にしたんです。

新鮮さを忘れない。料理に向き合う姿勢。
──ここの看板商品は定食なんですね。
善史さん:定食といっても、メインのお料理は洋風なんです。できたてを提供できるようなメニューにしています。
史子さん:弥彦産の「やわらみ豚」を使ったステーキや、地魚のオーブン焼きなど、新潟産の食材を使うようにしています。新鮮な地魚が入ったときはお刺身なんかも用意していますよ。
――メニュを考えていく中で、おふたりはどんなことを大事にされているのでしょうか。
善史さん:新鮮味があるような料理をつくるようにしています。お客さまに美味しく食べてもらうことを考えて、常に変化をし続けていくことを意識していますね。
善史さん: 毎年同じメニューを出していても、つくっている人は常に変化していきますよね。毎回同じやり方でつくっていたら、それは同じ料理ではないと思っていて。変化し続けているつくり手にあわせて、料理のレシピや分量を変えることを大事にしています。
史子さん:毎年同じところから同じリンゴを買っていても、年によって状態は変わるじゃないですか。そこにつくる人があわせて変化することが大切だと思っています。

――一見同じに見えても、つくる側は変化し続けているんですね。
善史さん:食材にあわせて取捨選択をすることも大事だなと思っています。バンドで例えると、メンバーのなかでギターがいちばん人気があっても、曲の中でギターの音がいちばん大きくなることはないじゃないですか。そのバンドを全体的に見て、より良くなるような選択肢を考えることに似ていると思うんです。
史子さん:そうそう。限られた予算や量の中でベストな選択になるように、ふたりでいつも考えているんです。
――食材ひとつをとっても、いろんな選択肢があるんですね。
史子さん:夫は芸術家みたいだなっていつも思うんです。何をするにしても、本質というか、概念のようなものを考えているなと思っていて。
善史さん:僕は普通だと思ってやっているんですけどね(笑)

これまでも、これからも変化を恐れない。
――今年の4月で10周年を迎えますね。
史子さん:振り返るといろいろあって、大変でしたね。
善史さん:お店をはじめて3年目に子どもが生まれて、子育てしながら営業するためにお店のかたちをいろいろ変えたし、6年目にはコロナが流行ったり、世の中が変化して物価が上がったり……。ようやく10年目を迎えたという感覚です。
――言葉の重みを感じます。お店に立つうえで大事にしていることを教えてください。
善史さん:掃除はきちんとすることと、お互いが気分良く仕事ができるように思いやることですかね。
史子さん:私も、相手に配慮することは大事にしています。それから困ったときはとにかく話し合う。問題が解決されるだけじゃなくて、そこから新しくアイデアが生まれることもありますから。

――おふたりとも同じ考えでお店に立たれているんですね。
善史さん:あとは自分のやっていることが正しいのか、常に疑うようにしています。大人は年を重ねるほど、変化が必要だと思うんです。それは料理でも同じ目線で向き合うようにしています。
――今後の目標を教えてください。
善史さん:まずはこのお店を続けること、残すことですね。自分自身としては新しい価値観を受け入れながら、変化し続けて行けたらいいなと思います。
史子さん:まったく同じです(笑)。必死でも、とにかく続けていきたいですね。
善史さん:「嵐が過ぎ去るのを待つな、雨の中で踊れ」ってやつだね。

ローカル食堂ランブロワーズ
三条市石上2-15−31
ランチ
11:30-14:30(L.O 14:00)
ディナー ※予約推奨
予約あり:17:30-21:00(L.O 20:00)
予約なし:17:30-21:00(L.O 19:15)
定休日:日曜、月曜
月2回、月曜日にパスタの日を開催中。詳しくはInstagramへ。
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