ラジオから司会、漫才まで。マルチに活躍するローカルタレント「ベリオ」。
カルチャー
2025.08.09
水曜日の夕方5時。新発田市の電波に声を乗せるのは、新潟のエンタメ集団「Niigata Mix Sand」所属のベリオさんです。ラジオパーソナリティとして毎週1時間半の生放送を担当しつつ、各種イベントでは司会業もこなす、期待のローカルタレント。以前Thingsで取材したオダニハジメさんとお笑いユニット「ゆとりズ」を結成し、M-1出場を目指しています。そんなベリオさんに、タレント業を目指したきっかけや、今年のM-1に向けての意気込みを聞いてきました。

ベリオ
阿部 リオ rio abe
1996年生まれ、新潟市北区出身。大学中退後、一般企業に就職するもタレント業への憧れを諦めきれず、2021年に新潟お笑い集団「NAMARA」の門を叩く。その後、「Niigata Mix Sand」に加入。FMしばたの生放送番組で週1回パーソナリティを務め、その他イベントの司会やタレント業など幅広く活躍中。最近トースターを購入し、パンを焼くのにハマっている。
「運が良い」の一言に尽きる。夢だったローカルタレントへの道。
――本日はお時間いただきありがとうございます。サングラス、かっこいいですね。
ベリオさん:ありがとうございます。趣味でいろいろ持ってるんです。できればサングラスが自分のアイコンになるくらいに定着させたいんです。

――某大物芸能人のようです(笑)。ベリオさんは今タレントとして、どんなお仕事をされているのでしょうか?
ベリオさん:FMしばたでラジオパーソナリティと、イベントの司会をさせてもらっています。最近はお笑いユニット「ゆとりズ」としての活動も増えていますね。
――ラジオは毎週ですか?
ベリオさん:2022年からレギュラー番組を持たせてもらっていて、毎週水曜日の夕方5時から生放送でやっています。

――ちなみに、ラジオパーソナリティってどうしたらなれるものなのでしょうか?
ベリオさん:僕の場合はイレギュラーなので参考にはならないと思いますが、小さい頃からローカルタレントに憧れていて、新潟のエンタメ集団「Niigata Mix Sand」に入りました。そもそもラジオパーソナリティって、アナウンサーや芸人がなるものってイメージがあると思うんです。そうじゃなければ音楽に詳しいとか雑学があるとか、そういうバックボーンがあるから仕事につながるんですが、僕にはそれが一切なかったんですよね。
――それでも、チャンスを掴めたのはすごいことですよね。
ベリオさん:運が良かったと思います。芸人のオダニハジメさんが「NAMARA」の所属なんですが、当時オダニさんは「出来心」というコンビでラジオ番組を持っていて、ラジオをもう1枠やらないかって話がきたらしいんです。そこで「そういえばベリオがラジオやりたいって言ってたな」って僕のことを思い出してくれて、声をかけてもらいました。

人生何が起こるか分からないから、やりたいことをやる。
――小さな頃からローカルタレントになるのが夢だったとのことですが、何がきっかけだったのですか?
ベリオさん:僕が小学生の頃って新潟のローカル番組に「NAMARA」の芸人さんがたくさん出ていたんです。特にヤンさんがすごく好きで、『ヤンごとなき』や『新潟一番』に出てみたいなって小学生のころから思っていました。
――実際にエンタメの世界に入ったのはどのタイミングだったのでしょうか?
ベリオさん:大学を中退して、こっちでフリーターや派遣、正社員、いろいろやっているときでした。うちは父親がとにかく厳しい人で、大学も父の意向で決めたところでしたし、戻ってからもちゃんと働け!という圧が強くて。まあ当たり前のことなんですけどね。

――戻られてからはどんなお仕事を?
ベリオさん:最初は焼肉屋のオープニングスタッフとして3年働いていました。そこは普通の焼肉屋とは違って、一枚一枚スタッフがお肉を焼きながら説明したりお客さんと雑談したりするんです。それがすごく楽しくて、僕は喋り過ぎるから宴会とかじゃなく個室を利用されるお客さんの接客を担当していました。その後、工場で働きはじめたんですが……。
――何かあったんですか?
ベリオさん:全然向いてなかったんです。3年半くらい頑張ったんですけど、どんどん気持ちが追い込まれてしまって、会社に行けなくなりました。大学を辞めたきっかけが父親との喧嘩だったこともあって、仕事も上手くいかないのは全部父親のせいだって思うようになってしまいました。父親を恨むことで、自分がほかの人と同じようにできないことから目を背けていたんだと思います。

――なるほど……。
ベリオさん:大学を辞めてバイトして、工場勤務したけど続かなくて、何もできない自分は、ずっとどういう人生を歩むべきか考え続けていたんです。そうしたら、父親との関係も良好ではない中、出先で父が階段から落ちて……。
――え……。
ベリオさん:事故のあと、1か月くらいはいつ死んでもおかしくない状態だったんです。落ち着いた今も目を覚ましていません。人って何が起こるか本当にわからないんだって実感しました。それで、父のことを含めて家族で話してるときに、母親から「もう好きなことやったら?」って言われたんですよね。
――その「好きなこと」がタレント業だった?
ベリオさん:ずっとやりたいという想いはあって、実は工場を辞める少し前に「NAMARA」の代表の番号を調べて連絡したんです。その時は途中で返事がなくなって、「そういうもんだよな」って諦めていました。父のことがあって、あらためて夢に向かいたくて連絡したら、「一度事務所来てください」ってトントンと話が進みました。ちょうどいま僕が所属している「Niigata Mix Sand」の前身の団体が「NAMARA」と育成協定を結んだときで、僕が1人目としてそこに入ることになったんです。
――タイミングが重なって、一気に道が開けたんですね。
ベリオさん:踏み出せたのは、何が起こるかわからないことを痛感したからだと思います。父はあと5、6年で定年でした。旅行や車の購入とか、定年後のプランを話している姿も見ていたのに、本当に唐突にそれができなくなってしまった。人っていつどうなるか分からないんだから、やってないことをやるべきだって決意が固まりました。

新潟にお笑いの文化を残したい。「ゆとりズ」でM-1へ。
――お笑いユニット「ゆとりズ」について教えてください。相方は先輩芸人でもあるオダニハジメさんですよね?
ベリオさん:2024年6月に東京の福生市で開催された環境フェスティバルっていうイベントに出たのがきっかけで結成しました。元々イベントに呼ばれていたのは「出来心」さんですが、4月に解散してオダニさんはピンになっていたんですね。コンビで呼ばれていたし、せっかくだからベリオと出るかって声をかけてもらって、そのとき付けた名前が「ゆとりズ」です。
――ベリオさんは芸人じゃないので、漫才はその時がはじめてだったんですよね?
ベリオさん:そうです。わけもわからないままイベントに出たあと、ラジオの収録中にオダニさんから「M-1出ませんか」って誘われて、本当に出ることになりました。2回戦敗退ではありましたけど、意外と褒められて僕も調子に乗って、今は「ゆとりズ」としての活動が増えてますね。
――ネタはどちらが考えていらっしゃるんですか?
ベリオさん:オダニさんです。「ネタはすべて自分が書くから、ベリオくんは滑っても気にしなくていい。僕のネタなので、何も考えずに一緒にやってくれたらいいんです」って言われました。もはやプロポーズですよね。
――熱いですね、ついていきます!って言いたくなります。
ベリオさん:お笑いへの想いが強い方です。新潟のお笑い・漫才シーンを盛り上げるために、今年の4月からは「ぼくらのハイライト」という新潟唯一の定期漫才ライブをオダニさんが中心になって開催しています。今までは西堀ローサで「ミックスサンドライブ」というのを毎月やっていましたが、ローサが閉鎖してしまったので……。新潟のお笑い文化を残して、若い世代も気軽に立ち寄れる定期ライブをつくりたいという想いで立ち上げました。
――「ぼくらのハイライト」は会場が新潟駅からすぐなのもいいですよね。
ベリオさん:CoCoLo南館のMOYORe:ホールなので、車を持っていない学生さんでも来やすいと思います。新潟の若手漫才師がみなさんに笑ってもらおうと一生懸命ネタを披露してるので、ぜひ気軽に遊びに来てほしいです。

――最後になりますが、M-1期待しています。頑張ってください!
ベリオさん:M-1の新潟予選が8月17日で、「ぼくらのハイライト」は24日です。胸張って24日のステージに立てるよう新潟の漫才師・コンビ全員で頑張ってくるので、ぜひ応援よろしくお願いします!

ベリオ
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